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下準備は完了(2012年08月12日)
財政の崖が懸念され、欧州危機も相変わらずなのに金融緩和期待だけで戻り高値に挑戦するNY市場は強いですね。基本的に懸念される日本化現象は陽気な米国人には無用な心配なのかもしれません。通常はどう考えても現時点では企業業績は不透明で高値を更新する理由が見当たりません。しかし背景にはこれまでのQE2により充分に緩和効果が発揮されていると考えるべきなのでしょう。だんだん、カタルが予測するFRBの9月緩和説採用の根拠が薄れています。大統領選をフォローするためのバーナンキは側面支援をすると言うのがカタルの9月説の根拠なのです。この考え方を有効に活用するためには一時的な株価の下げが必要だと考えています。まぁ、9月12日ですからまだ日がありますから…カタルの予測は正しいかもしれませんが…。

日銀は単独では更なる緩和策を選択しないと思います。本当はもっとハッキリとリートやETFの買い増しをすべきだと思っています。日本化現象の根底にあるのは資産価格の劣化です。基本的に日本企業がいくら稼いでも内部保有する資産価格が劣化すれば期間利益でそれを補わなくてはなりません。りそなのケースを見ても分かるように、そんな事は不可能と言うか…非常に長い時間がかかるのです。故に23年も失われた時代を過ごしているのですね。既に地価は収益還元法価格、つまり投下資本の利益率が調達金利を上回る状態ですね。住友不動産が投資に最も前向きだと言われていますが、地所も三井不動も開発をある程度増やしており、ここでさらに広げる必要がありますね。
年金の資産劣化の基本は株式の下落ですね。ところが株式相場を見れば…多くの銘柄が純資産価格を割り、配当利回りの2%を超える銘柄は1840社もあります。加えて純資産のPBR1倍割れは2260社ですよ。全上場企業は3234社なのです。配当利回りを3%にしても1002社もあるのですよ。如何に株価が割安か分かると思いますが…先日の旭硝子のように自社株買いをしない日本人の経営者は市場原理を理解していませんね。だから社外取締役強化の法令化を嫌うのです。企業統治が出来ていないからオリンパスや大王製紙のような間違いが起こるのですね。日本村社会のいやらしい部分です。

「規制の虜」は何も東電だけの問題ではなく日本中の蔓延る恥部ですね。役人と企業が結託して社会常識のフェアな考えを歪める日本村構造です。だからフジテレビの事件が起こり、ライブドアが排除されたのでしょう。楽天の三木谷さんは経団連から抜けた根本的な原因は、市場原理をどう考えるか?…この考え方ですね。彼は極端な事例ですが…。英語を社内公用語にする理由は、市場原理主義にありますね。公正な社会構造が競争を生み人類をさらなる進歩へと導くのです。だから米国の市場原理主義が批判はありますが、世界ルールになっているのでしょう。このルールを守る為に米国は戦争をするのですね。卑劣な方法で、力を得ようとするテロと戦う理由は公正なルールを守る為なのです。
日本はどうでしょう。オリンパスは上場が許され、何故ライブドアは廃止されるのですか?東証は何故、大証をTOBして裏口上場するのでしょう。大証を完全にTOBをして上場廃止にしてから、新たに上場申請をするなら分かります。大が小をのみ込み上場会社とするなんて、どう考えてもルール違反ですね。原発は人災とされる根拠は原子力委員会や経済産業省との癒着構造ですね。規制の虜とは、役人が自己利益の為に規制を緩和する癒着構造を示します。原発の電源喪失は考えられており、厳格にルールが適用されなかった人為的なミスが指摘されていますね。この点は当事者ではないから電源喪失の可能性を、どの程度話し合ったのか?分かりませんが…事故報告で、規制の虜と指摘したからには、根拠があったのでしょう。
問題は東電だけではないことです。全ての産業が中央官庁と結託してルールが歪められ裁量決済が行われていることですね。だから公正なルールがなくお手盛りになります。明治維新以来、欧米に追いつくために、一所懸命に官民一体になり努力をしてきました。そうして日本は先進国の仲間入りを果たしたのです。大蔵省の資金の適正配分が存在したおかげです。鉄道や道路や電力などの基礎的な社会基盤づくりが役だったのですが…いつの間にか、この適正配分が歪められて、業界との癒着構造に変わっていたのですね。残念ながら郷里の英雄の田中角栄の利権構造は、その点は大きなマイナス面でした。小沢一郎が度々メディアから批判されるのは、その様な背景があるからでしょう。しかしもっとも悪質なのは東電と官僚との癒着構造、規制の虜です。だから中央集中の権力構造ではなく、地方分散が叫ばれる訳ですね。震災の復興が進まない理由、もろもろの日本化現象のガンは、中央集中の権力体制にあります。事務次官会議が廃止になった理由の根底はここにあるのです。
早く道州制を導入して地方分散を図り豊かな暮らしを実現せねばなりません。九州はアジアに近く色んな活用があります。北海道だってシベリアに近く色んな可能性がありますね。もし北海道が領土問題など棚上げして北東アジア地域をソ連や中国、韓国などと共同で一体開発して、世界一の漁業の集落を作れば良いのですね。地方政治なら可能性があります。権限とは予算ですね。要するに中央官僚が配分する予算の権限を、地方政府に移せば良いのです。日本にはまだまだ様々な問題があります。一番は教育改革でしょう。しかしこれは時間がかかりますね。道徳概念を確り叩き込む必要があるでしょう。様々な問題はありますが…社会構成をみれば変化していますから、そう悲観はしていません。震災は千載一遇のチャンスです。なんとか変えたいものですね。
日本市場の豊かな復権を望むカタル君にとって本音で株はすばらしいとお奨めできる時期は既に到来しているのです。少なくとも外部環境は整っています。あとはやり切る意思だけの問題ですね。