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日本の方向性(2012年07月29日)

日本経済は1985年のプラザ合意により、曲がり角の幕が開けたのでしょう。あと3年で30年になります。為替水準を超える生産性の向上により日本製品が世界中から持て囃され「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われ、世界中から日本の年功序列や終身雇用と言う労働制度が注目された時期でした。一方で関税などの産業障壁により鎖国制度が進んでいた時期でもあります。日米同盟を基軸とする米国の保護の下で成長していた時代が終わりを告げたのです。

時は移り野田政権下でTPPが話し合われコメの内外価格差が問題視され始めています。鎖国時代の象徴的な内外価格差を示すコメの問題が大きくクローズアップされます。ある意味で外貨を稼ぐために、加工貿易により付加価値を転嫁して貿易黒字を基礎に日本は成長してきました。しかし新興国なら許されるハンデも先進国の仲間入りをすればフェアな関係を求められるのは当たり前でしょう。今はV22-オスプレイの安全性問題で日本中が、おかしな方向性に議論が進んでいます。もう少し日本人は原点を考えなくてはなりませんね。徴兵制度を復活させ独自の軍隊を持つのか?それとも米国の庇護を選ぶのか?難しい問題を先送りせずに真剣に考えねばなりません。

全てがコメの内外価格差と同じです。自民党政権は票田である農村部を小手先の欲で操ってきました。その失政のツケが内外価格差の拡大と農業人口の激減、農村部には若い担い手は少なく、三ちゃん農業の極みにあります。荒れ果てていく耕作地は日本の産業政策の象徴的な存在です。長いデフレはニトリやユニクロを生み、内外価格差を生かした構造転換が促進されました。時代背景を考えると伸びる企業と言うのは、やはり時代背景があるんだな…と、改めて考えさせられます。

今の日本はようやく高度成長期の歪みが是正されている動きなのだろうと考えるようになってきました。昨日のモヤモヤとしたレポートは、だんだん進化を遂げ洗練されたものになっていくのでしょう。もしこの発想が正しいならコメの内外価格差がなくなるまで、関税がゼロになるまで新しい相場は来ないのかな?でも日本は捨てたもんじゃないですね。昨日の日経夕刊でしょうか…百貨店の増益報道があり高額品が売れていると書かれていました。私がレポートで、以前、高島屋などの百貨店株はそろそろ買いじゃないかと考えていることを述べて事があります。理由は日経新聞の報道だけでなく、団塊の世代である従業員が続々と退社を迎えます。そうなると人件費の構造が大きく変わりますね。勿論、団塊の世代が退職の時期を迎え、日本の消費構造が変わる可能性もあります。だから百貨店株は注目されます。

日本のGDPは469兆円もあるのです。捨てたものじゃありません。長いデフレは百貨店業界のように構造転換を迫り、同時に売り上げも構造的な岩盤の位置にあるのでしょう。本当の日本の実力の岩盤に届いたイメージが強いのですね。まだレポートは完成されていませんね。分かり辛い表現が多いですね。TPPの参加は農産物の関税問題にも大きな影響を与え、必ず、コメの価格も議論されます。そうなると三ちゃん農業の実態が変化を迎えることになります。企業が農業に参入し恵まれた自然を生かす取り組みが進むことでしょう。今は過渡期なのですね。明治維新以来、追い付け、追い越せで富国強兵路線を突き進み、戦後は日米同盟の庇護の下で発展し先進国入りを果たしましたが、プラザ合意の転換点で政策の選択を誤ったのです。TPPへの参加はある意味で理に適っています。

市場ではパナソニック、ソニー、シャープなどがドンドン売られ、介護のツクイなどのベンチャー企業が活躍するようになっています。ニトリなどは円高メリットを生かし成長を続けています。株価は正直に動いていますね。下のグラフはニトリ(赤)、日経平均株価(黒)、パナソニック(青)です。如何に世論が間違っているか? 既存の固定概念が間違っているか…の証明でもありますね。大震災は日本の構造転換を際立たせ、市場に大きな影響を与えるようになっているようです。

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昨日のレポートと合わせて読んでください。私自身があやふやな状態なのでまとまりのないレポートですが、考えている主旨は何となく伝わるかと思います。一番大切なことは世の中の流れがどんな選択をするかです。日本経済のテーマの一つに団塊の世代の動向が重用で、おそらく消費を刺激し始めることは事実でしょう。だから先ほど述べた百貨店株も注目されるでしょう。TPPは最近あまり問題視されていませんが、参加は是非しなければなりませんね。なし崩し的な時間の概念を求めるのか?それとも破壊的な斬新性のある改革を求める選択をするのか?どうなるのでしょう。分かりますかね?ニトリのようにワタミが成長路線に乗る可能性があることが…もちろん、これからの経営者の選択が株価を決めます。ソニーだって、同じように成長株の素質は持っていますね。大きく転換する素質はあります。経営の方向性が悪いのですね。折角の経営資源が無駄になっています。