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2012年06月24日
終焉を迎える空洞化現象
物事には常に二面性があり、自分がどう考えるかにより、行動も変化し結果も変わるのでしょう。緊縮策でスタートした欧州問題もここに来ての民意は成長路線に変化し政治家は妥協の産物を生んだようです。1300億ユーロ程度では大きな効果はなく、やらないよりましか…と言う程度の金額なのでしょう。不良債権の償却は時間がかかります。特に金額の大きな住宅は影響が広範囲に及び、なかなか解決しないのでしょう。あれだけ正しいと思われる政策を実行した米国も、依然、金融緩和を続け金利が下がり続けています。それでも勝ち組は動かずにじっと我慢をしています。
結論としては大恐慌から戦争に突入したように大量の破壊をして需要を作り出す需給バランスの改善なども解決策でしょうが、現代においてはあまり現実的とは言えません。まぁ、部分的にシリアのように破壊を続けている国もありますが…アラブの春はある意味で自然発生の産物だったかもしれません。
もう一つ考えられるのが、今の技術で作られた製品の陳腐化ですね。人々の感情が大きく動くように時代を進めればいいわけです。携帯端末はある意味で夢の技術の蓄積、SFの世界の話が現実になりました。高速道路を無人で走る事例が日経に掲載されましたが、カーナビやITSなどが発達し技術的には既に可能でしょう。GPS機能を有したスマフォをもっと活用すべきでしょう。現在はあまり技術的に高いとは言えないゲームも色んな広がりを増やします。だからカタルは誕生以来ずっと注目しています。
今でも解釈に苦しむのがライブドアやグッドウィルへの制裁ですね。彼らは何を誤ったのでしょう。やんちゃな若者が馬鹿をやるのは仕方がなく、リスクを冒すから進歩がある訳で、安心・安全を求めればコストがかかり躍進は出来ません。それでも安心・安全の世界などはないのですね。それならば基本的な概念として、もう少し寛容な枠組みにすべきでしょう。自分達の仲間が不祥事を起こすと寛大なのです。昔ならオリンパスは確実に上場廃止です。消費税法案が通れば、時限の公務員の経費削減も緩むのでしょう。国家予算の獲得をどうやるかの次元の低い争いをして…村社会の論理を優先させる日本の政治。財務官僚のロボットばかりです。この財務官僚は米国の支配下にあるように感じています。小沢氏を挙げた地検は汚点を残しましたが、背後で動いた米国はメディアを誘導しているようにも感じています。必要以上に叩くメディア攻勢。何か違和感を覚えます。
話がそれてきましたが、ライブドアやグッドウィルは敗退し、今回のコンプガチャ問題もどんな展開になるのか? 子供の被害を棚に上げ、産業の成長を道徳論で押しとどめました。しかし…はみ出しが者が社会の救うのではないでしょうか? あの社会に入ったことはありませんが、きっと社内には成長の希望があり、生きる糧があるのでしょう。もっと、更に…面白いものを追求する活力があるのでしょう。好むと好まざるにかかわらずバーチャルの快楽産業は求められ続けるのでしょう。そのうち、直接、脳を刺激する時代が来るでしょう。何が人類の成長に繋がるか分からないものです。時代が大きく変化し産業革命の時代に入っているのです。だから大きく価値観が変わるのでしょう。20年以上も続く失われた時代は、次のステップアップに必要な条件だったのでしょうね。社会に参加する世代が変わるのです。既にカタルは時代遅れの産物です。3丁目の夕日に憧れ、はかない夢を追い続け、時代の到来を待っている人種ですからね。まさか証券市場が枯れるとは…。
基本的な概念が米国と日本では大きく違うのですね。国民教育がされていない為に、馬鹿なメディアばかりが存在するために、なかなか市場原理が理解されませんね。市場は鏡に過ぎません。躍動感を失った鏡は機能を果たしませんね。ここまで自我を通す日本村の論理が正しいのかどうか…。曖昧な妥協は止め徹底的な論理を展開させればいいのでしょう。市場経済は激しく動きますが、今の所、日本はまだ残された時間が存在するようです。しかし高齢化する人口構成と現状の社会保障を考えれば、今の規模を維持できないことは明らかです。空洞化を伴うグローバル競争は間もなく終焉を迎えます。ロボットがロボットを作り人件費がかからないファナックはある意味で僕らの希望の星なのかもしれません。育てロボット産業、既に車の時代ではないでしょう。

投稿者 kataru : 16:22
2012年06月17日
玉石混合
市場経済と計画経済、市場価格と内外障壁を用いた価格統制、何れも日本を襲ったグローバル化の現実です。高度成長時代の日本は終身雇用と年功序列などの仕組みがうまく機能していました。大蔵省が必要な所に予算配分し、NTTや電力会社に社債発行を認め、社会基盤整備を重点に投資をしてきました。安い原材料を輸入し日本の技術で加工し輸出する加工貿易で国の富を蓄え、1ドル360円の為替評価が現在は1ドルが80円を切る水準になっています。実に4.5倍も円の価値を高めたのですね。しかし…1997年の名目GDPは523兆1983億円だったのに、この2011年は468兆2576億円にしか達しませんでした。89.4%の水準です。
シャープ、パナソニック、ソニーの株価を見れば、日本がグローバル競争に敗退したのは明らかですね。我が国の会計は誤魔化しの世界のためか分かりにくいのですが、ここでは一般会計の見てみましょう。一般会計の歳出は基本的に右肩上がりの図式です。しかし歳入は横這いを続け、金融危機後の推移をみると一段と減少し始めています。ところが長らく85兆円を上限に推移していたのに、民主党政権になってから95兆円と10兆円も跳ね上がっていますね。歳入は一段と空洞化の影響で減っているのに歳出は増えているのです。いきなり強制的に全予算を2割、削っても正常化の道は遠いですね。経済が沈み始める平成初期の時代に、自民党政権は無駄な公共事業投資を連発しました。構造改革を避け延命策を講じたのです。しかし結果はこの有様です。

大蔵省が築いた過去の栄光を全て無駄にする計画経済の挫折。おそらく消費税法案は財務省の目論見のように通過するのでしょう。海外勢の評価も高くなるでしょう。しかし…私には小沢氏の反対の理由も、同時によく理解できます。一般会計予算を30兆円も削るとどんな世界になるのでしょう。ここ数年の特例公債発行額は、看過できるものではありません。平成15年以降、建設公債の残高を上回り一般化しています。故に消費税の引き上げもやむなし…なのでしょうが、身を削る選択である「事業仕分け」の作業は、いつの間にか消えてしまった印象です。旗頭に見えた蓮舫議員は、最近は表舞台に登場しませんね。全ては狡猾に立ち回る財務官僚の青写真通りの展開なのでしょう。
冒頭に掲げた計画経済は既に敗北しているにもかかわらず…日本の体制は旧態依然のままですね。グローバル時代において政府は民間企業と足並みを揃え海外展開を計る時代になっています。わが国は民間が主導ではなく、全てにおいて役人様が主導する体制なのですね。大震災後の報道を見ていると、震災復興の進展が遅いとメディアは政府を叩いています。事故があるたびに、細かな法令が改善されドンドン自由度が奪われているように感じるのは、私だけでしょうか? レバーなど大嫌いな食べ物ですが、生レバーを食いたい人にはどんどん食べて貰えばいいのです。安さを求め旅行をする人は、危険というリスクを背負って安さを求めればいいのです。格安航空機の就航が話題になっていますが、安いと言うことは、リスクが存在するのは当たり前の良識でしょう。仮に大きな事故があれば補償問題もない可能性さえあるのでしょう。
グローバル化と言う概念は、玉石混合の世界なのですね。価格の安い商品は安い理由がある筈です。しかし伸びる企業は必死になって安くても良いものを提供する努力をしています。ハニーズ(2792)の事例をみると…よく分かりますね。なにもユニクロだけが注目されている訳じゃありません。早くに一大消費地の中国に進出し、いずれ店舗数や売り上げで逆転するのは日も来るでしょう。

安全基準を満たさない商品を販売する会社も増え、安全・安心の神話も崩れていくのでしょう。信じられるのは自分の判断基準だけです。株の世界も同じですね。インターネットの一般化により情報が溢れていますが、選択する目が備わってないとなりません。かたるは自分の失敗を正直に語っています。ベンチャリはリスクのある株でした。日本を取り巻く環境はドンドン悪化しています。一流と思われていたパナソニックやソニーが沈んでいます。野村証券などは瀕死の重傷のイメージですね。しかし株の儲けは危険度が高く、売られている株が正常な評価になる瞬間が、一番、変化率は高いのですね。インサイダー疑惑などがあり、リーマンの残党をこれまでは生かし切れていない無駄な投資をした嘗ての巨人は、このまま倒産の道を歩むのか? それとも踏ん張りを見せ、不死鳥の如く甦るのか?いったい、どちらなのでしょう。
消費税が引き上がり、日本の財政不安は一時的に緩和され、欧州危機が回避されると…。一度、株価は調整を入れているので、再び買われる場面があるかもしれませんが、抜本的な改革を先送りする消費税引き上げの可能性は高く、やはり最後は急激な円安、物価高のガラガラポンの世界まで行くかもしれませんね。デフレ脱却を日銀だけに頼っているように、世界中で中央銀行への期待が株価を押し上げています。しかし危険な選択です。同時に面白い時代に突入することになります。東京に出てきて23年の鬱積を晴らす新時代の到来は近いかもしれません。ただ駄目な市場ですが…、沢井製薬だとか、ピジョンとか今日採り上げたハニーズなどは、市場からはそれなりの評価を与えれれているのですね。
投稿者 kataru : 16:42
2012年06月10日
育つか…成長株
今日は久しぶりに個別株の話しでも書こうかと思うけれど…基本的に相場全体が外部環境に左右される現実を思うと相場を語る気力もなく失われます。今、市場に存在しているのは先物を利用するヘッジファンドの人達と目先の短期ディーリングの人達だけでしょう。こんなものは投資じゃないですね。基本的にかたるは短期のディーリングを否定はしませんが、お奨めをするものではありません。成長株投資が一番いいのですが、銘柄の発掘は難しく時間がかかります。嘗てはトヨタも松下(パナソニック)も成長株と呼ばれた時代がありました。任天堂は古い部類ですが、ヤフーは比較的あたらしく成長した方ですね。米国ではマイクロソフトやアップルなど…数多くの成長企業が生まれています。
基本的に成長企業に育つ為に欠かせない要素は、デファクト・スタンダードを確立した会社です。未知の分野を開拓して世界的に認められる会社がその条件の一つなのでしょう。世界的に情報端末の普及が進み、スマフォを誰もが持つ時代ですから、この関連は有望だと思われる訳でハードではサムソンやアップルが地位を確立させています。しかし重要なのはソフトの分野です。故にカタルは昔からこの関連株に注目してきました。何度、失敗してもトライしたのは、この分野が成長分野で可能性がある業種だからです。でもサイバードからインデックスも失敗、DENAだけが、多少、投資に見合う動きかと思いますが、なかなか流れが創れませんね。

そうして現在は会員数で有望だと思っているのがグリーですね。コンプガチャ問題など…傷を抱えますが、それ以上にあの地域別会員数の発表が気にかかるのです。ゲーム自体は面白くもなくハッキリ言って文化と呼べる代物ではありません。しかし任天堂も当初はドンキーコングなど単純なくだらないゲームでした。グリーの釣りゲーム等、同じレベルですね。ゲームと現実を融合させるビジネスなど…様々な展開が考えられます。例えばWiFiの技術を使いゲームを利用している他人同士が、街で実際にすれ違ったら…そこで出会いが生まれるとか…。スマフォのアプリは無限の広がりがありますね。
コンプガチャで株価が下落してきており買い易くなりました。リスクは経営者の方向性ですね。DENAと争いを起こす辺り、少し度量の小ささも感じますが、それ以上にあの会員の存在は魅力です。おそらく収益では限られた日本の会員数だけで売り上げを計上しているのでしょう。だから、いきなり数倍に売り上げが膨らむ可能性があります。この時期がいつか?多くの経営者は既に日本はステップとしか見てなくグローバル化していますから日本は捨てたものじゃ、ありません。ようやくピジョンの概念が全ての企業に芽生えてきましたね。ピジョンは早くから少子化で米国や中国に拠点を設け海外展開してきましたね。楽天やユニクロは公用語として英語を採用しグローバル企業への道を歩んでいます。
長いデフレの失われた時代も無駄では無かったのかもしれませんね。輸出では利益が出なくなりどんどん敗退して行く日本企業は最後の砦になっています。余談ですが、何故マツダに注目しているかと言えば、今の政策では倒産ですが、一番グローバル展開が遅れており技術力もあるから仕手化しやすい銘柄なのですね。もし円安に流れが変わるようならマツダが遅れていたから、一番、利益を得やすい体質だからです。残り物には福がある。ただ残れるかどうか…非常に際どい戦いです。野村証券も同じ環境でしょう。両社とも傷を抱える会社です。グリーも現在は見えませんね。売り上げは落ちるのでしょうが、どの程度落ち、海外売り上げがどの時点で見えるのか?ここが焦点ですね。
それぞれの会社には株価的に注目する焦点があります。例えば東レですが…既にドイツの高級車に炭素繊維が採用されたようですが、この動きが広がるかどうか…HVやEVの時代になり航空機と同じで軽量化は燃費の問題になり時代は追い風です。ユニクロと共同開発したヒートテックなど…素材の開発には夢を感じます。日立と共に大企業では面白い存在ですね。
皆さんの関心は欧州危機なのでしょうが…こんなものは、どうにかなる課題でしょう。現実に日本は多額の不良債権を、時間をかけて償却しました。中央銀行と日本化現象の戦いは、必ず、中央銀行側の勝利になります。日本の場合はチビチビとやっているから希望を失った鬱病の日本化現象が広がっているのですね。でもゆでガエル現象は間もなく始まりますよ。必ず、日銀のETF買いは効果を発揮し、膨大な利益を与えますね。昭和40年代の証券不況の時代なんて比ではないでしょう。ラストリゾートの登場はジンバブエの世界です。政治家は馬鹿だから日銀に圧力をかけ続けます。まぁ、白川さんじゃ抵抗できないでしょう。財政問題と絡み、新しく始まる時代は刻々と近づいています。
投稿者 kataru : 16:12
2012年06月03日
いつの間にか…こんな年。
米国株が大幅安して追証の為に精神的に追い込まれている所に、国内政治は相変わらず動かないし…本当に政治家は末端の日本の現状を分かっているのかどうか…。雇用の場はどんどん奪われマイナス思考が充満する現状は更に悪化し、どうしようもない不満が革命を求めるのかどうか…。楽天の三木谷氏の動きはこの流れの範疇でしょう。彼は経団連を批判しています。2006年はこの日本村の仕組みの揺り戻しで、折角のチャンスを棒にふりました。フジテレビに新日鉄か…。
あるいは外圧により変化を求められるかどうか…。
考えられる構図は円安になり、資源や食糧がない日本は超物価高になって変革を求められると言うものです。日本の財政状態を考えれば、確かに危機的に見える。しかしその反面、世界最大の債権大国の地位は変わらないし、日本は海外に売る物を、依然、数多く持っています。GDP比の財政赤字だけに焦点を当てれば、確かに危機的な状況で、ムーディーズなどの指摘のような格付けになるのでしょうが、それなら何故、円は買われるのでしょう。更に国債金利は1%を割れるのでしょうね。
この先には、私が考えている「時間がない」世界が本当に訪れるのでしょうか?
小沢氏は消費税の引き上げを相変わらず拒んでいますね。おそらく、安易に切り札を使うより、先ずは無駄を省くことが必要だと思っているのでしょう。民主党が約束した当初の公約はいつの間にか後退し、官僚的な手法に政治家は誘導されているようにも見えますね。野田政権は大きな失敗はないように見えますが、如何にも官僚的な発想です。グローバル経済で求められているのはスピードですね。財政問題も、TPPも、原発も…、全て中途半端な対応とも捉えられます。
世界の中央銀行による過剰流動性が存在し、日銀は曲がりなりにもETFを買い続けているわけで何処かで均衡点を迎えるのですね。ゆでガエルですね。デフレ感覚は国民に浸透していますが…逆の世界に向かって動いているわけです。しかし未だに均衡点は見えませんね。あの25年ぶり10週連続陽線は、未だに予行練習のような気がしているのは私だけで楽観的すぎますかね?
所詮は考え方の変化なのです。欧州危機などはドイツが共同債を容認すれば片付くし、ユーロ安はドイツの車を応援し、ドイツ経済を助けています。道理からすれば、ドイツはいいとこ取りを出来る立場ではない筈ですね。一方、雇用統計値が悪化し大幅安した米国は、そんなに景気は落ち込んでいるように見えませんね。4月よりは落ちましたが5月の自動車販売は前年比26%増だと言います。長い期間、車の買い替えを我慢してきましたからね。急拡大を続けることはないでしょうが再び落ち込むことは、今の所、考えられません。市場経済を自流で行く米国は、市場の統計(株価を含め)が悪化すれば、必ず政策スタンスを変えます。既にQE3を求める記事が見られているようです。人間は変化するのですね。
小沢氏のような政治家に、やはり一度、総理をやらせてみたかったな。何故、多くのメディア関係者は、彼を叩くのでしょうね。僕の目には、彼は本物の政治家だな。と言う感触しかないのです。確かに強引な手法を用いることもありますが、妥協点を見出す合意政治で世の中が良くなるとは思えません。何処かを切らないと体力が持たないのでしょう。腐っていく患部を、いつまでも抱えていく体力など日本に残ってはいないのでしょう。学生運動に燃えた団塊の世代はドンドン退職し、跳ね上がる社会保障費を消費税の引き上げ程度で補える道理がないですね。14時間労働する若者が、遊んで暮らす老人を支えられる道理はないのです。
やはり難しい選択ですね。何年も何年もこの繰り返し…辛抱強い雪国育ちのカタル君も諦めちゃったけれど…チャンスを待ち、準備だけはして置かねばなりません。なにもエルピーダからシャープ、パナソニック、ソニーの現状は、他人事ではないのですね。このままでは役人組織だけの裸の王様です。消費税を引き上げれば改革のスピードが緩むのでしょうかね。それとも本気モードに切り替わり政策を大きく変えるのかどうか…。日本を代表とするエリート集団に、淡い期待を抱く方が間違っているのかな? 小沢氏の態度を見ればそのようにも思えます。兎も角、失敗しても良いからスピードを上げて結論を急いでほしいのです。このままではチャンスが来ない内に、物理的な寿命が来てしまうよ。
投稿者 kataru : 16:17