思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

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(2012年05月27日)

なんだか…嫌な局面ばかり強調され、未来の局面が見えて来ませんね。自民党は防災を中心に200兆円規模の公共事業投資だとか…。日本の90年代の政策は失敗と認定され、欧州でも同じくケインズ理論が否定され定着しつつあります。需要を補うために公共部門が呼び水となって景気を刺激する考え方を否定するわけではありませんが、方向性が違いますね。

時代は採算性を考慮したPFIの活用でしょう。
仮に世界中のセレブが住みたい未来都市を実現させたら、その実績が手本になり改良が加えられながら日本中に広がり、やがて世界に広がり日本は基礎インフラの一大輸出国になりますね。ミャンマーは日本の火力発電所の技術を利用するそうですね。背景は経済援助のひも付きなのでしょうが、電力会社の建設は資金回収の目途が立ちやすく良いビジネスになります。

まだ一般化してないITSの活用やNシステムの応用、スマートフォンのGPS機能の発展など、スマートグリッドを応用しSFの世界の未来都市を政府が主導すれば、民間はお金を出しやすくなります。これにCDSなどを活用し保険機能をプラスすれば、資金は集まりやすくなり更に新しい需要が生まれます。政府は国家予算ではなく、民間からリスクマネーを求め、日銀がメザニンローンなどへ出資をすれば、信用補完は更に高まり、リスクは軽減されCDSの保証料も下がるので、世界中から資金は集まります。是非、実現させたいキャッシュレスの犯罪のない未来都市の建設を、何故、政治家は考え付かないのでしょう。

スペインのバンキアへの公的資金注入は日本が辿った道です。その日本は安心・安全と引き替えに、ルネサスのように、主力工場の鶴岡も世界競争に敗れる環境に成り下がっています。ルネサスはある意味で総資産経営の見本ですね。車のマイコンだけに特化すれば世界トップなので生き残りが可能だったはずです。しかし…何処までセーフティーネットを引き上げるのでしょう。政府に頼る他人依存型の日本人根性は何時になったら変わるのでしょう。今、カタル君は2極化の意味を初めて味わっています。1%の成功者と99%の貧乏人、中間層はどんどん減り貧困層に下落しています。デフレ社会とは…こういう事なのですね。

名目GDPは増えず社会負担が増し、可処分所得へ減り続け、改革が求められ混乱する世情。アラブの春は情報化の進展で自由を求め勝利したが、果たして、その事が幸せかどうか…イラクは未だに復興途上です。フセイン政権時代の方が安定していたかもしれません。最近のかたるレポートは、こんな…抽象的な表現でしか情報を伝えていません。

この背景は具体的な銘柄レポートを掲げても意味がないと思っているからです。市場の制空権は外人に握られ先物主導で上下する市場に成り下がり、長すぎるデフレ政策の採用により、市場には活力となる市場参加者が不在になりました。私が市場を去ったのが2010年の秋です。20年間、我慢をして努力を続けましたが敗北しました。昨年は震災から欧州危機の年でしたね。パナソニックやソニーもエルピーダのように淘汰されるかもしれません。一流と呼ばれた勝ち組も99%の負け組に転落して行きます。どんどん生存競争は厳しくなっていくのです。

僕らの世界は名目で生きている分かりやすい事例が単純平均株価です。1990年代の公共事業投資の連発は、一時的なカンフル剤で意味のない投資でした。結果、膨大な財政赤字の山を築いたのです。自民党は変わりませんね。失われた時代を構築したのは自分達だと言う自覚がありませんね。消費税の審議に前向きな対応を示すべきでしょう。カタルがIRNETを始めて1998年10月から2000年にかけての山、そうして2003年3月から2006年2月にかけての山と二つの戻り相場がありました。その後は2008年10月がチャンスでしたが、政策の変化を感じられず、頼りにする政治家の小沢氏も代表選に敗退し駄目だと感じたのが2010年の秋で…とうとう堪忍袋の緒が切れ証券マンを辞めました。

長いデフレは努力を無駄にさせ、知りたくもない哲学の世界へ人間を導くのでしょうか? 

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