変わり始める日本(2012年04月29日)
相場は難しい局面です。曲がりなりにも日銀は追加の緩和策を実施し長く続いたデフレ脱却は時間の問題でしょう。日銀が積極的になろうが、なるまいがそろそろ時間切れのタイミングで、日本を取り巻く環境がデフレからインフレに向かっているのです。ただその過程の選択に過ぎません。コントロールを失うほど激しいインフレになるか? それとも適度の成長を望めるような消費者物価の上昇か?
もちろん誰もが後者を選択したいわけですが分かりませんね。完全に日本人は戦意を失っており希望を語る人が減りました。株式市場は経済のみならず国力を映す鏡です。政策の選択を間違い続け、能力のある人が上に居ない現状では株価が力強く上がることを望める環境下ではありません。企業はどんどんグローバル化を加速させ、日産自動車はとうとう本社機能移転を考えているような行動をとり始めていますね。
株式市場の売買高は海外投資家に左右され日本の株式持ち合い構造も崩れていますから経営権も独自性も失っているのでしょう。まぁ、こう考えるあたりがカタルも日本人なのでしょうね。日本の消費は捨てたものではありません。何しろ500兆円クラスの経済規模を有し成長を続けるアジアにも、まだ支持を受けています。最近の野田政権は東西回廊の基礎社会基盤整備や今度はインドの開発にも参加すると言います。前からの構想でありますが事態が進展しているようですね。日本のお家芸の公共事業投資は世界一なのでしょう。昔のような道路にITSと言う情報網を構築した付加価値を付ければ世界でも屈指の基盤が完成されアジアの成長を加速します。日本では一般化したETCなどは素晴らしい技術ですね。
しかし何故か…話が具体化してないせいか、株式市場ではあまり話題になりません。たくさんの切り口が存在し、日本がアジアの成長で覇権を握るチャンスもあると思うのですが…震災復興の動きを見ると、なかなか民間主導の動きになりませんね。官はまとめ役に徹してお金は民間金融の力を使えば良いのですね。電気、ガス、水道の料金産業は特に仕組みが作りやすいのです。ところが役所はこの発想がないようですね。国からの予算に頼り切っています。金融マンとデベロッパーの力の見せ所ですが…。年金基金は東電にしても出資しても良いわけですね。何も政府の財政に頼らなくても東電は料金産業で確実に収益が上がるのですから…ただ損失を確定させなくてはなりません。原発処理の費用が読めなくては出資は出来ませんね。だから1兆とか2兆の有限責任にすべきだったのですね。本当に将来を見通す人が居ませんね。感情論は分かりますが情けない。
さて株は米国は疲れておりどのような休みを形成するか、日本は横這いでしょうね。日銀の金融緩和は良かったです。大手銀行に時間的なゆとりを与えました。大手銀行は馬鹿ではありませんから、そろそろBIS対策も終わり前向きな処理に向かうでしょう。三菱は米国の成功を糧におそらく今度はインドで銀行を買収するのでしょう。トップにならず3番手、4番手の財務内容が悪化している銀行を買収すればいいのですね。日本企業の新規採用人事を見ればようやくグローバル化になってきたようです。つまり完全に日本は成長過程への入り口に位置しているのでしょう。一方、国内は団塊の世代が退職し国内消費の構造も変化し始め、個人のニーズを汲んで成長するビジネスが華を開きますね。インターネットやスマートフォンの情報が現実のビジネスと結びつき、多様化するニーズに対応します。大量生産時代から個性の時代への変化を汲む情報文化の開花ですね。
代表例はゲームですが…他にもたくさんの新しい形態のビジネスモデルが登場するのでしょう。僕も今度考えているビジネスをやってみようかな? 問題は始める時期ですね。この時期の大切さを前回の失敗から学びました。具体的な事例を示さないと皆さんには分かり辛いでしょう。一例を掲げればデフレの環境下で値上げを自然な形で導入したマクドナルドなんかは好例でしょうね。スマフォを使った仕掛けは見事ですね。定期的に届くメールで消費意欲を刺激しお得感を演出する戦術は素晴らしい会社です。おそらくロングランで騰がり続けるのでしょう。でも大きく株価は飛びませんから個人好みではなく年金資金対応の銘柄でしょう。でも時代の変化を感じることが出来ます。コンビニもそうでしょう。情報力は素晴らしいソフト産業で、世界に通用するでしょうね。
