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年金の運用先(2012年04月22日)
27日は日本では日銀の政策会合が開かれ、25日にはFOMCが声明を発表しバーナンキ議長は記者会見を行うと言います。IMFは日本の協力により4300億ドルに融資枠を拡大し何とか体面を保ちましたが…スペインやイタリアの規模では焼け石に水の金額なのでしょう。市場に促された合意で米国や中国は消極姿勢でしたね。報道によればG20の相互不信が高まったとされています。世界経済は持続的な経済成長への道のりは遠く、中央銀行の支援により支えられています。米国発の金融危機からもうすぐ4年かな?でもAIGが来年で…GSEもその後なのでしょう。大きな信用収縮を中央銀行が肩代わりしており、まだ予断を許さない状況が続いています。
基本的には債務問題ですから…インフレに転換すれば痛みが消えます。過去、日本でも狂乱インフレの時期がありました。預金封鎖と言う強制手段で対処の時間を早めたこともあります。日本の場合を見るとデフレにより物価高を起こさずに、資産下落を世の中の基準に合わせ、時間解決した印象ですね。しかし三菱UFJの株価などを見ると、何故か不合理な動きに見えます。日本のバブル崩壊は2003年で強制的に解決されましたが、その後遺症が強く、なかなか自然な経済成長に向かいません。何故なのでしょう。
二つの仮説、一つは財政問題で消費税引き上げが切っ掛けとなり政策転換が実施される。もう一つが日本の規制の壁ですね。金融庁の金融規制の転換が望まれますが、なかなか変わりません。後は排他的な村論理の壁があります。例えば中国人が日本の土地を買おうとすると日本人は嫌悪感を持ちますね。水利権などはいい実例です。
本来、日本のバブル処理は完全に終わっており、銀行は亀井静香が先導した中小企業融資以外の不良債権はなく綺麗な状態で、自己資本比率規制問題もそろそろクリアの段階です。日本は時間をかけて変化する方向性を選択しました。三菱UFJの子会社は確実に米国での地位を引き上げており、間もなくインドでも買収か合併で橋頭保を築きます。既に完全復活しているように見えますが…何故、純資産価値を下回ったままなのでしょう。これが不思議でなりません。私の目から見れば世界でも指折りの金融機関で純資産以下と言う評価はないと思っています。
しかし現実はPBR1倍以下の評価なのですね。その為に、仮説として日本の財政問題が片付かない以上、日本株の浮上はないと言うシナリオを仮説の一つに加えました。もしそうなら消費税引き上げは、新しい金融相場のスタートになるんじゃないか?とも考えるシナリオも頭にあります。これら条件がマッチし日銀がターゲット論に真剣なら、日本株は世界でいち早く立ち直って、新しいステップに入っても良い筈です。幸い、日本は通信先進国で新しい未来産業の情報ソフト産業も次々に興っています。お金があり未来がある。ようやく新政府はアジア・インフラなどへも関与し始め、産業の後押しをしていますね。日立は家電を捨てインフレ技術に回帰し注目されています。建設株なども再評価されても良いようなタイミングですね。
アジアのインフラ、情報産業の未来、地方の再生、内需振興など色んな切り口が見え始めています。コンビニの成長はマーケティングと情報技術の進化の結果なんじゃないでしょうか? ローソンは、何れ1万円銘柄に躍進できるのではないでしょうか? ものづくり大国などと言う間違った概念を捨て、サービス産業の雄であるコンビニの進化に賭けるのも面白そうですね。サービスがキーワードなら、これからアジアへ進出する食文化の産業も面白そうに感じます。介護のワタミなどは両方を兼ね備えています。まだ株価波動ではローソンに様に明確な上昇は見られません。しかし方向性(可能性)は高いように感じます。まだ海外部門のセグメントは低く話になりませんが…株は先見性を発揮しますからね。
私が時間に追われない年金基金の運用担当者なら、たくさんの有望な会社が思いつきます。しかしそれらの優良企業は年率の成長率は10%台なのでしょうね。だから数年経て2倍とか…の対象の銘柄なのです。最近は先日紹介した沢井もそうですが…このような動きの銘柄ばかりが目につきます。
