金融の保護主義(2012年04月09日)
もっと早めにアップすべきだったのですが…この時間になり申し訳ありません。
株屋の発想と言うのは様々あり、どのアイディアが現実になるか分かりません。でもその考え方は非常に大切で、一つのヒントを探すために、様々な情報をジグソーパズルのように組み立てるのです。日本では有名ではありませんが、イギリスで中小企業向け融資を増やすためにマーリン計画が立てられ、政府と5大銀行の約束が取り交わされたのは昨年の話だと思います。この記事を読んだ時に少し嫌な感じがしました。ヒント1
更にスペインの銀行が自国の国債の購入比率が上がっていると言う自国回避の動きがあるようです。昨年のECBの資金供給で自国国債を買い担保に差し出せば、利ザヤが稼げるうまい商売ですね。その為にイタリア国債の利回りも下がったのでしょう。最近の新聞報道ではポルトガルの国債利回りが下がらないのは、自国の銀行さえもポルトガル国債を買わないとの記事を見かけました。ヒント2
そうして本日、いや日付が変わったので…昨日の日経新聞の世界中で資源・素材株が下落していると言う記事が一面に踊っていました。ヒント3
一般的に何気なく新聞を読んでいる分では、僕のように漠然とした不安を感じないのでしょうが…世界の中央銀行が大量の資金供給を実施し、金融危機によって失われた信用力を補い景気活動を刺激しようとしていますが、アップルのような配当や自社株買いなどの行動や勝ち組企業が設備投資に動き出す動きがある一方で、市場では世界中の資源などが下がることを見越した動きになっているのは、不思議な現象ですね。相反する動きです。
そこで折角の金融緩和姿勢が保守的な「金融の保護主義」に移行している可能性があるのではないか?
本来、溢れるマネーは世界中を駆け巡りますが、マーリン計画のように自国優先にするとお金の活動が鈍ります。貿易の保護主義は聞きますが…金融の保護主義と言うのは初のケースかもしれませんね。考えすぎかもしれません。ただ考え方のプロセスは面白いですね。スペインの銀行は溢れるマネーを世界に向けずに自国の国債に投じている。所謂、日本化現象です。日本も多くの銀行は貸し出しに資金を向けずに、過去の産物の国債に投資しています。つまりどんなに流動性を供給しても生きている資金にならずに、失われた資金に向かってお金が流れている可能性があります。

最近、気にしている指標にブラジルの株価指数があります。嫌な動きですね。原油価格が高騰しすぎれば回復しかけた米国経済にも打撃を与え、かといって少し下がり始めると…「金融の保護主義などと言う馬鹿な幻想が頭の片隅で疼きだす。日本の現象を見れば分かりますね。どんなに緩和政策を実施しても銀行はリスクを恐れ国債投資しか増やさないのです。日本の場合は過度のコンプライアンス規制、小泉・竹中改革のショック療法のUFJ叩きの検査で大銀行が消えた現実から、なかなか抜け出せません。過剰な金融庁の指導が銀行融資を委縮させていますね。日銀だけではないのです。デフレの原因は…。
世界景気は非常に難しいバランス上に位置していると言う話が、漠然とご理解頂けるでしょうか? まぁ、仮説を述べ推測している本人もモヤモヤしている段階の話です。一つの流れるストリーが何処に帰結するのか? これからの選択によるのでしょう。