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政策の大切さ(2012年04月01日)

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日米間の市場動向をみると分かりますね。政策の大切さが実感できると思います。90年代は財政上のゆとりもあり何度か大規模な公共事業投資を実施し、景気を立て直そうとしましたが方策が間違っていました。先進国から新興国へ東西冷戦の終結でグローバル化に向かっていたのに適切な手を打てませんでした。米国はグローバル化を成し遂げていました。ファブレスと言う生産設備を持たない企業を表す言葉は90年代に誕生したのです。アップルもそうでしたね。ソフト開発のIBMもインドに力を入れていました。ようやく日本はマーチを生産移転したのが2年前の話で最近は中小企業に波及しています。

日銀も緩和姿勢を貫いていますが、少なすぎるし遅いし…FRBと比べればよく分かりますね。責任をとらない日本の社会。原子力安全委員会の班目さんを時々事例として掲げていますが、通常は原発事件の関係者を除き、検証するのが普通でしょう。そうして失敗の原因を探り未来に生かすのが米国のやり方。日本はトカゲのしっぽ切りで…今回のAIJも事件は違いますが、おそらく同じ村論理で動くのでしょう。IRNETは1998年に始めました。当時はインターネットの環境は悪く電話回線で結んでいた時代です。転職を考えていたのですね。でもITバブルが発生し食える状態になり株屋に留まりました。

ずっとIRNETは日本の社会矛盾を語ってきました。でも最近はあまりその種の発言はしなくなりました。メディアが代わりにしていますからね。この失われた時代の成功者は一部で存在します。社会環境に合った事業と努力で大きくなったのでしょう。しかし多くの人は挫折し、自殺者やうつ病患者が増え、クレイマーになっています。決められない政治か…失敗を恐れ、一歩を踏み出さないから瀬戸際に追い込まれる。仕方なしに海外移転が加速しているイメージですね。

それにしても米国はすごいですね。FRBの政策に対して批判はあります。しかし株価は社会の鏡です。見事にあの金融危機を克服しそうです。最近ではようやく車の販売が戻ってきましたね。車は家に続き幅広い業種に影響を与えます。だから間もなく雇用も戻るでしょう。GSE問題も時間の問題です。強烈な批判があった郵政民営化、国鉄改革を見れば分かりますが正しいですね。だから小泉・竹中改革の時代、やり過ぎとの批判はありましたが株価は上がりました。選挙は大切ですね。政治にもっと関心を持ってください。できれば党員になった方が良いでしょう。そうして積極的に政治に参加しましょう。

今回、自民党はどんな選択をするのでしょう。カンフル剤が消えかかっている金融政策、日銀はどんな対応をするのでしょう。日銀が不退転の決意で資産デフレを止めると明言し行動を起こせば、世界に溢れるマネーは日本に流れ込みます。今の所、2月は驚きでしたが…まだ分かりませんね。だってご覧のように20年以上も騙されてきたのです。何度も政策を信じ行動をしてその度に空振りをして…暮らしてきた株屋人生です。
多くの人が銘柄は何か?とか聞きたがりますが…そんなのは関係ないのです。要するに政策スタンスが何処にあるかが問題なのですね。銘柄など決まっているのですね。社会環境に合った流れの会社を買えば良いだけの話ですね。おかしな話ですよ。日本を代表する三菱UFJが純資産以下で手に入るなんて…どう考えても理屈に合いません。日銀は猛省すべきなのです。こんな不合理を許すから色んなおかしな現象が生まれます。はたして2月の姿勢は本物なのか?今、一番の関心はここにあります。