思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

« 迷う時間の潮 | 最新の記事 | 先進国の成長 »

グリーやDENAに拘る訳(2012年03月18日)

今の日本の状況は非常に危うい状態ですね。そろそろ時間切れのようで…為替相場が円安に反転し出しました。この動きの背景は日本の貿易赤字と米国の景気回復によるものですが、ユーロでも円安傾向が続いており欧州危機の修正が起こっているのでしょう。背景に流れている下地は、2月に行った日銀のインフレ・ターゲット論の思惑ですね。ようやくデフレからの脱却に目覚めたと…日銀の国債買い入れ増額を市場が驚きの目で見たわけです。基本的にFRBにしても、ECBにしても大量の流動性を供給し始めています。ベルリンの壁崩壊以降、新興国の市場化の流れが加速し先進国の空洞化が進み、生産体制の転換を迫られました。アップルの動きは象徴的な事例でしょう。基本はファブレスなのです。自社工場では製品を作らずに委託するわけですね。薄型テレビの値崩れもこの現象で、付加価値の乏しい製品は先進国では競争価値がないのでしょう。現状のシャープは生きる道が難しいですね。

c20120318a.gif

さて私が、昔から時間がないと述べていた背景は財政赤字の状態にあります。この赤字規模は直ぐに解消しませんし、プライマリー・バランスも達成できていません。いつまでも借金を続けることはできないのです。何れは清算をせねばなりません。ところが震災により財政の圧迫度合いも進み、原発の処理の仕方を間違えた為に、一番大切なエネルギーの確保の道があやふやな選択になっています。改善するどころか悪化するばかりです。欧州危機から日本を見る目は厳しくなり、必要資金の自前調達ができなければ、あっという間に日本は転落します。金融収支は辛うじてプラスですが…こんなものは直ぐになくなります。

先進国と新興国の経済的なギャップが縮まり、今度は再び拡大する順番ですね。中国では軽工業の競争力が失われ産業構造の転換を余儀なくされています。何もファブレスの工場が中国ではなくてもいいわけですね。中国国内の消費の魅力もあり加速して生産基地の移転が進みましたが、そろそろそのメリットも薄れ始めています。これまでは新興国の資金バックに先進国の金融デリバティブ機能による補完機能がありましたが、BIS規制の為にリスクが取りづらくなり、未だに米国金融は金融危機から完全復活していませんね。今は非常に微妙な状態でしょう。幸いFRBは流石米国で…お飾りの人間が地位についておらず、みんなそれなりの実力を有しているのでしょう。日本のような間違いを犯さずに適切な政策を実行しているようですね。先日の「不胎化QE」のアイディアを市場に流すタイミングも絶妙でした。

でもリスクを拡大するほどゆとりはなく、先日のストレステストの結果は僅かながらですが、シティーは落第点でした。まだまだ手を抜けないのです。米国の復活はGSEの復活からでしょう。住宅価格が上昇しなければ、これだけの損失を期間損益で埋められるものではありません。今は政策への信頼感が生まれ、辛うじて流動性の罠の状態から抜け出せるかどうか…。お金は臆病で企業はお金を余るほど持っていますが使いませんね。FRBが過剰とも思われる流動性を供給するのはデフレ経済をインフレに転換させるためですね。基本的にインフレになれば、流動性の罠の状態から抜け出しお金が動き始めます。設備投資が伸びる筈ですね。

さて…基本の流れは少し難しいけれど、お分かりいただけたでしょうか?
先進国に眠る凍てつく企業マネーをホットマネーに買える為には、政策の信頼性が非常に大切です。基本的に先進国と新興国の差が縮まったとはいえ、労働コストは、依然、大きな差がある訳でこのマイナスを、さらに埋めねばなりません。この差を埋めないと先進国で設備投資が生まれませんね。この差を埋めるものが技術革新ですね。労働対価の先進国と新興国の差を埋め、さらに優位に立てる技術革新が大切なのです。既に薄型テレビなどでは駄目な時代なのですね。既存の走るだけの車では…韓国の現代は強いですよ。米国でも日本車を抑え伸び続けています。だからトヨタの完成車ではなく電装の電子制御の技術だろうと考えていますし、カーナビにITSを含めた進化の芽がありますね。今度は高速道路から一般道に広がるそうですね。

どうでしょう。私が何故、グリーやDENAに拘るのか?携帯端末のコンテンツに拘り始め、インデックスなどの失敗をしても繰り返し拘っている理由はここにあります。先進国が新興国に勝てるのは情報化の技術革新の世界の筈です。日本人は非常に情報への価値観が低いですね。情報はタダだと思っており、情報の使い方も知りません。他人のアイディアをそのまま信じたり、そのアイディアの価値が、小さい頃から教育されていないから使い方を知らないのですね。だからメディアの情報を鵜呑みにして騙されるわけです。日経新聞やNHKの報道を鵜呑みにしますね。表面化する現象は様々な情報の結果生まれただけの話で、その背景を理解しないと見えないのですね。その背景の考え方が大切なのです。

グリーの自主規制の話が報道されていました。日本社会において個人の自由は認められず御上が基準を決めますから、この自主規制を実施すれば市場でうわさされる強制的な全面規制は掛けにくいですね。仮に規制されても裁判で勝てるでしょう。これだけ保護姿勢を貫く社会は日本ぐらいのものでしょう。個人の自由がないのです。お金を使う自由もない。

話はそれましたが、先進国と新興国の差を生むものは技術革新のインフラ整備の筈で、だから日立に注目しているのですね。未来都市の要のメイン企業です。その実力はあってもこればかりは、一企業の力では方向性を決定づけられず、政策の支援が必要です。何故、私が情報インフラを兼ねたスマートグリッドなどの機能を取り入れ、キャッシュレスでITSを完備した未来都市の建設に拘るかと言えば…今がチャンスだからです。しかしその実現のためには、ずば抜けた指導力が発揮されないと動きませんね。既に技術の下地は整っています。あとはやる気だけの話ですね。このラインまで向かうことが出来るかな?

日銀はこまいですね。成長分野への融資の窓口指導ですね。それもごくわずかな金額で50兆円単位でお金を使えば…日本株は一気に暴騰しますね。未来都市ファンドを創設しメザニンローンに充てて資金の流れを促せば、世界中から出資金は集まるでしょう。日本発の未来都市建設、SFの世界ですね。フクシマを未来都市の実験場に…。この願いを実現させる力量の政治家は出てこないのでしょうか?

何故、携帯コンテンツに拘るか…少しはカタルの考える背景を理解して頂いたでしょうか? 頑張れ!日本。