思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

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先進国の成長(2012年03月20日)

難しいですね。未来予測は…限られた情報を組み合わせ、将来を考えることは不確定要素が大きく難しいものです。株価は基本的に未来を買うものですからね。今の時代、いくつかの点で大きな変化を見せているようにも見えます。本日の朝日新聞は、この環境下で「円高、止まらぬ空洞化」を特集しています。2年前に日産自動車がマーチの国内生産を止めてタイに移管したことを題材にコラムを掲載しています。エルピーダを始め多くの雇用が奪われ劣悪な労働環境が、まかり通る現実を政策担当者は理解していないのでしょう。14時間労働で、休みは週に1日、月給が12万円の世界が存在するとは、いささか驚きですが…現実です。

何も円高だけでなく、労働環境条件が厳しい日本において低コストの産業は成り立ちません。CMを見ると…何故か、サプリメントの宣伝が多くなったと思うのは私だけでしょうか? 配分システムが歪み、若者は20万円から5万円を取られ、15万円で生活しているのに年金生活で20万円以上をもらっている家計が一方で存在する。夫婦ともに公務員、学校の先生など…いろんなケースがあります。大企業も企業年金制度があり比較的、裕福な生活を送っている家計もあるでしょうが…この配分を変えるのが民主党の子育て支援だったように思うけれど…官僚化されたかな?とも思う次第です。あの手この手で絡み…理路整然と方向性を決めるシステムは健全です。

冒頭の朝日新聞の狙いは、明日以降の続きの記事を見ないと分かりませんが…おそらく円高だけではなく、労働環境の社会保障や電力などの基礎インフラの競争力低下を訴えるのでしょう。読売にはパート従業員の年金加入の話しで、企業負担が話題になっていました。一方、日刊工業にはトヨタが2年続きで、下請け工場へ協力要請を掛けており、3%のコストダウンだとか…有名なトヨタの下請け叩きが2年も続くことを取り上げていました。1次下請けはどうにか…しのげるかもしれない。しかし2次、3次は難しいでしょう。社長は給料を無給にして従業員に給料を払っている所も多いでしょう。つまり社会にゆとりがない。

野村証券の話を書いたのは、昨日の今日の市況ですね。日本社会も似た状況なのでしょう。ギリギリの方向転換かどうか…判断に迷う相場展開ですね。25年ぶりの10週連続陽線記録と言われても三菱UFJは500円も回復しておらず、純資産の600円台を大きく割り込む評価で、脱デフレが実現するとは市場は見てないようです。今の所は…の話ですが。白川さんの力量は分からないが、大切な時期に速水さんは引き締めに動きましたね。社会が健全な姿になるには…金融システムにゆとりがないと駄目なのです。リスクを取れる環境を作らないと社会が活性化しません。清貧思想も結構。倹約は美徳の考え方も否定するわけではありません。しかし…物事には限度があります。

おそらく日本的なシステムはこの長い失われた時代で排除され、大きく方向転換しているようにも感じます。朝日新聞の空洞化の考え方は過去の遺物ですね。こんな時代遅れの記事がまかり通るなら、余程、指導者層の知識レベルは落ちていますね。何が狙いかどうか分かりませんが…14時間労働で12万の世界の話しと対照的に新人社員が1000万円を超える時代でもある二極化の渦にあり、社会は混沌としています。きっと時代が大きく動いているのですね。価値観が変化しているのです。この辺りの考え方は3月18日コラムでも触れています。この考え方を裏付ける記事をWSJで発見しました。しかし関連付けるには時期尚早なのでしょうが…、下のグラフを見れば、言わんとしていることが分かるでしょうか?

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如何ですか?
18日のコラムにどう関係するか? 米国の長期金利が…分かるでしょうか?
別に正解などはないですよ。現時点では正解は見えないのです。しかし考え方としてアップルの8兆円にも上る現金の還元は時代を現しているように思います。ソニーにもチャンスはあるのですが、経営者が不在ですね。折角、映画にゲームと環境は揃っており技術者もいるし…ネットテレビのアップル化を狙えば良かったのですね。昔、インターネットのパソコンとテレビは融合すると述べましたが、まだこの世界は標準化されていませんね。アジアでこの情報網を構築し情報を制御できれば…世界の覇権ビジネスを掌握できます。派遣ではなく覇権です。全てのビジネスを手中にできる可能性があります。日本にはカーナビが一般化し、高速道路にはITSが完備され一般道へ導入が広がります。

官僚は条件闘争をしている場合ではないですね。このような政策は、本来、官僚が指導力を発揮し民間の力を借りて音頭を取ればいいのです。どうしても予算獲得と言う古い考えに縛られ過ぎですね。金融デリバティブが発展しており、いくらでもリスクを軽減できる手法がありますから、世界から投資資金は呼び込めるはず。政策を指導する政策官僚の仕事の出番ですが…震災復興ひとつ取っても混乱しており、しがらみから抜けきらないのでしょう。未来都市とか…たくさんの成長の芽は育っています。

そこで先ほどの米国の長期金利上昇かも…これは先進国と新興国の成長のお金の移動分布と言うか…転換期かも知れないと考えているのです。長らく、新興国への所得移転が続き世界経済は拡大しましたが、「アラブの春」を象徴する情報化の流れはインターネットの技術革新ですね。アップルのスマートフォンからアイパッドは、産業革命当時の鉄道誕生と同じ位置づけに見えるのですね。こう感じるのは私だけですか? 技術革新が人類の効率化を更に上げ、時代を進めました。再び先進国が新興国を引き離しにかかる番ではないでしょうか? だから…、かたるはグリーやDENAに拘りを抱いています。日本発の未来技術の革新。何故、PERが10倍台の評価なの?