思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

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あわてないこと…。(2011年03月13日)

東京では度々断続的な余震が依然続いています。主に震度3以下の小さなものですが不安を煽るには充分ですね。昨日スーパーに買い物に行ったら、人が多くレジは行列でした。売れているものはインスタント食品やお菓子など非常食類でしたね。陳列棚の半分は空でした。僕が買い物に行ったのは11時ですから、おそらく夕方には全部なくなるのでしょう。僕も余程、買おうかと思いましたが、家に一袋あるので自重しました。人間の浅ましさと言うか動物的な本能は避けることはできません。マックィーンとポールニューマンのタワーリングインフェルノやポセイドンアドベンチャーは危機対応の人間心理を表した名作なのでしょう。

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当初、感じた直感より意外に大きな被害状況かな? 
震度6が多く一部で7の報道でした。よって東北地方なので人口が密集してないから大丈夫かな?…と考えていましたが、津波の被害が甚大ですね。地形を見ると連絡が取れないとされる南三陸町は津波被害にあうのは仕方がない地形のようです。町長レベルでは防災対策などおざなりでしょうから…仕方ありませんね。個人的には周りは山だから、普段から自意識を徹底していれば何とか切り抜けたでしょうが、考えてみれば僕自身も新しいところに移って、そのようなリスクを考えたことがなく、みんなが被害にあったの仕方がなかったのでしょう。

加えて心配していた原発事故が起こりましたね。
東京電力では計画停電を実施するとか…福島原発は全体の2割を占める為に、柏崎の刈羽原発の事故時より深刻なのだそうです。何しろ同じ50ヘルツの東北電力や北海道電力も被害を受けていますから…。日本の工場は効率化を優先し、ジャストインシステム(かんばん方式)、SCMなので…全工場が止まっているといいます。

さて相場の影響を考えると、月曜日は金曜日の僅か10分間に起こった現象を引き継ぎ、市場は開始されますね。しかし地震直後の引け後も大阪の先物市場は継続されており、1万円の大台を挟んだ展開だったようです。問題はその後ですね。一旦は保険や東電が売られますが、これは一時的な現象でしょう。東京電力は増資を既に実施しております。大きな負担には違いあいませんが、放射能レベルは下がっていると言いますから、おかしくなるような事態ではないでしょう。

このような事態にあうと、悪戯に人々の心を煽る奴らが必ず出てきます。そうして株価が実際に下がると不安が生まれますね。当然の帰結ですが…先ずは2週間、様子を見て対処するのが良いでしょうね。僕は、なるほどこんな展開もあるのかと考えています。今回は幸い期末が接近しており、持ち合い解消がかなり進んでいる終盤に起こりました。1月よりインフレリスクを指摘していたように、多くのプロは持ち高を減らし、買いの準備に移り始めていたところでしょう。その為に悪戯にサウジの暴動を煽り、根拠のない報道をして相場を下げようとしていましたね。サウジのシーア派住民は全国民の10-15%と言われています。だからサウジの問題は微小なのです。問題はバーレーンですね。こちらは70%がシーア派です。イラン化の懸念がありますが、米軍基地があり抵抗するでしょう。リビアはダシですよ。ハッキリ言って、もともと欧米派ではありませんから…フランスの空爆の話も出ていましたね。

問題は米国ですね。ここでインフレリスクを煽りすぎ株価を下げたら、折角の復興ムードが消える可能性がありますね。既にインフレリスクを煽って、相場をある程度下げようとしていますが、このリスクを市場が織り込み始めた現在、どうやるのかの読みですね。日本も米国も大衆の参加は少ないのです。何故、私がスーパー成長サイクル論の話をしているか? 金融システムが痛んでおり、「儲けの道具」を作らねばなりません。この道具は参加者が増えないと成り立たないのです。

今回の地震被害は甚大ですが、ある意味で絶好の機会なのですね。
古い社会基盤設備は更新需要期に入っていましたから、この機会に未来都市の建設を実行するモデル都市づくりをやればいいのですね。政府や官僚にこの意思があるかどうか…人々に希望を与え未来の社会インフラ整備を謳いPFIの音頭を取る実行者が居るかどうかが見所になりますね。

1日たって考えても…大きな下げにはならずに、早晩、新しい動きが出るのだろうと考えています。それくらいに日立や重工の経営転換は大きな意識改革なのですね。日本全体が大きな流れで変化を始めているのです。22年の歳月を費やした意識改革は、明治維新レベルでの日本構造改革なのでしょう。この感覚が理解できれば相場で失敗することはないでしょうね。

昔、よくパニックが起こると上司が言っていました。混乱が静まるまで動くな…と冷静な対応を求めたものです。「目先の輩に踊ることなかれ。」