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新春を迎え…2(2011年01月03日)

昨日はQE2の政策が、何も米国経済の回復だけが目的ではないとの仮説を述べました。ご存知のように今年の6月まで6000億ドルもの資金をFRBは市場に投入します。ワールド・マネーが大きく増えるわけです。この政策をめぐり反対論が根強いですね。しかし経済の基本はベース・マネーを増やせば、インフレになり経済活動が盛んになります。リーマン・ショックの金融危機で世界の金融機関が傷つきました。その活動の穴を埋めるのが中央銀行の役目です。日本はバブル崩壊後、株や土地が下がっても経済活動に関係ないという三重野総裁が誕生し、バブル崩壊の傷跡を深くしました。期待インフレ率を裏切ったのです。その悪政の影響もあり,未だに「りそな」は正常化の道を歩んでいません。…にも拘らず、折角のチャンスである2003年からの回復を犠牲にして2006年に中央銀行は通貨供給量の削減に踏み切りました。そこに今回のリーマン・ショックが重なり日本の二番底は深く、それを経験しました。(一般的にいう二番底とは意味が違います。)2003年の安値を2008年10月に切りましたね。全ては日銀の失政でしょう。

今でも白川さんはバーナンキ議長に異議を唱えているようです。量的緩和では解決しないという構造改革の必要性を述べているのでしょう。しかし基本的にデフレは克服できます。怖いのは通貨安のインフレですね。円高でデフレなら、いくらでも改善策はあります。日本株は2008年の二番底で1989年以降の下降局面を終了しました。昨年の10月5日の資産デフレ対策は、日銀の政策の中では的を得たものです。しかし量的というか、緩和姿勢はFRBに及びませんから、緩やかな回復の道を歩むと思われます。株価を見ればわかりますね。PBR1倍以下の銘柄が多いのは、明らかに期待インフレ率が市場に全くないのです。むしろデフレを前提にしているからですね。
この考え方の裏付けのデータを掲げ、新春のレポートにさせていただきます。
我が国の経済はリーマン・ショックの二番底(バブル崩壊とリーマン)のおかげで、経済界が自主戦略にようやく目覚めました。あの日立が台湾企業の軍門に下るのです。歴史的なことでしょう。もともと昨日掲げた交易条件などのデータを見れば、競争力のない製造業にしがみつく経営に無理があります。リストラクチャリングを乗り越えた鉄鋼業はグローバル化に大きく後れを取りました。本当はコマツのようになれたのです。如何に世界戦略が重要か分かりますね。
アップルの成功は製造業ではありませんね。我が国のソニーは先代の築き上げた功績を無駄にしていますね。製造業にありがちなミス経営を続けています。なぜ、ソフト戦略に目覚めないのでしょう。フィルタリング規制、公取委員会と叩かれDENAは揺れましたが、そうです、外に出ればいいのですね。日本での成長は限られます。これからの時代はソフトが時代を制するのです。ものづくり日本の精神論はやめにしなくてはなりません。会社に通勤し仕事をするふりをする時代は終わりましたね。世の中で価値があるのはアイディアです。そのアイディアを実現する力を、もっと日本は育てるべきでしょう。創造力は無限の輝きを持っています。銘柄を含めた検討はビスタの原稿でふれます。
