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構造改革の壁(2010年12月23日)
大勢観は大切ですから米国株の動向を考えるうえで大切なことは金融界の回復度合いでしょう。相場を眺めていると米国の流れを日本は引き継ぐようなのです。昨日発表された中古住宅販売は好調のようです。一般的には販売件数しか話題になりませんが、それでは動向が定かではありません。よって在庫数の推移と販売単価の推移もグラフに取り組んであります。一つのデータでも様々な見方ができるわけです。今年の7月に米国株が悲観の中にいた様子はこんなデータからも分かります。故にバーナンキは動いたわけですね。ここに来て株価が回復し資産効果が生まれ始めている様子が分かります。在庫は減り販売数は増えていますが、まだ肝心な単価が明確な上昇を示していません。基本的に在庫が少なくなれば単価も上昇しますね。これからのこのデータの見所はこの単価推移になりますね。このデータの元はこちらのサイトです。

さて住宅などの最大の民間融資の動向が改善されれば当然その主役の商業銀行の株価は強くなっていいわけです。そこで古いデータを補い、米国商業銀行の株価の回復度合いを見てみました。最大手のJPモルガンと投資銀行ですがゴールドマンサックスの株価はリーマン前の価格を上回り完全回復しましたが、ウェルファーゴ、モルガンスタンレー、バンカメ、シティーはまだ及びません。その様子はこちらのグラフからリーマンのショックがまだ続いていると考えてよさそうです。基本的に深さと時間によりダメージの深さが分かります。日本は金融政策のミスが重なり失われた時代から構造転換を迫られています。あまりにも長い失政のために民間のダメージが大きいのです。1989年から既に21年ですよ。りそなは公募を実行できませんでした。まぁ、債務超過の会社に公募を認めたら東証の権威は失われます。上場廃止をすべきですね。

僕が証券マンを辞めた理由の一つにこのような詐欺の片棒を担ぐのに抵抗感を感じたからです。自分たちはルールをまげて実行できるのに自分たちのグループ以外の考え方もつ奴はルールを捻じ曲げて排除しようとします。日本は恣意的な国なのです。ブルドックが良い事例です。石川島は粉飾決算をして公募増資をしましたが許されました。しかしライブドアは粉飾決算だけで上場廃止になりました。最高裁の判決も同じでしたね。一票の差の投票権の重みが問題化されていますが、こんな恣意的な権力者の共産国家は世界中にありませんね。スティールは正常なのです。にも拘らず日本人の世間の見方が異常なので、サッポロビールは上場企業として残っています。しかし非効率な会社の存在を市場は認めるのでしょうか? 東洋電機も残りましたね。今回の幻冬舎の行方はどうなるのでしょう。なにもフジテレビやTBSだけの話ではないのです。
根底にある考え方は、僕ら日本人はまだ貧乏生活を続け、既得権力者保護に動くかどうかなのですね。名古屋の市議会議員選挙も同じ話ですね。いずれ最後は構造改革を迫られます。その時まで待つのか、その前に改善策に着手するのかどうか…。日産自動車がタイにマーチの生産ラインを移したのもカルソニックが好調な業績下にも拘わらず、構造改革のためにコストカットを実施しているにも同じ土壌の話ですね。市場はもうすぐ勢力図が変わるでしょう。僕は最近引越しをしていろんな経験をしました。久しぶりに買い物に迫られ、様々なものを買い、そのスタイルに驚きを持っています。家具の販売員から東京電力の検査員、ネットの無線ランの接続業者みんな規制下で、無駄な時間を使っています。でも犯罪が無くなるでしょうか?どこまで安全・安心にお金を払うのか?ガラパゴスの世界を何処まで進めるのか?難しい話ですね。
でも「光の道」の3年延期をみると日本は間違いなく追い込まれますね。読者にはお分かりいただけるでしょう。なぜ、私が証券マンを辞めたか?残念な結果ですが、僕一人の力ではどうしようもないですね。でももうすぐ僕らの仲間は増え勢力が逆転します。あと一歩で構造転換ができますね。この一歩が僕の投資の実力と同じで、なかなか壁が厚いのです。