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コラム

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企業の現金(2010年10月17日)

本日の日経ヴェリタスにはこのところ指摘しているお金が動かない企業の現金保有問題が書かれています。そこでかたる君は新聞も疑っているので、自分で日銀の統計サイトに飛んで同様のデータを仕入れグラフにしました。(ただし1997年12月より統計のやり方が変わり、新方式の数字に変化しています。)その様子が下のグラフです。最新の数字は2010年6月の210兆5368億円でした。日銀の期待インフレ率が低いので企業は必要のないお金を集め国債を買っている様子が日経ヴェリタスには載っています。紹介記事は日本郵船やかたる君が批判している国際石油開発帝石などです。なんと…株主を困らせて公募増資をして国債投資をしています。これは明らかに犯罪ですね。株主を騙す背任行為です。

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わが国のGDPは550兆円ほどですから、いくら全企業の合計と言っても多すぎるでしょう。統計によれば1989年に資産バブルが終了したとすれば…その時は192兆円の現金保有なので、その数字が基準になります。プラザ合意時点の1985年12月の保有額は126兆円ですから、本来の資産価格から推測すればこの水準が正しい経済状態が運営されているなら、妥当の企業保有額でしょう。何故なら、多くの資産価格は(株や土地)現在はこの水準です。つまり210兆円から126兆円を引いた金額が失政による恐怖の数字ですね。日銀が実行しているデフレ政策の弊害です。

そこで上場企業の現金保有率上位の銘柄を列挙しました。日経ヴェリタスの資料のネットキャッシュと言う概念の方がマスメディアらしい効果的な数字です。ここには任天堂をはじめ武田、キャノンが並んでいますね。これらの企業は自社株買いをすべき企業群です。本当に馬鹿らしいですね。兎も角、正常な活動状態になるように政策運営をして欲しいものです。期待インフレ率を上げれば、企業は馬鹿でないからお金を使い景気は良くなりますね。簡単な話ですよ。

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この話しとは別に…最後に今日の日経ヴェリタスは珍しく良い記事が載っていますね。「流動性相場に取り残された小型株」吉田さんの書いたレポートですが今の相場の状態を表しています。内需株ではなく世界経済の二番底回避からの上昇相場である外需大型株が主流テーマと言う記事です。当面はこれですが…既にファナックを見てもかなり上昇しています。日銀の本気度が正しいなら21年ぶりの正しい政策ですね。さてどうなるかな?
かたる君、明日はお休みです。火曜日も今日の市況を休むかもしれません。火曜日は未定。兎も角、頑張ろうね。