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悲しい現実(2007年11月23日)
株安が続いています。NY市場より日本株が大きく下がるのは何故でしょうか? 売買の主力が外人投資家のために、自国の経済状況に変化が現れれば、先ず、自国の株式より海外投資の整理に動くのが自然だからでしょう。故にアジアの中でも魅力のない日本株が対象になるのでしょう。一方、日本の機関投資家は、まだ「ゆとり」がありません。戦後、最長の景気回復局面と言っても大きく落ち込んだ後の、しかも非常に僅かな上昇です。税制面から見た所得は減り続け2006年も下落しているので、基本的に景気後退が続いているというのが国民生活の実感なのでしょう。

ここに来て株安の原因を、米国発のサブプライム問題からの影響という間違った報道がマスコミ中心に行われています。この影響もあるでしょうが、主因はわが国の政策でしょう。2006年の9月に小泉政権が退陣しましたが、わが国の政策主体を担う官僚社会主義者は2006年の入ると「死に体」の政権を嘲笑うようにライブドアのホリエモンの国策逮捕から、村上ファンドなどへの市場主義者の先兵隊を次々に葬り去っています。更に成長路線から財政再建の増税路線に舵を切っています。「失われた10年」とよばれる不幸な停滞期の責任も取らずに、失政を再び繰り返し始めました。
しかし「りそな銀行」に代表されるように、わが国の金融資本は未だに病み上がりなのです。失政の責任を金融機関に被せ、自分達の手足を切った折角のチャンスを…。BRICsのお陰で、地理的な優位に恵まれた天の助けにより、わが国の産業はホッと息をつく時間を与えられたのに…。ブルドックソースの判決を下した司法(裁判長裁判官―今井功、裁判官―津野修、裁判官―中川了滋、裁判官―古田佑紀の4人)の判決です。経済産業省の北畑事務次官も同様な考え方の持ち主ですね。残念ながら、市場原理主義と言うか…効率的な資金配分を決める市場原理と言うものを、わが国の政策当局は認めていません。何故なら、予算配分と言う一番の特権を奪われるからです。
私も全て市場原理主義が正しいとは思っていませんが、あまりにも、ないがしらにし過ぎですね。市場が悲鳴をあげれば、経済は停滞するのが当たり前。清貧思想がそんなに素晴らしいのでしょうかね? 何故、美しいものを、優雅な綺麗なものを、豊かな生活を、求めちゃ悪いのでしょうか? 値段の高いものはやはり良い品物です。そりゃ、お金の価値観だけではないでしょうが…日本のGDPは世界からドンドン離されて行って良いのでしょうか? やはり僕には、今の政策が理解できません。

技能オリンピックで16個の金メダルを獲得したと言います。トヨタや日立などのグループが活躍したそうですが、金融面ではわが国は金融庁の指導が原因で手足を縛られ、行動が制約され、国際的に活躍する人材が育っていません。何故、中国は躍進を遂げたのでしょう? 下のグラフを見れば理由はハッキリします。外国資本の導入ですね。日本も外国資本が入ってきたので2003年の金融危機から立ち上がったのです。不動産市場も外国資本による買い付けが支えになり回復したのですね。

役所が指導する経済体制が崩壊したのが「失われた時代」でしょう。苦労して持ち合い株制度を解消してきたのに…その為に10年以上の歳月が費やされたのです。それをBRICsのお陰、中国に助けられてようやく回復しだしたのに…ここで、この流れを断ち切って鎖国制度を復活させて、果たして少子高齢化社会を乗り切れるのでしょうか? 一人ひとりが「戦う時代」なのです。昔なら絶対に発覚しなかった諸問題が、次々に暴露されています。白い恋人や赤福など…内部告発ですね。私はあまりフェアなやり方だとは思いませんが、このような透明な環境が、ネットが発達した為の情報公開社会が、本当の実力者を育てる環境になってきましたね。
無名でも、肩書きがなくても優秀な人は優秀です。個人の力が組織を超える時代です。これまでは野村證券と言う肩書きがあれば、実力がなくても、みんなが、それらしく評価をしました。しかし最近は少しずつ変化しているようです。まだ組織の力は強いですよ。日経新聞が報道すれば、株価が上がる時代ですからね。しかし彼らの記事が正しいのでしょうか? NHKの報道が正しいのでしょうか? ネット社会の普及のお陰で、様々な意見を比較できるようになり、自分で考える時代がやってきて、日本人も少しずつ変り始めています。
日本株の下げの原因をサブプライム問題の影響で…とNHKが報道するのを聞いて…あぁ、マスコミが間違った報道をして国民を誘導している。…と、いつも感じます。僕らが政治家やマスコミに誘導されないように自分で考えなくてはなりませんね。自分で考え、その考えに基づいて行動するわけです。それが株式投資なのです。