新しい試み2(2007年02月04日)
先ず、日本の現状を知って欲しいのです。下は前にも用いたグラフです。わが国は1992年より明らかに失速し低迷に喘いでいるのです。その原因の一つが労働の生産性です。日本人は既に勤勉ではなく、怠け者なのです。この現実を確りと見てください。

政策当局は間違っています。画一化教育の弊害が至るところに噴出し、様々な問題が社会現象に表れています。例えば振り込み詐欺や教育問題など…。
少子高齢化社会を迎え、まともな形が生まれないと日本は沈没します。それではどうしたら良いのでしょうか? もっとも癌である日本の恥部は国家戦略が欠けており、妬みの社会構造だということです。
昨年はホリエモンの逮捕、今年は日興CGの問題。両社に共通しているのは、グローバル化を阻止する動きを背景に感じるのです。
鄧小平は「富めるものから豊かになれ」と述べましたが、日本は「格差社会の是正」を念頭においているようなのです。
中国は市場主義へ、日本は共産主義ですね。その弊害が右上のグラフです。市場社会の象徴である株式市場の時価総額の推移を比べて下さい。
歪んだ体制は何れ維持できなくなります。日本の夕張化は避けられないのです。既に世界では優良企業を誘致しようとする国家間の競争が始まっています。「今日の市況」でも述べましたが、エルピーダと力晶の台湾での投資、大日本印刷も同様ですね。ホワイトカラーエグゼプションの問題を、選挙の為に先送りする。何故、正々堂々と労働生産性の比較グラフを用いて国民に説明しないのでしょうか? 現状は主要先進国7ヵ国の中で最下位です。OECD加盟30カ国の平均値にも届いていません。

このような現実を見ると、悲しい気持ちです。何故、国民は考えないのでしょう? 新日鉄を儲かるから買う? 何か行動パターンが間違っていませんか? 私は市場によって飯を食わせていただいています。だから日本の株式市場をこよなく愛しています。健全な形でよくなって欲しいのです。
日本の市場に欠けているのが二つあると思います。
一つは市場参加者の意識です。株をたんに博打のように錯覚している事です。株価が上下するには理屈があり、その仕組みを知らない為に、株価の上下に投資心理が揺れる事です。もっと勉強して欲しいと願っています。
もう一つが企業サイドの意識です。株式を公開することは社会的な責務が生じますが、経営者の中には自分がオーナーだと錯覚し、私物化する人がいます。王子製紙の買収問題などを考えると悲しくなります。IR活動は責務ですよね。一度、北越製紙のホームページと王子製紙のホームページを比べてみると良いでしょうね。
「未来かたる」の残り少ない人生を、これらの欠けている部分を補う為に、賭けたいと思っています。まさに賭けですね。しかしこの行動は必要なのです。故に社会から容認されると思います。残念ながら株式投資と同じで時期が分かりません。いつ市場が求めるのか?
IRNETのSNSをオープン化しました。
IRNETはあくまで無料で改善を図っていくつもりです。将来は株式情報を新しいサイトへ、そうしてIRNETはその名の通り企業の広報活動のページに衣替えしていきたいと願っています。このドメインの歴史が示すように、既に10年近い歳月を費やす事になります。今回の試みが市場から否定されれば、すごろくのように、また「ふり出し」ですね。果たして、どうなるのかな? 来週には、新しい投資情報サイトをご紹介できると思います。