思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

« メディア | 最新の記事 | 富士山 »

夢(2006年11月23日)

c20061123a.jpg最近のニュースを見ると少しずつ世間は変わってきたと思うけれど、相変わらず旧体制の勢力も強く、なかなか激震的な変化が起こらない「もどかしさ」も感じる次第です。ようやく官製談合が摘発されるようになり、中国の上海レベルと言う実態は世間に暴露されていますが、実はこんなものは氷山の一角なのでしょうね。タウン・ミーティングのやらせ問題もそうですが、官僚組織、役人組織の意識レベルが非常に澱んでいるわけで、このことは僕ら国民にも言えるのです。マスコミは何か問題があると、みんな役人などに責任を転嫁しますが、苛め問題を見ても一番責任があるのはやはり親ですよ。学校や教育委員会よりも、ずっと重い責任を背負っているわけです。

人間、自分の失敗を他人に責任転嫁したいものですからね。自分は正しいのに、世間は悪い。社会が悪いと言いますが、どんな環境下にあっても自分が選択する道ですからね。これまで僕も様々な試練を乗り越えてきましたが、また大きな問題を抱え悩む毎日です。どの選択が一番みんなにとってハッピィーになるのか? 日本はどの政策が一番いいのだろうか? 財政再建団体に転落した夕張の報道番組を見ると、未来の日本の姿を見ているようで…悲しい気持ちになります。早く変化しないと、日本は世界から孤立する。そんな危機感が市場を見ていると感じるのです。

経営者の意識レベルも非常に幼稚なのです。みんな自分の会社だと思っているみたいです。自分は単に株主の代表で経営を任せられているだけなのに…おごり意識も甚だしい限りです。経団連の御手洗発言は僕も大好きでした。「公平から公正へ」日本はこの精神が一番欠けており、一番必要だと思っています。しかし他人のことは言えても、いざ自分自身の事になると、どうなのだろうか?

昭和30年代~40年代は高度成長期にあり、貧しかったけれど夢があったのです。明日には変われる。一所懸命に努力すれば豊かになれる。そんな成長神話ですね。しかし失われた14年は社会の閉塞感に包まれたままでした。何をやっても無駄、ただ日本人が自信を失い、流れに身を任せたままだったのですね。しかし2003年に劇的な変化が訪れます。大手銀行の意識変化です。みずほ銀行の1兆円増資は官僚体制への決別だったはずです。政・官・民の癒着からの脱皮です。日本はルビコン川を渡りきったわけですが、この意識変化を持てない人間が未だに多数存在するのです。

市場経済論理が日本に取り入れられ、様々な変化が訪れています。「公平から公正へ」このキーワードは非常に重要です。マスコミの論調は、まだまだ、この変化を充分に捉えていませんね。「格差の拡大」を問題視する発言が大きく問われているのも一例でしょう。能力のある人間とない人間の収入の差が生じるのは、当然の帰結でしょう。私は他業種のいろんな人と会いますが、やはり能力のある人は違いますね。その差は何か?

やはりモチベーションなのでしょうね。やる気がある人間とない人間の差です。しかしその方向性も問題になります。私欲だけでは意味がない。社会の貢献とか言う大きな夢がないと世間は応援をしないし、社会も馬鹿じゃないですからね。夢をいつまでも語れる人間はすごいですね。こうすれば世の中が少しでも変化する。こうやれば社会が豊かになる。みんなが喜ぶ、みんなが豊かになれる。僕らの子供達の将来が豊かな社会を楽しめる環境になれば最高です。しかし、世の中には「こすくい」と言うのか「せちがらい」と言うのか、視野が狭い人が多いですね。

政策官僚は恥ずかしくないのですかね?
自分のとった行動が…、国民に多大な迷惑を及ぼし…、彼らの多くは責任を取らずに、のほほんと仕事をしているのです。一所懸命にやれば仲間から疎外され村八分。そんな甘えた環境を作り上げ、みんなで渡れば恐くない式が生まれるから、岐阜県庁のような問題が起こるのです。民間ならみんな首ですね。何故、厳格に懲戒免職にしないのでしょう? あれでフェアな時代が築けるのでしょうか?

ライブドア事件に対しては意見の分かれるところでしょうが…、この事件の影響は意外に大きかったですね。二つの信用を失ったように感じます。一つは先ほど書いた「意欲の喪失」ですね。若者が頑張る環境が一時的に減らされた。もう一つが会計監査の姿勢です。

ライブドアだけでなく、全ての企業の会計監査方針が、非常に保守的…しかも厳格になっている感じがします。市場がフェアになるためには通らねばならぬ関門でしょうが、来年の三角合併を控え、何やら、仕掛けられているような感じさえ受けますね。日本の機関投資家は10万円割れのみずほを買わずに、100万円になると買う行動をするし…年金ファンドが、何故、長期的な視野にたって行動を起こさないのでしょうか? 新興市場は2003年の秋バージョンです。2003年ですよ。時代が大きく後退しました。

あの年は、日本が癒着構造から決別した日です。ここまでライブドアショックが後を引くと誰が考えたのでしょうか? 如何に機関投資家と呼ばれる識者と…、一般的に言われる人たちのレベルが低い事か…情けない限りです。個人投資家もレベルの然り。日本の市場には、個人投資家の意識改革と、企業側の意識改革が必要ですね。何とかしなければ…そうして豊かな市場にして頑張る奴が報われるフェアな社会構成を実現し、みんなが昭和30年代のような夢を持てる日本にしないといけませんね。マスコミさんの論調に変化を期待する限りです。