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2006年11月26日

富士山

いよいよ年末を迎え、今年一年の相場を振り返る時期が来ましたね。冷静に相場を見るには心を穏やかに保たねばなりません。勝負事はたいがい熱くなったほうが負けとなります。いつも、いつも相場を見ているより、そんな時は、自然に触れると良いですね。昨日は田舎から義理の母が上京してきたので、海石榴(ツバキ)に行って来ました。残念ながら、奥湯河原の紅葉はまだ早かったようです。あと2週間ぐらいかな? ただ今年は、紅葉の出来が例年に比べ、あまり綺麗ではないようですね。

c20061126a.jpgしかし昨日は晴天で富士山が綺麗でした。右の写真は箱根のターンパイクの展望台から撮ったものです。既に雪化粧の富士山はいつ見ても良いものです。相場の失敗なんか、自然の大きさから比べれば、小さな出来事。心が乱れる日々が続きますが、青い空に雄大な富士山、流れる空気、全てがやさしく包んでくれるようです。僕自身、まだツキがあるなと感じることが帰りに起こりました。小田原―厚木道路は70km規制の道路なのですが、平均100km以上で運転していたのですが、助手席に乗っていたかみさんが、脇から入ってくる黒い車を見て「なにか制服を着ているみたいよ。ヘルメットを被っているし…」と何気なくいうので、速度を落とし左車線に入りました。時速は80kmです。

僕らの車の後ろをその黒い車は走っていますが、脇から僕らの車を抜いていく車がいて、なんとその黒い車は直ぐに右の追い越し車線に入り、先ほど僕らの車を抜いた車の直ぐ後ろにつけました。その光景を見て僕らの車も右車線に入り、2台後ろにつけて走っていたら…、屋根から赤灯がクルクル回ります。あっ、やはり覆面パトカーだ。たまたま、かみさんが脇を見なければ、僕は彼らの餌食になっていました。可愛そうに…。しかし何故、あの道路は70km規制なのでしょう。有料道路なのに…東名高速は時速100km規制なのですよね。不思議なルールです。何か訳があるのかな?

折角のお休みに、もしスピード違反で捕まっていれば、嫌な想いしたでしょう。このような些細な出来事が人間の気持ちを変える。人間と言うのは不思議な生き物です。そうして僅か1泊の温泉宿から相撲を見るために急いで東京へ、中華やさんでラーメンと食べて昼寝をして相撲を見て、今、こうしてコラムを書いているところです。「稀勢の里」は6場所連続の勝ち越しを決めました。彼は20歳で若く、「朝青龍」に対抗できる日本人力士になる可能性がありますね。朝青龍は自分との戦いと心境を述べていたといいます。彼は素晴らしいですね。あの若さで…どうして自分の精神力を高いレベルに保つ事が出来るのでしょうか?

歩合セールスの多くは非常に優秀です。昨日の株式教室で吉田虎禅のことを書きましたね。彼は熊本から上京し、三洋証券で歩合外務員になるのです。そうして独自の理論で多くのファンを魅了した歩合セールスでした。残念ながら、僕は彼にあったことはありませんが、今年なくなったそうですから、会う機会はあったのに…残念でした。先日、次男の滋さんにお目にかかったばかりで…多くの有名な歩合セールスがいる反面、相場の世界はそんなに簡単ではなく、多くの仲間がこの世界から去っていくのです。みんな大手証券の支店長や中小証券の役員など相場が好きで優秀なのですが…それ以上に難しいのでしょうね。相場は…

何故、バフェットやジョージ・ソロスのように飛びぬけた人間が日本で育たないのか? 不思議な気がします。ジェイコムで名をはせた小手川君はこれからどうなるのでしょうか? まぁ、そんなことより、今年のような試練をどう乗り越えるか? この壁を乗り越えることが出来たら、もう少し、僕も成長できるかも知れませんね。

疲れたら、見上げてみよう青空を…疲れたら、触れてみよう豊かな自然に…
きっと、何かを与えてくれる。
諦めて楽な道を選択したら、きっと、その時に人生は終ってしまのだろう。

投稿者 kataru : 18:44

2006年11月23日

c20061123a.jpg最近のニュースを見ると少しずつ世間は変わってきたと思うけれど、相変わらず旧体制の勢力も強く、なかなか激震的な変化が起こらない「もどかしさ」も感じる次第です。ようやく官製談合が摘発されるようになり、中国の上海レベルと言う実態は世間に暴露されていますが、実はこんなものは氷山の一角なのでしょうね。タウン・ミーティングのやらせ問題もそうですが、官僚組織、役人組織の意識レベルが非常に澱んでいるわけで、このことは僕ら国民にも言えるのです。マスコミは何か問題があると、みんな役人などに責任を転嫁しますが、苛め問題を見ても一番責任があるのはやはり親ですよ。学校や教育委員会よりも、ずっと重い責任を背負っているわけです。

人間、自分の失敗を他人に責任転嫁したいものですからね。自分は正しいのに、世間は悪い。社会が悪いと言いますが、どんな環境下にあっても自分が選択する道ですからね。これまで僕も様々な試練を乗り越えてきましたが、また大きな問題を抱え悩む毎日です。どの選択が一番みんなにとってハッピィーになるのか? 日本はどの政策が一番いいのだろうか? 財政再建団体に転落した夕張の報道番組を見ると、未来の日本の姿を見ているようで…悲しい気持ちになります。早く変化しないと、日本は世界から孤立する。そんな危機感が市場を見ていると感じるのです。

経営者の意識レベルも非常に幼稚なのです。みんな自分の会社だと思っているみたいです。自分は単に株主の代表で経営を任せられているだけなのに…おごり意識も甚だしい限りです。経団連の御手洗発言は僕も大好きでした。「公平から公正へ」日本はこの精神が一番欠けており、一番必要だと思っています。しかし他人のことは言えても、いざ自分自身の事になると、どうなのだろうか?

昭和30年代~40年代は高度成長期にあり、貧しかったけれど夢があったのです。明日には変われる。一所懸命に努力すれば豊かになれる。そんな成長神話ですね。しかし失われた14年は社会の閉塞感に包まれたままでした。何をやっても無駄、ただ日本人が自信を失い、流れに身を任せたままだったのですね。しかし2003年に劇的な変化が訪れます。大手銀行の意識変化です。みずほ銀行の1兆円増資は官僚体制への決別だったはずです。政・官・民の癒着からの脱皮です。日本はルビコン川を渡りきったわけですが、この意識変化を持てない人間が未だに多数存在するのです。

市場経済論理が日本に取り入れられ、様々な変化が訪れています。「公平から公正へ」このキーワードは非常に重要です。マスコミの論調は、まだまだ、この変化を充分に捉えていませんね。「格差の拡大」を問題視する発言が大きく問われているのも一例でしょう。能力のある人間とない人間の収入の差が生じるのは、当然の帰結でしょう。私は他業種のいろんな人と会いますが、やはり能力のある人は違いますね。その差は何か?

やはりモチベーションなのでしょうね。やる気がある人間とない人間の差です。しかしその方向性も問題になります。私欲だけでは意味がない。社会の貢献とか言う大きな夢がないと世間は応援をしないし、社会も馬鹿じゃないですからね。夢をいつまでも語れる人間はすごいですね。こうすれば世の中が少しでも変化する。こうやれば社会が豊かになる。みんなが喜ぶ、みんなが豊かになれる。僕らの子供達の将来が豊かな社会を楽しめる環境になれば最高です。しかし、世の中には「こすくい」と言うのか「せちがらい」と言うのか、視野が狭い人が多いですね。

政策官僚は恥ずかしくないのですかね?
自分のとった行動が…、国民に多大な迷惑を及ぼし…、彼らの多くは責任を取らずに、のほほんと仕事をしているのです。一所懸命にやれば仲間から疎外され村八分。そんな甘えた環境を作り上げ、みんなで渡れば恐くない式が生まれるから、岐阜県庁のような問題が起こるのです。民間ならみんな首ですね。何故、厳格に懲戒免職にしないのでしょう? あれでフェアな時代が築けるのでしょうか?

ライブドア事件に対しては意見の分かれるところでしょうが…、この事件の影響は意外に大きかったですね。二つの信用を失ったように感じます。一つは先ほど書いた「意欲の喪失」ですね。若者が頑張る環境が一時的に減らされた。もう一つが会計監査の姿勢です。

ライブドアだけでなく、全ての企業の会計監査方針が、非常に保守的…しかも厳格になっている感じがします。市場がフェアになるためには通らねばならぬ関門でしょうが、来年の三角合併を控え、何やら、仕掛けられているような感じさえ受けますね。日本の機関投資家は10万円割れのみずほを買わずに、100万円になると買う行動をするし…年金ファンドが、何故、長期的な視野にたって行動を起こさないのでしょうか? 新興市場は2003年の秋バージョンです。2003年ですよ。時代が大きく後退しました。

あの年は、日本が癒着構造から決別した日です。ここまでライブドアショックが後を引くと誰が考えたのでしょうか? 如何に機関投資家と呼ばれる識者と…、一般的に言われる人たちのレベルが低い事か…情けない限りです。個人投資家もレベルの然り。日本の市場には、個人投資家の意識改革と、企業側の意識改革が必要ですね。何とかしなければ…そうして豊かな市場にして頑張る奴が報われるフェアな社会構成を実現し、みんなが昭和30年代のような夢を持てる日本にしないといけませんね。マスコミさんの論調に変化を期待する限りです。

投稿者 kataru : 10:05

2006年11月19日

メディア

最近ゴルフを始めた僕のかみさんは面白いらしく、熱心に練習場に通っています。週一ですがレッスンプロのグループレッスンを受けているのです。なんと既に1年も経過したのだそうです。もともと運動音痴の彼女が老後の楽しみに、夫婦でやれるスポーツと言うことで始めたのでしょうが…先日、コースに出たら、さんざんの結果だったらしく68の83と言うスコアだったようです。しかしスコアカードを見ると、前半の後半はダボペースで、後半の1ホール目の17と言う馬鹿叩きを除けば、まぁ、こんなものなのでしょうね。僕が初めてコースに出たときはいくつだったのか? 

なんでも初めてというのがあります。初めてやる行動は楽しくもあり不安でもあり、緊張感に包まれたものです。株屋と言うのは日本では社会的な地位は低いのですが、欧米では非常に高いのですね。しかし今年のように相場の読み違えで多大な損失を被るのだから、怖いものでもあります。果たして皆さんから尊敬されるような証券マンになれるのは、いつの日のことか…僕が始めて株を買ったのは大学の3年生の頃で、アルバイトの10万円を投じたときでした。あの頃は、毎日、日経新聞を読むことが日課で、新聞の報道をごく最近まで信じて行動していたのです。

しかし最近は日経新聞の報道姿勢に恣意的ないやらしさを感じることが多くなりましたね。世論とか社会的な風潮とかはマスメディアが方向性を決めていると思うのです。戦前の朝日新聞は、戦争を煽って世論を誘導したそうです。間違った世論の誘導の為に、多くの命が失われていくのです。かたるの偽者が現れて、うれしいような、悲しいような、複雑な気持ちです。しかし僕の考えた相場のシナリオが崩れ、多くの人にご迷惑をお掛けした事は事実でしょうから、悲しい現実ですね。

双日のケースで考えると良く分かります。経営者の選択と幹事証券の選択とマイナスの方向へ走ったのは最悪の結果でした。あの時に負けを素直に認めるべきだったのかもしれません。まぁ僕の場合、いつも前向きに捉えますから、今の相場のように下落相場になると駄目ですね。上昇相場の時は誰よりも良いパフォーマンスを残せるのですが、買い一辺倒では相場の波に乗り切れない。やはり売りも混ぜないとこの世界を生き残るのは至難の業なのでしょう。

平均PERが20倍と言うのは、そう高いとは思いません。効率化社会が実現すれば、かなり日本は変化できるからです。王子製紙のおかげで日本の紙業界は統合に動き始めたようです。いい傾向です。最近はようやく経営者が真剣に将来を考え始めたようで、法改正の整備が急がれます。あの日立が変わろうとしているのですから…しかしあの程度では生き残れるかどうか…

最近の市場を見ていると、会計士の判断が厳格な保守的方針で監査を始めたような印象を持ちます。USENをはじめインデックス、サイバードなど…、この分では今までの膿が一掃されるのでしょう。今の新興市場は過渡期なのでしょうね。大きく下がったところはチャンスなのでしょうが…既に株価は底値圏にあると思いますが、一度、沈み跳ね上がるのか? その沈み具合がどの程度なのか?

むかしSBIと言う会社に取り組んでえらい目に合いました。300万円まであった株が株式分割をはさみ暴落するのですが…その後10倍以上になり、結局、儲かったのです。しかし今の下げ過程もひどいものです。誰も新興市場を評価しようとしないのです。売上は順調に伸び、多少利益が出なくても売上規模で時価総額を判断すれば良いのに…。たとえばサイバードは244億円の売上があるのですから、時価総額も同程度が妥当なのでしょう。そう計算すると84000円になりますね。売上高営業利益率が何れ10%になれば、PERで20倍と言う事になりますね。

同じようにトヨタを計算すると概算で6444円になります。企業経営者が正しい経営をすれば、時価評価額と売上規模は、ほぼ同じ水準で問題がないようにも思います。このような計算をすると経営効率が悪い会社が浮き上がり、株価の判断材料の一つにもなります。色んな考え方が出来るのが株式市場です。ソフトバンクが、何故、理論以上に高いのか? 売上規模から見れば、中間期の数字を単純に2倍して売上が2兆2402億円で発行済み株式総数は10億5508万株なので株価は2123円なのです。この点から見ると割高ではありませんね。多くの人が公共株式のPER20倍は高いと応えるでしょうが…売上高営業利益率が10%も同様でしょうね。しかし夢がある。

何故、日本人はこんなに自信を失ったのでしょうか?
GDPの水準が欧州並みになり、一時の勢いがなくなりました。官僚社会主義派の跋扈が目立ちますが、一方では官製談合が摘発されフェアな社会構成への動きも見られます。読売新聞は結構頑張ってますね。メディアが社会の風潮を変えるのです。日経新聞は旧体制派に組みすべきではありませんね。勇気を持って日本の為に行動を起こすべきです。「格差の拡大」などと言うありもしない表現を用い、日本の成長を妨げてはいけません。

投稿者 kataru : 10:13

2006年11月12日

視点の変化

c20061112a.ipgこの原稿は二度目の原稿です。折角、書き上げたのに…
コンピュータの異常からデータが失われてしまいました。あまり最近なかったのですが…今日は物事の考え方と言う話をしましょうか。私はこの51年間の人生の中で色んな経験をしましたが、上手く行かない時にどうするか? 人生色々ありますからね。お金がなく生活が出来ない。失恋をする。裏切りに合う。親しい人の死。みんな良い経験ですね。

多くの場合、時間が心を癒してくれます。自然に触れるのも良いですね。一番、気分転換できないパターンが、いつまでもクヨクヨ自分なりに考える事です。苦しかったら他人に話せばいい。心の苦しみを他人に話すのです。だから自分の友達には利害関係を超えたよき友人を持つと良いですね。子供なら社会経験の豊富なお父さんに話せばいい。本当は御爺ちゃんなどと一緒に暮らしていれば、そのほうがベターかな?

でも苦しい時は話しても心が癒される道理がありません。やはり時間がやさしく包んでくれるのです。今回は久しぶりの挫折感をタップリ味わっています。相場だけなら何とかなるのですが…人生、色々ですからね。
私はこのような場面に遭遇するとチャンスがやってきた。と考えるようにしています。新しいチャレンジの時期が来たのだと思うのです。多くの人は過去を悔います。しかしポジティブに考えれば新しい変化を受け入れるチャンスなのですね。

最近、苛め問題などが話題にされていますね。教師が責められていますが、確かに教師の質も問題でしょうが、それ以上に苛めにあった両親の責任が大きいですね。自分の子供を守れなかったのですから、親の責任を全うできない、責任転嫁のようにかんじます。私の娘もそのような時期がありました。結局、学校を変えました。場合によれば住む場所を変えれば良いのです。親父が転職する覚悟があるなら、なんでも出来ますね。多少、経済的な豊かさがなくなっても大きな問題ではありません。

なにか、おかしいですね。最近のマスコミの論調は…確かに教育は荒廃していますよ。日教組が日本を悪くした事も事実でしょう。文部省、教育委員会、現場の校長や教師の責任も大きいのですが、その前に家庭の責任が一番です。日本人はいつもそうです。自分の責任を他人転嫁して生きています。卑怯な生き方です。どんな困難な時期でも、逃げてはいけません。正面から堂々と戦うのです。そりゃ、なるべく衝突は避けるべきですが、やるときは全力でぶつからねばなりません。

c20061112c.jpg心の問題も同じですね。苦しい時にいつまでもクヨクヨと後ろ向きに考えても仕方ありませんからね。常に前向きに、苦難も楽しめば良いのです。さぁ、東京は晴れてきました。今日と言う一日を楽しんで生きましょうね。

投稿者 kataru : 08:31