旅立ち(2006年10月29日)
むかし、母港と言う詩を書いたけれど…
『ふぅー、疲れたら帰ることの出来る港があると、きっと辛い時も立ち直れる。
…だって、いつも優しく見守ってくれる所があるから…
疲れたら、そっと包んでくれる光が傍にある。そうすれば、きっと頑張れる。
…だって、いつも暖かく包んでくれる安らぎがあるから…
そっと、上を見上げて星空を感じれば、優しい光を感じる。
そっと、川辺を見てみれば、水に浮かぶ月が僕を包んでくれる。
誰だって、心の中に母港があれば、勇気を持って明日に向かえるよ。』
今日は少し違います。「巣立ち」と言う詩です。
『小さな羽根を広げ、一所懸命に羽ばたいている。
風はぴゅー、ぴゅー、大丈夫かな?
なにも、こんな風のときに…大空に向かって行かなくても…
風さん、風さん、お願いです。もう少し応援してあげて…
ぴゅー、ぴゅー、悲しいな。
なにも、こんな日を選ばなくても…それでも青空に向かいバタバタと…
何故か、嬉しいはずの日なのに、胸が裂けそうです。
ぴゅー、ぴゅー、心の中まで吹き荒れる
楽しい筈の羽ばたきが、どうしてこんなに悲しいの…』
人間、誰にでも訪れる壁、それを乗り越え新しい世界へ、甘んじることなく、常に挑戦する心が道を拓くと信じてきました。でも頑張れば、頑張るほど、悲しい時間も訪れます。出会いと別れ、新しい扉が開くたびに、心はいつも悲鳴をあげます。もっと楽な生き方が出来るのに…何も、自ら好んでイバラの道を歩まなくても…時々、考えるのです。佇む時間の中で…
悲しくなったら、空を見上げてごらん?
ほら、見えるじゃないか、お月様が…
やさしい光で包んでくれる。
泣きたくなったら、空を見上げてごらん?
ほら、励ましてくれる、お日様が…
キラキラと光で包んでくれる。