思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

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越えられない壁(2006年09月17日)

今日は3連休の中日ですね。皆さんはお出かけの方も多いようですが、天気は台風の影響もありすぐれないようです。東京は曇り空です。世間ではシンクロナイズドスイミング、パリーグの上位争い、相撲となかなか面白い日が続いています。株式市場は年初からの低迷で面白くなく、総裁選後の政策を見極めたいのでしょう。私は安倍政権の前評判が悪いので、市場に期待感が生まれていませんから、相場にとっては良いかな?と考えています。世間一般では中川氏が後見人と呼ばれているようで、彼の考え方は支持できますから、僕は安心しています。

株は不思議です。昨年の8月に郵政民営化を焦点に急騰してきたのですから…その立役者の一人の竹中氏も辞任とか…時代はドンドン変化しているのでしょう。彼の功罪は意見が分かれるところです。私は過去において彼のやり方を批判してきました。しかし方向性は間違っていませんから、政策は支持できるものです。惜しい人材です。注目している日立が大幅な赤字転落で減益決算を発表しました。この会社は旧体制の日本の姿です。どんなに素晴らしい経営資源を持っていても、生かす指揮官の能力がなくては仕方ありません。東芝の西田氏のチャレンジはどうなるのか? 明らかに現時点では東芝より日立でしょうが、数年先には大きな変化が起きているかもしれません。株価は正直ですね。

わが国の仕組みは、このような無駄が非常に多く存在します。その理由には、官(役人)の存在があるのでしょう。彼らの役割はある意味で大切ですが、産業再生機構などの功罪を考えると分かる気がします。一般会計より特別会計予算が大きいことや、財政投融資などの仕組みは世間からみると非常に分かりにくいものがあります。その影に隠れコソコソと非効率な資金を使うから社会全般に負担が掛かるのです。その影響で日本はグローバル競争に負け始めています。失われた時代はその原因を教えてくれたのです。そうして小泉内閣はその原因を改善し始めた所なのですが、残念ながら、旧体制派の巻き返しが強く、二進一退の様相です。

権力とはお金の使える量なのですね。お金が沢山あれば色んな改革に邁進できるのです。その使い方が問題なのですね。ところが、表面上でお茶を濁すテレビや新聞の報道を読んでいると、その辺の記事が少なく見失います。消費税の増税は良いのですが、社会保障費に充てるといいます。頭のいい族議員や役人は、社会保障関連に身を置けば甘い汁が吸えると考えるでしょう。予算が膨らみますから…ここが問題です。社会保障も民営化を進めれば良いのです。介護保険の役割などドンドン民営化を進めると本当の弱者が見捨てられます。その本当の弱者を救うのが官の仕事の筈です。偽物の弱者が日本には多すぎると思います。

公平から公正へ

この言葉の意味は非常に重要です。株で儲けようとする人は非常に多いのですが、本質を捉えない人が多いですね。日経新聞はチャートの見方など、安易な入り方で株の勉強をしたような錯覚を読者に与えています。しかし表面上の現象をみて、株が儲かると考えるほど、この世界は甘くはないでしょう。相場には様々な焦点があり、その壁を越えないと新しい時代、相場に進めないものです。なにしろ、世界中で、もっとも優秀な連中がしのぎを削っている世界ですからね。残念ながら、僕の技量では時間を超越できない。そんなジレンマを抱える次第です。