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コラム

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方向性(2006年06月25日)

昨日は「不撓不屈」(ふとうふくつ)を見てきました。原作とは少し違うようです。どちらが実話なのか…22日の木曜日に2%超成長への工程表が纏まったと日経新聞に報道されていました。たった2%の成長か…「馬鹿でも出来るわ」と感じた次第です。既にこのような計画経済の考え方を日本は捨てるべきですね。不透明な特別会計が一般会計を大きく上回り、あっちこっちで官族が増殖し、地方経済は破綻しているのが実情なのに…年金資金を維持させるためのイタチごっこの算術は見ているだけで、馬鹿らしい浪費に思えるのです。

日本国民の多くは依存心の大きな考えない人間になりました。何かあると役所に相談などと言うお上頼りの依存心はいつから芽生えたのか? 戦後教育の荒廃なのか? それとも明治維新の後遺症か? 武士が食える制度の為に官と言う組織を作り、社会改革した明治維新は民衆の革命ではなかった。早い話、派閥の争いか? だから日本は脱皮できないのかな? ようやくトンネルから脱出する糸口が見つかったように感じるのですが…官の抵抗は凄まじい。なんで僕らは官の指導下で成長を模索しなくてはならないのでしょうか?

市場経済が栄えれば、2%成長程度の企業は見捨てられるでしょう。常にコストパフォーマンスを問われるからです。市場金利が5%なら、少なくとも7%~8%程度の成長率を要求されます。こんな大綱を作る暇があるなら、自分達が労働者になって働いてみれば良い。いい加減な曖昧な目標を立てるほど暇なのでしょう。責任を取らない上司の言うことを部下が聞きますか? 教育の場でも先生を馬鹿にする親が多くいます。そうですね。既にみんなが大学に行き、先生よりずっと教養のある親が多いから…もう少し親が成長すれば、こんな現象は起きないでしょうが、今のレベルはこの程度なのでしょう。親が先生を馬鹿にするから、生徒も先生を見下すのでしょう。

既に日本の仕組みは荒廃しているのですね。必要ないのです。官から民へスピードを上げた改革をしないと世界から取り残されます。唯一の競争が民間の主戦場である株式市場です。既に国際会計基準が統一され、グローバルな比較が出来やすくなっています。情報はインターネットで手に入り、時間の壁がなくなり文化の壁も低くなりつつあります。昔なら地球の裏側に近いイラクの政情など、どうでも良かった話です。それがリアルタイムで分かるようになっています。市場はやがて一つになるでしょう。日本の半導体産業をみれば提携と言う形で変遷している姿が分かります。

日本だけが計画経済の枠組みを守ろうとしているから、隠れた歪が見つかり、多くの疑問が生じるのでしょう。予算を削れば力が弱まります。一般会計より特別会計を叩くべきなのでしょう。本当の病巣は、ここにあるのでしょう。仮に日本経済の効率化社会が実現したら、成長力がアメリカ以下と言うことはないよね。アメリカでさえ3%以上を実現しているのに…。あのような食文化のレベルが低い国と一緒にされたくない。民族の優秀さは清潔感と食文化ですよね。仲間同士のいがみ合いなど止めて、みんなで成長に向かい切磋琢磨して頑張ろうよ。

官の中にも「不撓不屈」の映画ではないですが、今の体制に疑問を持つ人は大勢います。僕らは人間だから大勢に流されやすいのです。しかし一人一人の力は小さいのですが、やがて大きなうねりになり、新しい流れが生まれるでしょう。その為には資金提供をする場である株式市場の参加者が洗練されたセンスを持たねばなりません。皆さんはその先兵隊です。僕はディトレの批判派ですが、僕の考えが間違っていることも、たくさんありますからね。この短期売買の人達が洗練された新しい日本を築くかもしれません。

株式投資は方向性への投資だと僕は思っています。業績予想も大切ですが、所詮、そんな読みは占いの八卦程度のものなのです。アナリストが色んな、勝手な基準で業績予想をしますが、そんなものが当たるぐらいなら、アナリストは、みんな億万長者どころではないですよね。現実は…みんなサラリーマンなのです。僕の投資の信条はベクトル投資なのです。方向性を重視するのですね。社会の流れに沿っているか? その会社が伸びると社会は豊かになるか? 業績の傾きはどうか? この傾きは強いほど将来の果実は大きくなります。方向性さえ間違ってなければ、早いか遅いかの違いでしょう。ゆっくりでもいい、確実に前へ進めば…