歴史の展望2(2005年09月25日)
実はプラザ合意の20年の歴史を見ているなかで、同じような現象が過去にある事に気付きました。私が証券界に入ったのは1979年です。昭和54年は第二次オイルショックの最中だったのです。当時は石油の試掘計画に一喜一憂していたようです。石油株は勿論、商社、非鉄と騰がっていきました。その後、大量の外人買いが入りオイルマネーの買いだと言われたのを思い出したのです。なにやら、今の東京市場と同じような構図が重なって見えます。そこで当時の市場を少し回顧してみたいと思います。
先ずは、オイル価格ですね。右のグラフを見ると分かりますが、やはり4倍程度まで上昇したようです。第一次石油ショックは、エジプト・シリアとイスラエルの間に起こった第四次中東戦争が発端で、イスラエルを支持する欧米に対しアラブ諸国が石油の禁輸を含む処置により起こった出来事で、トイレットペーパーがなくなる現象が印象的に報道されました。随分、昔の話なので覚えておられる方がいらっしゃいますかどうか…1973年~ですね。
第二次石油危機は1979年2月にイランで革命が起こります。ホメイニ師が率いるイスラム共和党がイラン王朝より政権を奪った出来事で、その後イラクがイランに侵攻しイラン・イラク戦争が始まります。三井油化の事業が多額の損害を被ったのです。ただその後生産は開始され価格は落ち着きます。その当時の市況は今の市況と似ています。
1979年 1980年 1981年
1位が石油石炭115.4% 1位が鉄鋼 28.0% 1位が電気機器 31.7%
2位が鉱業 103.3% 2位が精密機器25.8% 2位が繊維 27.9%
3位が海運 46.5% 3位が電気機器23.6% 3位が輸送用機器27.6%
4位が非鉄金属 15.0% 4位が金属製品19.8% 4位が金融・保険 25.7%
5位が商業 9.1% 5位が鉱業 19.1% 5位が非鉄金属 24.0%
当時の代表的な活躍株を二つのチャートを提示しておきます。左は日本石油で右は日立製作です。なにやら今の相場に似ているような…似てないような…奇妙な感じです。
さて後ほど、本日は「かたるクラブ」にて相場観を書く予定です。
