思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

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自分で調べよう!(2005年07月31日)

今日は日曜日ですが、久しぶりに株の勉強をしないといけませんから、このレポートを書きながら勉強しようと思っています。かたる銘柄はどちらかと言うと危険な匂いがする銘柄を選んでいます。…と言うのは、会社に対する未来の業績の「強弱観の対立」が相場のスケールを大きくするからです。だから、赤字の段階から取り組みをスタートしているのです。しかし、かたる銘柄は時代性を加味されて選択されていますから、それほど心配なものではないのですが、市場には色々な意見がありますからね。

しかし、それでも不安に思う人はいるでしょうから、保守的な投資家のためにもかたるは本文中で幾つかの銘柄を推奨していますね。代表的なものは新日鉄―5401と三菱商事―8058です。今日は日本を代表する企業の銘柄検討をしたいと思っています。
先ずは、保守的な代表的な銘柄である新日鉄について述べます。新日鉄の株価は現在284円です。当社の発行済み株式総数は68億0698万株ですから、時価総額で1兆9331億円ですね。06年の売上規模は3兆9430億円の四季報予想です。一方、最終利益予想は2730億円となっており、時価総額の14.1%になります。現在の金利水準は低く、金利コストを高めに2%としても12%も差が得られるのです。

このような状況下で機関投資家は株式運用を拒否し続け、株式投下資本を増やさないのは、投資家に対する怠慢と言う言葉以外、何者でもないでしょう。所謂、職場放棄に等しい姿勢を日本生命やミレアHDはとっているのです。株式市場は半年先を考え相場が形成されているといわれていますが、新日鉄の第1四半期の決算は好調でしたね。売上高が9047億71百万円(7021億56百万円)経常利益は1531億39百万円(474億79百万円)一株利益は13円59銭(3円47銭)でした。カッコ内は前第1四半期の数字です。新日鉄の粗鋼生産は一定しており大きくぶれません。昨年の四半期別の実績は2822万トン、2816万トン、2875万トン、2776万トンです。つまり価格動向だけが収益に影響を及ぼすのです。仮に第1四半期並みの水準を維持し年間利益を弾くと売上が3兆6190億円になり、経常利益は6125億円、一株利益は54円にもなります。PER10倍で540円ですね。

このように、あまりにも安い株価は水準訂正されて当然ですね。この鉄鋼と並び、かたるは商社の三菱商事も保守派の投資家に推奨しております。理由は何度も書いているので省きますが、その三菱商事の決算にはマジックが掛かっており、日経新聞をよく読んで自分で調べないと分からないのですね。原料炭の価格上昇が加味されていない決算が、この第1四半期なのです。このMDP社の年間の利益見通しは944億円なのですが、この第1四半期は僅かに75億円しか計上していません。この意味が分かりますね。昨日の日経新聞の報道で三菱商事の年間利益に対する達成率が三菱商事は28%となっており、最上級の丸紅が37%となっていましたが、実は三菱商事の他の部門の年間達成率は38%にもなっているのです。報道は嘘ではありませんが、MDP社の存在を本文中に簡単に載せているだけなのです。新聞の読み方の難しさを感じさせる事例ですね。

三菱商事の昨年の処理は面白いですね。ローソンや年金の代行変更に伴う減損会計処理を第3四半期と第4四半期に行っています。儲かりすぎて減損処理を探しながら内部改善をしています。大きな処理は前期に終えており、今期はフルに利益を享受できそうなのです。一応、昨年の減損処理前の四半期別の基礎収益を挙げると、652億円、(428億円)1013億円(472億円)988億円(647億円ローソン処理が321億円)881億円{代行返上の清算費用が228億円}(598億円)カッコ内は純利益の推移。分かり辛いかな? 昨年の三菱商事のケースでは、第2四半期が、一番利益が出やすいのですね。次に第3四半期かな? 商品価格により大きな収益の変動がありますが、第1四半期の利益の4倍以上を見ても、かなり低い見積もりですね。ここにMDP社の存在があり944億円の利益が加わるのです。

つまり、かたるの控えめな利益予想を立てれば、MDP社の利益944/4=236億円で236-75=161億ですから、本来の第1四半期の利益は774+161=935億円になり、この4倍の3740億円が年間の最終利益になります。故に一株利益は238円になるのでPER10倍で株価2380円が予想されるわけです。

どうしてなのでしょう?
松下の株価が好調なデジタルテレビの販売で1832円です。しかし一株利益は60円程度のものでしょう。一方、三菱商事は200円台の利益は確実でしょう。3倍以上の開きがあるのに、株価は松下より安くなっている。会社の資本政策の違いだけでは、説明が付きませんね。逆日歩などを見なければ、松下売りの三菱商事買いの裁定取引が成り立つでしょう。現時点が資源価格のピークで、これからドンドン価格下落を起きるのでしょうか? しかしそんな兆候もないし、そんな極端な現象は、これから1年間はないと思いますね。…と言うことは、絶好の投資機会が訪れているのです。本当は双日の決算を書こうと思いましたが…今日はあえて三菱商事に拘りました。メタルワンは三菱商事の子会社になったけれど、昔は日商岩井のものだったのですね…貧乏はしなくない。

是非、会社発表の資料を見て感じて欲しいのです。儲ける為には自分の努力が不可欠なのです。
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