ヤクザで始まりヤクザで終わる(2013年11月16日)
今週の相場は一部のヘッジ・ファンドが決算対策の準備の為にとった行動に、日本の個人投資家が追随したのでしょう。丁度、調整が完了していることもありタイミングもよく、パンチがきいた印象の展開になりました。もともと日本株の投資環境は、海外に比べ非常に恵まれた状態にあります。理由は、長い失政の為に、相場の需給バランスが完全に枯れきっている状態なのですね。
長い間、日本は銀行と一般企業などの株式持合い関係を維持してきました。この現象はいったん解消されたにもかかわらず、2005年頃だと思いますがフジテレビ株を巡り、ライブドアが米国金融の力を借りて、フジテレビの買収に動いた事件を切っ掛けにして、終わったはずの株式保ち合いの動きが再熱します。米国金融の力を恐れた能力がない新日鉄のサラリーマン社長が保身の為に、再び、銀行との株式の持ち合いを始めたのですね。しかし米国の金融危機が起こり、銀行の資本増強と言うグローバル環境により、再開されたこの動きは直ぐに解消されました。此処にも日本村論理の崩壊が見られます。原発事故で東電が叩かれている構図も、日本村社会の崩壊の一環です。
つまり日本に残った既得権勢力の象徴である55年体制が次々に崩れ、グローバル化している現象が広がっているのです。TPPで先日はJAの萬歳章会長が経団連の米倉さんと握手をしていましたね。この光景も似た背景があります。既得権勢力は、確実に力を失いつつあるわけで、日本が長い間、構造改革を実施してきた成果は、時間が解決している訳です。1989年から続いた日本株の調整は、基本的に転換点を迎えているのでしょう。ソフトバンクのスプリント買収、ファーストリテイリングのグローバル化など…数え上げればキリがありませんね。要するに、日本株は放っておいても、株は自然と上がるタイミングに来ている訳です。カタルが需給バランスは、完全に枯れきっていると言う表現を用いているのは、こういう日本の社会環境が背景にあるのです。
未だに、みずほの反社会的融資を問題にする構造はありますよ。金融庁の既得権勢力ですね。偽装表示もメディアの既得権勢力の力でしょう。基本的に彼らは巧妙に自分達の組織の温存を狙い、事件を利用しているのです。メディアの誘導は世論の誘導であり、自分達の保身に利用するのですね。しかしそんな内部構造は、だんだんグローバル競争の真の市場経済の動きに押されていきます。これが時代の流れですね。TPPへのJAの戦いも、何れは押されるから、経団連の米倉さんとJAの萬歳さんが犬猿の中なのに同席し、メディアに画像に乗ったのです。この辺りの背景を理解しないと、今回の株高の真の姿が見えないのでしょう。メディアは外人のヘッジ・ファンドの先物からの買いにより、株価が上昇したと誤報とも言える解説をしていますが、実態は日本の投資家であり、個人のネットトレイダーが日経レバレッジのETFを買い進んでいるから、今週は大幅高したのでしょう。その背景は、多くの株が調整を完了しており、新しい波動入りの状態になっていたのですね。カタルは先週から今週にかけ、三菱UFJの解説などを増やしています。200日線上に株価が位置しており、何かが起こると…述べていましたね。
多くの株価が、一旦、株価位置が上がると、下がらないようになっています。代表事例は邦銀株です。みずほはほとんど下げずに時間調整をしてきました。007もそうですね。ボックスが確実に切り上げています。カタルは三菱UFJの妥当価格を算出しています。14日の「今日の市況」で、最低株価の800円台は回復するだろうと述べています。理論上は、1300円前後が市場経済としての妥当株価だとも述べています。つまりそこまで日本株の水準訂正が続くのでしょう。日本の社会環境がグローバル環境に変化しているから、株の需給バランス調整が済んだのですね。それが200日移動平均線のタッチするのを観て、多くの株が反発した真髄なのでしょう。外人のヘッジ・ファンドが関与しましたが、単に切っ掛けに過ぎません。基本はイールド・スプレッドなどの論理的な株の割安感を支えている構図が底流にあるのでしょう。
さて今週の株高の背景を語りました。外人買いも要因にありますが、本当は日本人個人の日経レバレッジ・ファンドの買いが、全体相場を持ち上げたのですね。本来なら、先物からの買いなので、需給バランスは不安定で、一般的には日経新聞の一面解説にあるように、短期資金が中心なので、急ピッチに上げる株高を警戒すると言う解説は、頷けるように思いますが、本当は、この解説は違うのでしょう。カタルは株式持ち合いの関係やJAの萬歳さんの話を、何故、ここで持ち出したか?この背景を考えれば、新しい波動がスタートしたとみるのが妥当でしょう。事実、アベノミクスの始動からの相場展開を考えると、今回の株高は本物の相場展開だという事が分かると思います。偽物と思われる相場の株価もなかなか下がりませんね。東電を始め、3Dに、オリンピックなど…。たいして業績の上積みが見込めないのに…株価は維持されています。ガンホーなどは代表事例でしょう。どうもガンホーは底入れの動きに入っているみたいですね。スーパーセルを親会社のソフトバンクと共同で買収し、今度は、本社をフィンランドに移転する検討をしていると報道されています。この動きは新しい動きですよ。ただ直ぐに株価は反応しないと思います。何故ならパズドラの一時的な利益の見極めが必要だからです。このような展開がなければ…極端な事例ですが、KLabのような展開に株価はなっていたはずです。
7月の人気株の「リプロセル」などの動きを見れば、カタルが野村主導の新規上場株の人気株の「エナリス」の相場を批判する構図が理解されると思います。一時的な人気は冷めるのですね。株価をある程度上げることは、お金さえあれば誰にでも出来ます。しかし上がった株価を維持し、更なる上積みを期待できる株は、なかなかありません。熊谷組を既に相場は終わっているでしょう。しかしケネディクスは上がった株価を肯定し、更にその上の株価を約束する構造が、背景にあります。今は数字に合いませんから、強弱感が対立し仕手戦になりますね。しかしカタルはサマラリーを期待した500円割れ以降、何度も新高値をチャレンジし、年末年始に4ケタになると豪語していました。それは高くなった株価を、さらに上げる要素が背景にあるからですね。その源が、1兆2000億円に上る受託資産の管理の権利です。この不動産を右から左に所有者を移転させるだけで、皆がハッピーになる時代環境にあるのですね。1989年から失われ続けた地価の下落と言う膨大な貯金が…ようやく生きる環境下にあるのですね。一般の景気循環の話ではないですよ。明治政府が生まれて蓄えられた時からの含み利益を飛ばしたのが…このデフレ環境の「失われた時代」なのですね。如何に膨大な貯金かが、分かるでしょう。その回収に入る相場なのですね。だから4ケタは単なる通過点で、4000円も可能性があるし、政策次第では1万円の声がかかるかもしれません。
時代背景を知り、相場観は組み立てられています。
007は産業革命以来のユビキタス社会と言う技術革新です。ケネディクスは長い失われた時代のツケを回収する相場です。ちんけな相場とスケールが違いますね。現状の株価が2倍になっても論理的に株価が合う銘柄なのですね。ようやくケネディクスクラスの銘柄が活躍できる相場環境になってきました。何しろ野村証券が、金曜日に人気NO1になったのです。大きく大和証券に離された株価ですが、社長が足りないからですね。氏家以降、野村は多くの人材を失いました。やくざ絡みの不祥事を一掃しようとした為に、清貧思想の蔓延が始まった為ですね。バブル崩壊当初、野村は東急電鉄株の取引を巡り、やくざ問題で叩かれました。やくざ相手に商売を出来る実力派を排除したのですね。しかし本当に仕事が出来るやつは、やくざ相手でも商売にするのです。みずほの2億円程度の問題と規模が全然、違う話です。確かに、あの「にぎり」はやり過ぎで、汚い損失補てんでしたが…、今の実力派を排除する清貧思想も行き過ぎでしょう。今のみずほなどの反社会的勢力の総額は、僅か2億円、悪いことは悪いのですが、テレビでワイワイと拘る問題でもありません。如何に清貧思想が蔓延し、この動きが終局に来ているかを、知る社会現象です。長い「失われた時代」のデフレ環境は、野村のやくざに始まり、みずほのやくざで終演でしょう。