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雑感(2012年02月04日)

米国の雇用統計が改善され株価は1344(SP500)と、5週連続の上昇になったと言います。所謂、景気の2番底をこれで否定したことになりますね。昨年の春はQE2の効果に疑問が持たれ欧州危機の懸念と一緒に調整を余儀なくされましたが、ここに来て急速に戻り始めています。理由はやはりQE2の効果でしょうね。ただ最近の高値を付けてきたとはいえ、米国金融株の戻りは遅いようです。JPモルガンは48ドル対し38ドルです。バンカメは18ドル台に対し未だに8ドルですからね。欧州危機の影響が出ているようです。世界の中央銀行から十二分に信用供与はされておりますが、信頼感が生まれないのか…お金が動いているとは言い切れません。

銀行と優良企業にはお金が溢れています。企業業績もグローバル規模で二極化の現象のようで勝ち組と負け組が明確に分かれていますね。パナソニックやソニーに3兆円規模の設備投資を要求しても無理な話です。しかしサムソンは実際にこの水準を超える投資をするわけですね。特に巨大な装置産業では我が国の基礎基盤は弱く完全に韓国や台湾の後塵に拝しています。このような時代背景の中で無理して設備投資をした結果がテレビ事業の赤字なのでしょう。アップルも同様の事例でしたがファブレス企業の活用で乗り切り新しい情報のデファクト・スタンダードを構築しています。ソニーは資質から見てネット・テレビでアップルの様に育つ可能性がありますが経営者次第でしょう。

幸い、ネット新興国の分野はインフラ整備で世界トップ水準ですから産業が育っていますね。ネット文化を世界に輸出すればいいのですが…ここに日本独自の清貧思想が阻害要因になっています。日本人は個人の価値観を重視せず、体制で動くロボット国民なので精神的な成長をしていないのでしょう。おれおれ詐欺は日本だけの独自現象なのでしょうか?失われた時代を過ごす日本の要因を考えてみると、この戦後教育の弊害も色濃く影響をしているのでしょう。画一化教育は疑うことを…自虐的な精神構造を植え付けているようにも感じます。

米国株が高値を抜いてきたことは外人投資家の勢いを取り戻せさせますから、しばらく日本株の下げも心配しなくて良さそうな展開になってきました。私は一度、ユーロ安からくる揺り戻しを警戒していましたが薄れつつあるようですね。バンカメの動きは注目されます。早晩に10ドル台を回復するのかどうか…日本の金融株にも影響を与えるのでしょう。特に野村は昨年の劣後債の調達で息を継げるかも知れませんね。エルピーダの公募と感覚は似ています。ただイラン情勢やイタリアからポルトガルの爆弾を抱えていることも事実で、上に何度かチャレンジして行けなくなれば、この問題が爆発し揺り戻しも考えられます。

さてフェースブックの登場で売り上げ規模から考えて、伝えられている時価総額規模はかなり大きく、この評価には脅かされますね。如何に情報網の価値観が高まっているか実感させられます。だからネット・テレビのデファクト・スタンダードを映画とゲームを持っているソニーに期待したのですが、ものづくりに拘りすぎです。価値観が大きく変化しているのに従来型の発想です。平井新社長は期待に応えられるかどうか…。日本の財政問題と同じく時間がありません。

一貫して評価不足を唱えて、一押しとして評価を下し買って投げを繰り返してきた携帯端末のゲームであるDENAとグリーは、グリーの決算を受け急騰してきました。好調が伝えられた1月の下げは、上げの前のフルイと判断させられるような上昇が見込まれそうです。ただイランや欧州危機を抱える世界の株価と同じように、こちらも日本の社会規制の問題の爆弾を抱えています。自主規制で乗り切れるのかどうか…訴訟合戦に発展した両社は小さな覇権を争うのではなく日本の為に、誰か仲介に入り和解させ、両社でこの青少年の過剰な被害を抑える対策を打ち出し政治的な根回しも必要でしょうね。仮にこの問題が社会問題になると一気に評価が変化します。世界の株価と同じように強弱感が対立し、一度、押しているからこそ面白い存在です。

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ただ残念ながら、グリーの決算からは海外動向の変化は感じますが、なかなか集金過程で日本のような展開を感じられませんね。あのグリーの会員構成が本当の数字なら、もっと劇的な変化を迎えても不思議ではないですね。故にこの1年がDENAやグリーの株価を劇的に変化させる時期になる可能性は、依然、高いのです。株価が2倍になったとしても株価判断だけの空売りは非常に危険ですね。1億の人口に対し70億の世界なのです。

久しぶりに新規カタル銘柄に採用した有機EL関連は、どちらかと言えば来年の銘柄です。確実に収益変化が期待されるのですが、最近の傾向としては市場参加者が少なく、先行して取り上げられても大きく育ちませんね。一人舞台の傾向が高いのです。鬼ゴムなんかあれだけ業績の変化があってもあの程度の評価だったのですね。僕は当初4ケタを予想していました。確かにこの株安の局面で300円が600円台になり確約したと言えば…マズマズの評価なのでしょうが市場の縮小ぶりが寂しいものです。武富士のかたき討ち銘柄のJトラストも2倍にしか育っていませんね。だから新規カタル銘柄の有機EL関連はAOCの後でも十分かな?

本来の相場なら、収益が読みづらい段階で人気化し始めます。大阪チタンは面白い候補なのですがね。誰も手掛けようとしていませんね。航空機関連は世界でも資源と同じような拡大傾向が約束された業界で競争相手が車の様に多くないですね。だからBAなどはもっと高くなるのでしょう。まだ76ドルでしかないですね。100ドルを何れ超えてくるのでしょう。明日は底入れの研究をホンダとDENAを比較し解説したいと思っています。最近、発見した底入れのタイミング評価です。ある仮説がありますがDENAが本格的に上がるようならこの仮説は実に興味深いものとなるでしょう。それではまた明日。