思わぬ相場の真実が発見できる

コラム

« 秋の夜長… | 最新の記事 | 秋の気配 »

商社研究(2005年10月30日)

c20051030a.gif

さて上記は今中間期発表分と通期予想の一覧です。株式市場は6ヶ月先を読むと通常言われますので、通期の利益水準が問題となるわけですが、双日の固めの予想が進捗率からお分かりいただけます。(進捗率は最終利益予想の中間期確保利益の割合です。)既に双日は通期予想の68%を確保しているのです。それにひきかえ物産の進捗率は50%を下回っております。海外の権益が多い会社は概ね資源価格の影響を受ける会社と思って良いでしょう。だから円安になれば利益が出やすくなります。通期見通しの前提が双日の場合、1$=105円、35~40US$/BBLとなっており保守的ですが、三菱商事は107.2円、49.8US$/BBLと発表されています。住商などは112円の為替水準を前提にしているようです。如何に硬い数字を発表しているか、双日の株価への想いが伝わってきます。

現時点の一株利益と株価、PERを比較してみましょう。双日の前提は、総発行株式総数が期末の4億120万5565株を元に計算します。三菱商事は16億7252万3194株です。物産は15億8194万9554株です。住商は12億4442万7355株です。伊藤忠は15億8217万9037株です。丸紅は14億9298万2926株です。

c20051030b.gif

(中間PERは単純に半分にしてあります。優先株式や潜在株式は考慮していません)

明らかに双日は割安なのです。今の株価の2倍程度まで上昇しても不思議ではないのですが、優先株が丸紅も発行していますが、双日の場合は異常に多いのです。この見方をどうするかにより意見が分かれるのです。会社側の発表のように期間利益で償却するのか?それとも増資などにより発行株式が増えるのか?市場は現時点では2倍まで増えるとみて評価しているのですね。ここが双日の株価を見る上で意見が分かれるのです。業績が発表された日に株価は乱高下しましたが、会社側の発表のように業績面から株価が乱高下する理由は全くありませんね。双日の業績発表は、かなり控えめで非常に硬い数字を打ち出している事が、他社比較をすると分かります。故に早晩、他社に株価が低調でも双日の株価訂正は徐々に行われるものと考えております。株価裁定を考えるなら物産売りの双日買いなのでしょう。6ヵ月後が楽しみですね。

さて本日は、後でかたるクラブを更新します。