今日の市況(2010年)(2010年09月30日)
NY市場ではFRBの政策をめぐりインフレ期待が存在すると言います。この現象は金融政策が効果を上げている現象でしょう。一方、日本では来週にも日銀がさらなる金融緩和政策を実行する予定ですが、市場では新型オペのさらなる金額の増大ぐらいだろうと見ているようで、効果は上がらないと判断しているようです。折角、15日に円売りの為替介入をしましたが一度きりでは効果はなくまもなくメッキが剥げ落ちそうです。背景には米国の下院で為替操作をしている中国に対する制裁法案が可決したと言います。つまり日本独自の介入をやりにくいのですね。政策担当者に不退転の決意がない以上、市場は増長しますね。このような背景から株価は安いのでしょう。
加えてスペインでは緊縮財政に反対するデモが行われ、欧州の金融システム不安が再熱しています。アイルランドのアングロ・アイリッシュ銀行とアライド・アイリッシュ銀行は最大で144億ユーロ(約1兆6310億円)の追加資本が必要となる公算が大きいことがアイルランド中央銀行の発表で明らかになったそうです。また格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、スペインの信用格付けを「Aa1」に引き下げ見通しはステーブルとしました。このように不安を煽る人がおおぜい居ます。アイルランドのGDPは2160億ドル程度で18兆円ほどですね。日本が535兆円ほどですから1/30ほどです。アイルランドが破綻しても世界経済に大きな影響はないでしょう。でも破綻など起こらないでしょう。

今日は更に経済産業省から鉱工業生産指数が発表され3ヶ月連続の下落になっています。昨日の日銀短観もそうですが大幅な落ち込みから政策による特需により生産活動が戻ってきている様子が窺えます。この勢いが民間の自然な需要に繋がるかどうか…所謂、景気の踊り場との表現が相応しいのでしょう。円高に欧州の金融不安、不透明な景気循環等が重なり株価を押し下げたのでしょう。日本人は自分で判断せずに今晩の海外指標を気にしています。今日は三菱UFJなどの金融株の株価が崩れ全面安になっていました。


一方、国際優良株はそんなに株価は崩れておらずに、むしろグローバル経済に影響を受けるファナックなどの競争力のある会社と内需株は二極化現象になっているようです。如何に政策が間違っているか分かる訳です。しかし食べログが期待されるカカクドット・コムなどの新しい産業は新高値を更新していますね。

金融界は体質が古く持ち合い株の要です。ようやく事業会社は国際会計基準の採用に向け覚悟を決め損失処理をしたのかもしれませんね。この予測が正しいのなら、明日以降、売り物は一巡する筈です。基本的に東電などの増資もマイナス要因ですね。
今日はお客さまの話から…僕のお客様はトラックをいすゞに注文しました。そうしたら2ヶ月半待ちだと言います。理由を聞くといすゞの国内工場のラインは6割が海外向けで4割が国内向けなのだそうですが、国内需要の読み違いで生産が間に合わないのだそうです。この話しの意味は、何度も批判している日経新聞の清貧思想の影響でしょう。今日も不安を煽る材料ばかりメディアは流しますが、実際は新興国の需要は強く銅の在庫は薄くなり価格が上がっていますね。さらに昨日の日経産業新聞のインテルのキルロイ上席副社長へのインタビューが載っています。このなかで欧米市場のパソコン販売が減速し7-9月期の売上げ予想を8月末に112~120億ドルから108億~112億ドルに減額修正した話が載っていましたが…記者は中国市場の減速を指摘する声もあるが…と聞くと「そのような兆候はない。政府の景気刺激策が効果を上げておりビジネス、消費者向けの双方とも健全だ。新興国需要に加え、一家で複数台のパソコンを所有する傾向が強まる。今後4~5年で世界のパソコン販売は2倍に増えるとみている」と応えていました。
ここでも清貧思想の記者らしく中国市場の減速懸念を指摘しています。不思議ですね。既にグローバル化が進み欧米の需要より新興国の需要が勢いを増しているのに…景気のいい所は取材せずに今までどおり景気の悪くなる地域にスポットを当てるマスメディアは実体を正しく報道しているのでしょうか? だから機会損失が生まれるのでしょう。政策が間違っている為に民間企業の自助努力の足を引っ張っていますが、株価は二極化現象に入っているようです。政策の間違いはひどい状況を作ります。このお客様は都内の材木屋さんですが、この地域に18件の営業している店があったそうですが、現在は5件に減り、実質的に商売をしているのは2件だと言います。株屋と似ています。今日も野村證券は新安値更新です。
一度、上がった株は新安値を更新している株より売り物が少なくなります。理由は戻りの時にシコリ玉を売るからですね。人間は不思議なものです。10月の信用期日はかなりありますが、最近は回転が速く相場が崩れるほど売り物は残ってないでしょう。新興国は基本的に車や電化製品を買いたいものです。それに社会インフラ整備のために需要が膨らんでいます。固定資本投資に民需が加わりますね。しかもこれから購買時期を迎える中国やインドの人口は一桁違う世界なのです。インドネシアも2億人を越えていますよ。ダイハツなどの株価は新高値水準の筈ですね。


投稿者 kataru : 2010年09月30日 17:22