今日の市況(2010年)(2010年09月22日)
最近、僕もずいぶん新聞の読み方が変わったなぁ~と感じます。
本日の日経新聞1面はパナソニックの増資観測を否定する記事。それと17面の米国年金のメリッサ・オットー氏のインタビュー記事の中で、企業への要望は…との問に対し「中国では、経営者らが生産性向上や利益追求に積極的で決断も早いと感じた。透明な評価軸に基づく成果主義の定着などで社員当たりの効率を上げるべきだ。独立役員の登用が十分でなく、株主利益を損なう安易な増資もなくならない。」と述べていますね。本日の野村證券は久しぶりに3円高でしたが、野村批判を繰り返しているかたる君の主張に関連する記事でした。
加えて珍しく日経新聞にしては良い記事が続きます。
5面の太田康夫氏のコラムです。「終らない資産デフレ」。このように資産デフレに言及するメディアは珍しいですね。諸悪の根元である資産デフレを日銀は見逃しています。デフレで問題にするのが、必ず消費者物価(CPI)だけで明らかに片手落ちです。しかし1235兆円もある資産価値が4%下がると、5兆円ほどフローの利益が消えます。資産除去債務損と言う項目が新しく設けられ、1株利益が減少しますね。その結果、労働分配率が低く抑えられます。日銀は1985年からの過剰流動性政策で、この資産インフレを見逃しバブルを作りました。この逆ですが、同じ事を繰り返していますね。なんと19年も連続で地価は下落しているのです。

その当事者の日銀総裁が読売新聞でインタビューに応じていました。自分たちは如何にも一所懸命に流動性を供給していると自画自賛しています。読売新聞のインタビューは丸山淳一経済部長だそうですが、何故、資産デフレや銀行の貸し出しの減少を追求しないのでしょうか? 金融政策は結果で出なければ緩和している事になりませんね。地価が上がり、株が上がるなら金融緩和が効いています。ところが現実は土地も、株も下げ続けています。つまり流動性を供給していない政策を実行しているのです。円高もその結果ですね。仕事の出来ない人間が、言い訳をしている現実を感じますね。
車のセールスマンが「自分は一所懸命に顧客周りをしているが一台も車が売れませんでした。」と言い訳をしているようです。そんなセールスは首になります。遊んでいても、月に車を10台、20台と売るセールスが優秀なセールスですね。金融政策も結果が出なければ意味がありません。日銀総裁自ら不確実性を創っているのに…当事者が客観的にみているんだから呆れるばかりです。簡単ですよ。リートなどに、自ら「メザニンローン」を提供すれば良いのです。
以前にも話しましたが、政府は霞ヶ関の再開発を実行し土地を国が売り、リートを募集します。リスクを取る元金を3割にして配当利回りを5%に、1割か2割を日銀がメザニンローンで出資し、後は民間銀行が貸し付けます。これならこのファンドを国が補償したようなものですから、世界中からお金が集まりますね。開発資金は必要ないし財政赤字は減りますね。何故、こんな簡単なことを実践しないのかな? インフレが心配だ…とか、起きもしないのに心配ばかりして、まるで狼少年です。
さて米国の全米経済研究所は2007年12月から2009年6月まで景気後退が戦後最長の18ヶ月間続いたことを確認したと発表しました。これまでは1981年7月から82年11月の16ヶ月が最長でしたが抜きました。この長い後退期後の成長力は1983年の第2四半期は8.89%、第3四半期は7.81%、第4四半期は8.18%、翌年の第1四半期は7.68%と高い成長が続きます。でも今回の2009年第4四半期は4.89%でしたが2010年第1四半期は3.66%、2010年第2四半期はなんと1.6%に落ち込みます。この辺りに二番底説が発生する理由なのでしょう。

ただ1990年7月から91年3月まで…のその後92年第1四半期は4.37%と4%台に回復しますが、93年第1四半期には0.74%まで成長力が落ちていますが、その後は5%台まで伸びます。2001年3月から2001年11月までの時はもっとひどく、3.42%まで回復しますが、その後は0.08%まで落ちますね。でもその後は6.65%まで回復しますね。つまり二番底はある程度は仕方がないと言えます。ただ二番底は一番底より何れも浅いのですね。
最後に馬淵国土交通相は中国の国家観光局の祝善忠副局長の表敬訪問を断ったと報じられています。マスコミの発表では尖閣諸島は日本の領土と国民感情を煽る主張を展開しています。しかし一説によれば、日米国交復興の折、田中角栄がこの問題を出したそうですが、周恩来首相は棚上げにして国交の復興を成し遂げたそうです。この話しは何故か小泉元首相の靖国参拝と結び付きます。小泉元首相強引な構造改革路線を突き進みましたが…、中国戦略を重視しませんでした。その為にボルボやフォルクス・ワーゲンに負けたのです。GMにも日本は負けていますね。あの当時に、無駄ないがみ合いをせずに中国と仲良くすれば、日本の建設会社が活躍できる素地があったのに残念ですね。別に僕はアメリカ嫌いで親中国派ではありませんよ。株が上がって欲しいだけです。
岡田さんの推薦で前原氏が外務大臣に就任し、前原氏は馬淵氏を大臣に押したとか…。でもこの背後には米国の情報戦略が垣間みれます。昨日の朝日新聞の報道を受け、当日に前田主任検事が逮捕されました。証拠の改ざんは恐い話です。今回は明るみに出ましたが分かりませんね。何処に実体があるのかどうか…最近の僕は新聞も色々読み合わせ、日本の新聞だけでなく海外も読み、ネットの報道も見て判断するにようにしています。画一化教育を受けているからテレビや新聞が正しいと思っていますが、株をやっていると騙されることが良くありますから、どうしても裏を取ろうとしますね。情報操作は必ず行われていると…情報操作を前提に考えて新聞などを読むようになりました。

投稿者 kataru : 2010年09月22日 19:55