今日の市況(2010年)(2010年09月17日)
今日は相場が強いから少し弱気の発言を…
WSJに野村證券金融経済研究所投資調査部のレポートが掲載されていました。
『足元の株価低迷も、いずれ年金ポートフォリオに悪影響を及ぼしかねないことを示唆している。格付投資情報センターの調査によると2010年4―6月期の平均収益率はマイナス5.6%で、7月以降については、おおむね0%となっている。年金不足は今後、急激に深刻化するとみられる。
われわれの試算によると、割引率の設定に使用する長期金利が現在の平均約2%前後から1.5%に低下し、今年の平均年金運用収益率がマイナス5.6%になるとすると、NOMURA400に含まれている企業の今期の年金不足額は10兆円近く上積みされ28兆4000億円になる。
さらに、この問題を悪化させかねないのが会計基準の変更だ。企業会計基準委員会は、企業に退職給付不足額を即時に貸借対照表に負債として計上することを義務付けることを提案している。現行の基準では従業員の平均勤続年数分の不足額だけを計上すれば済むため、若年従業員に対する不足額の大部分を計上せずに済んでいる。』となっています。
2012年の国際会計基準施行にあたり、制度が厳格化されます。おそらく富士通は増資を実施するのはないかと推測しています。基本的に年金債務問題は従業員の多い大企業が問題化されます。ただ既にかなりの企業は過去の積み立て不足を解消しています。しかし期末から株価の値下がりは大きく、このままで推移すると上記の推計数字になるということでしょう。基本的にデフレ政策を実行していると負の悪循環が起こります。鬱病患者が増え自殺者が多発する混迷の時代です。逆に経済が成長を続けると、人々は肯定的な考え方になり社会が豊かになります。私が清貧思想を毛嫌いするのは、そのような時代だからです。
株は、本来は上がるものなのです。
人間の本質は「明日はもっと良くなろう」と努力しますから、会社の業績が上がり株価も上がります。勿論、従業員の給料も上がり、社会全体がどんどん豊かになります。ところが日銀のデフレ政策は、通貨の価値は高めますが、人々の心は疲弊していきます。空売りをするということは、未来を捨てると同意義なのでしょう。やはり株は夢を買うものです。
株だけでなく、地価も下がると資産除去損を計上しなくてはなりません。第一四半期も、かなり額が計上されています。ここでも負の連鎖がはじまります。だから適度のインフレ状態を創設することが必要なので、日銀にはノルマとしてインフレターゲット論が囁かれるのです。その為には、銀行は貸し出し残高の増加させることが必要です。「資金需要がない」…と銀行幹部は言いますが、まるで仕事をしてない言い訳に聞こえます。資金需要は自らが作るものです。力のある企業に事業提案をするとか…。高度情報社会の構築のために各グループが未来都市の実現に向け、色んなプロジェクトを提案すれば良いですね。丸の内の三菱村の変身は、ある意味で一つのモデル都市なのでしょう。もう少し大きなスケールで事業展開をすれば、日本も変われます。その為に霞ヶ関の再開発を提案します。皇居も含め国会議事堂周辺を国家プロジェクトとして証券化して開発します。
地方ではシャッター通りになっている幽霊通りを理想的な未来都市に変身させるのです。この主体は地銀と地方の会社や役所が組んでやれば、日本は至るところで開発が起きますね。車社会を変化させる路面電車の活用とか…。介護を絡めた色んなアイディアが出てくるでしょう。だからこそ、銀行に貸し出しノルマを与え、達成出来なければ免許を没収すれば良いのです。そのくらいに目標を与えないと、既に自ら動く気力がないですね。小泉・竹中内閣のUFJ潰しは、やりすぎですね。あれが正常な検査だと勘違いしているのです。厳格な融資基準を実施し続ければ、冒険をして頑張る会社も生まれません。少し赤字になると、直ぐに融資を引き上げる銀行の貸し出し態度はやはり異常な光景です。
先ずは国がお手本を示さねばなりません。
霞ヶ関の周辺の再開発をして、その土地を担保に事業を証券化して利回り水準を5%~7%程度に設定すれば資金は集まるでしょう。新しく出来る建物に各省庁は家賃を払います。余った部分は住宅として販売しても良いし、賃貸でも良いですね。売った土地は借金返済に充てれば良いのです。財政も健全化しますね。
尚且つ、毎年、家賃を払うから効率的な有効活用をする様に、役所も工夫をするでしょう。兎も角、金融セクターを動かさないと、新しい時代は開かれませんね。その為には常識的な方法で自然に変化を待っても無駄です。行動を起こす切っ掛けが必要です。それが「貸し出しノルマ」融資残が目標に届かないと免許が没収されるから、みんな必死になって融資先を作るようになります。日本全体が動くようになりますね。簡単なことなのに…。
さてゴタクはここまで…。
どの株も上昇波動に入ってきました。為替介入は底這いからの脱出の起爆剤になりましたね。もともと日本株はかなり割安の水準です。日本全体がリスク回避に動き、負の連鎖が続いていました。為替介入と言う起爆剤により、相場は反転し冒頭に述べた年金への対応の時間稼ぎをしています。ここで新政権が成長戦略を打ち出せば、本格的な上昇に変わります。果たして、銀行の貸し出しノルマを含め、日銀はインフレターゲット論を採用。政府は内需拡大へ旗振りが出来るでしょうか? 官僚政治のアジアの成長を取り込む考え方も良いのですが、FTAなどのスピードが遅すぎます。利害調整をするために時間をかけすぎですね。所詮、役人は決められませんから、責任を取る政治家が決断しないと駄目ですね。消費税も同じことです。他人の顔色など、どうでも良いのです。
株式相場も同じですよ。
多くの市場参加者は、誰かが株を買ってくれるか期待して、他人の行動を気にして自分が投資していますね。良いですか。株式投資は自分が調べて、この利益なら株価が安いから、株を買うのですね。誰が株を売ろうと関係ありません。
一例を掲げましょう。DENAは6月の高値2959円を付けた後、外人ファンドが春から利食いして売り続けました。ところが誰も、その安値の売り物(7月の2062円まで叩いた売り物)を買いませんでした。しかしDENAの実体はむしろ良くなっています。外人ファンドが利食いをしようが、関係ありません。DENAの目先の業績推移ではなく、これからの海外展開を考えれば、むしろ魅力は増していますね。1億27百万人そこそこの日本に縛られることなく、65億人を相手にする商売に変身するのです。株価が安くなれば誰が売ろうと関係なく自分の投資基準を信じて買い向います。そうしてDENAの将来性に賭けるのです。これが株式投資です。

春にマツダに投資した戦略は、何処も間違ってないと思います。為替の読み間違いです。どんどん空洞化が進んでいますから何れ貿易黒字は減りますね。それなら国内で頑張ったマツダは最後には残存者利益が生まれますね。これが道理です。まぁ、トヨタのカローラ移転の後でしょが…トヨタは戦略が遅いですね。だから株価が一時的にせよ、ホンダに抜かれました。トヨタは雇用を守ることも大切ですが、構造転換することも株主に対する使命です。一度、転換できれば新しい時代が開けます。まぁその話は、兎も角、マツダは為替の影響を一番受ける車の会社ですから、為替介入が実施された今は、株価が一番上がるのが道理です。自分で構造を考え、自分のシナリオにお金を投じます。他人の真似をする投資なんか…株式投資ではありません。「一買い二やり」の投資は何も生みません。

投稿者 kataru : 2010年09月17日 19:06