今日の市況(2010年)(2010年09月09日)
街角景気と言う内閣府が調査している資料があります。
毎月下旬に行われる全国のアンケート調査です。基本的に人間の感情が景気動向を決めますから、この調査指数は景気の先行指数になります。鉱工業生産指数と並べますから景気指標の実感が分かると思います。そんなに気にする数字ではありませんが、8月の調査は前月から落ち込み幅が-4.7と少し大きいのですね。この数字は実体景気にあとから影響します。きっとDIの方向性が問題なのでしょう。

このグラフを見ると二番底説を裏付けるようにも見えるし、そこまで考えるのは考え過ぎだとも読めます。先月は機械受注の数字は回復し、景気はそれほど急激に落ち込まないとは思いますがエコカー減税などが廃止になり、ドイツの例では3割、車の売れ行きが落ち込んでいます。しかしドイツと同様、日本も中国などのアジアの成長の恩恵を受けますからね。今日の新聞も、いすゞがタイで100億円の増産設備投資をする話題でしたね。マツダは中国で、先月は35.8%増も車を売ったと言いますから…。
この円高は、今日も止まりませんね。
何処で為替介入をするのでしょう? 本当に介入を成功させたいなら、一度、ドルを思い切って売って円を買うのです。80円を割れるまで、全部の円の売り物を買います。何処かで壁が厚くなりますから、今度は思い切って円を売ります。目標は90円前後まで…このように大きな振幅が目先筋を全滅させます。そうすれば当面は悪戯できなくなり、為替介入は単独でも成功するでしょう。一番まずいのは、チマチマと円を単純に、ただ売ることですね。さてお手並み拝見です。
今日の相場は円高の割りに株が高くなっていました。珍しい現象ですね。今までは必ず円高局面では、株は売られていました。このような動きは、普通、相場の転機の兆候として押さえる事になります。果たしてそうなるか…、はたまた願望のままか。相変わらず市場の動向は目先筋だけです。一般の市場参加者が非常に少なく、目先筋ばかりの市場なので動き出したら出来高が大きく膨らみますが、直ぐに売り場に転換します。そうして引けには相場が保たれずに壊れるイメージですね。だから上を買う場合は、独り舞台を覚悟で買わなくてはなりません。故に、腰をすえて相場をするなら、現物の沈潜しかありません。目先の鞘を抜こうなんて…、安易な考えだとプロに負けます。

僕は何故、いつも上を買う必要はないと述べているかと言えば、こういう事なのですね。例えばDENAをみて下さい。右肩上がりの上昇波に位置していますが、微々たる歩みですね。コマが多く実線は短いです。強弱観が対立している構図とも見えますが、目先の売り買いが多く、買ったら直ぐに売る人が参加しているのでしょう。どんどん市場は閑散として行きます。この元凶は板ガラスなどの増資です。自社株買いを実施するのは、大企業ではなく小さな会社ばかりですね。株主軽視を継続すればUアローズのように第三者に株式を集められ、あとの高値水準で株を買い戻す破目になります。

そろそろ10月が意識されています。今日は住友信託のように期日に負ける銘柄も出てきています。通常、相場が強いと高値期日を迎えに行きます。だからこの時期に、株価が上がって来る会社には注意が怠れません。今年は多くの銘柄が4月高値です。通常は信用期日1ヶ月前の、今・来週は一番嫌な展開なのでしょう。
さて昨日はトヨタが日産に、生産基地移転のノウハウを聴きに行っているとの新聞記事を紹介しました。世界でも同じことが起こっています。ダウ工業株30種平均の採用銘柄のうち、売上高の海外比率が最も高居10社は、来年にかけて売上高が平均8.3%増加すると見込んでいる。対照的に、海外比率が最も低居10社が予想する売上高の伸びは平均1.6%に過ぎないと言います。日銀総裁が空洞化現象を奨励する国ですからトヨタも日立も雇用を気にせずにグローバル展開を加速させれば良いのです。トヨタのカローラが生産を移転すると転機になるかもしれませんね。
需要ギャップを埋めるデフレ対策の一つは、効率化経営を実施して、日本の生産設備を破棄してアジアへ移転を加速化させることでしょう。経営者は意地を張らず、雇用を守ろうと頑張ろうとすれば、するほど、構造転換に遅れるだけですね。頑張らなくて、のんびりやれば良いのでしょう。人生は我慢しないことの方が、意外に正しいのかもしれません。石の上に3年と、昔から辛抱を強いられてきましたが、失われた時代が20年も続くと努力をして辛抱すればするほど、馬鹿を見る世の中かなぁ~。先日の朝日新聞の日本を捨てて中国に向う若者の話はやはりショックでした。
かたる君、実は1992年にある方から「ご苦労さん、今回は根が深く、回復まで時間が掛かるから田舎に帰りなさい」と諭されています。あの時に決断をすれば、20年の時間が無駄にならずに、何かを成し遂げられるかも知れません。何も証券マンをしなくても良かったわけです。一所懸命に支えようと買いで努力するより、売ればよかったのですね。まるでトヨタと日産に違いをみているようです。雇用を支えようとする日本人特有の美意識が、外人の経営者のゴーンさんに、結果として劣るのですね。最近は詐欺まがいの増資の連発をみて呆れています。
先程、ロイターのアンケート調査を見たら僅差で菅氏が有利でした。果たして、どちらが首相になるのでしょう。仮にかたる君の応援する小沢氏がなったとしても、世論を誘導するマスコミの論調は厳しく、アンケート調査の支持率は問題化されるのでしょう。このような予想される逆境をおして立候補した小沢氏は、菅氏と選挙前に会談をしており、やはり密約があるのかな?とも考えます。株屋はいろんな事を考えますね。小沢氏が総理に選ばれたら、候補銘柄を、どれに絞るかとか…。まぁ、どっちにしても、業績動向が問題でしょう。来週は四季報が発売されますね。目先銘柄ではなく好業績銘柄を…選択しましょうね。

投稿者 kataru : 2010年09月09日 18:15