今日の市況(2010年)(2010年09月06日)
先日来、話題にしています債券金利が急騰し、本日は1.19%となっています。考えられるのは銀行の決算対策か、小沢政権誕生によるばら撒き財政悪化懸念でしょう。この金利上昇は株価にとって悪くありません。本来なら借り入れ金利が上がり、経済が停滞するとの考え方もありますが、基本的に日本国の産業は借り入れ度合いが少なくなっています。だから金利上昇による弊害は少ないですね。バブル崩壊以降、厳格な金融庁の査定により銀行は不良債権を抱えていません。むしろ清貧思想が行き過ぎて、本来なら問題ない融資まで規制するぐらいの厳しさですから…。

これから考えられる懸念はスタグフレーションですが…現状ではこの読みは早すぎますね。運用先に困った地銀が、目先、多少の評価損を抱えている程度でしょう。ここではむしろ、株売り・債券買いのポジションの見直しが起こり、株式にはプラス効果だと評価しています。株式はSQ前のポジション調整が起こっている可能性が高いのでしょう。本日はクレディー・スイスの買戻しによる一手買いにより、先物主導の株高が演出されました。日経225では210銘柄が値上がりになりT&Dホールディングや明電舎、シチズンが上位銘柄でした。
確かに先物要因が大きいのでしょうが個別株も賑わいだしてきましたね。好業績銘柄中心に下値から1割程度の上昇をしているようです。どの銘柄もそうですが、下値が堅くなり下値切り上げ型が多くなっています。25日平均の騰落レシオも99となり、株価も上昇しやすい位置になっています。まだ弱気筋が多く株価に信頼が戻りませんが、二番底回避の観測が起こり始める時期でしょう。EMS(受託生産)の陰りを強調している株式市場ですが、既に二番底を完全に株価は織り込んでおり、二番底があってもなくても下値は乏しいのでしょう。それならば上に行くシナリオに賭けるのが筋でしょう。

ただ、まだ弱い動きは事実で、株価の高値を買う投資家は少ないですね。だから独り舞台になるので、慌てて上を買う必要はありませんね。チャート上の分岐点になる位置では、現物で沈潜をすれば良いのです。やがて売り物は薄れ、次第に株価は上を向きます。下値で大量に玉を仕込めば、先行き株価は売り物ゾーンと思われても、面白いほど株価が上がるようになります。つまり玉の吸い上げ作業が大切なのです。目先資金ではなく中長期に寝かしておく資金ですね。
今日は日経ビジネスの記事からご紹介しましょう。
DMP(デジタルメディアプロフェッショナル)と言う会社が紹介されていました。この会社も組み込みソフト関連のようで、3Dにかかわる画像処理の技術を有したベンチャー企業です。日本政策銀行が増資を引き受け技術力は評価されていましたが、なにぶんベンチャーですから実績がありません。大手企業は技術力に関心を示しますが、多くの場合は実績を聞かれ成約に結び付きません。ところが、この度、任天堂にこの画像処理技術が採用されたようです。
この話で何を言いたいか、ピンと来る人には分かると思います。
小さな会社が大企業相手に取引を作るのは、大変だという事を言いたいのですね。この技術は2006年に完成していましたが、なかなか実際に採用されなかったのです。今では超有名企業で世界的な会社になった青色発光ダイオードの日亜工業も、最初は徳島の小さな会社でした。中村修二氏の開発により世に出るのですが…。日亜は今では従業員が5000名を超える大企業になっています。
株式投資はある意味でロマンですね。夢が実現すれば大きなリターンが得られます。今では大企業に成長したトヨタもパナソニックも、昔は小さなベンチャー企業だったのです。トヨタなど資金繰りで倒産の危機に遭遇し、その時に三井銀行が助けてくれました。だからトヨタは三井には恩義がある筈ですが…。前回の金融危機の時には増資要請に応じませんでした。企業の歴史を考えると、面白いものです。今では小手川君の成功で、短期売買が主体になりましたが…投資方法も色々あると考えます。かたる君は、本来、成長株投資が大好きです。まぁ、その為に失敗も多く痛い目にあっていますが、やはり懲りませんね。

投稿者 kataru : 2010年09月06日 18:55