今日の市況(2010年)(2010年08月27日)
米国では景気の二番底の話題が論争を呼んでいます。
先頃、発表された中古住宅販売件数や、本当は雇用統計数字が問題にされますが最近は失業手当の申請件数なども話題にされています。今晩はGDPの改定値が2.4%から1.4%と修正発表されると…、市場では話題になっていました。もっとも、そんな話題より、白川さんが向かわれたバーナンキ米FRB議長やトリシェ欧州中銀総裁が参加するカンザスシティ連銀主催のシンポジウムの方が、注目度は高かったかもしれませんね。
弱気発言は日経新聞を御覧頂くとして…
たとえばマリア・フィオリニ・ラミレス社長は、「米景気は二番底をつけるのだろうか。今のところ、答えは「ノー」である。筆者は今年の成長率は2%以下、今年第4四半期(10~12月期)の成長率は約2%とみている。この見通しは素晴らしいとまではいかないが楽観的と言えるだろう。だが、いずれかの四半期の成長率が非常にさえない数字になれば、通期の成長率がマイナスになる可能性は大いにある。そうなれば景気が二番底をつける懸念も高まるだろう。」と述べています。
更にエボリューション・セキュリティーズのイアン・ハーウッド氏は「二番底の懸念は無用であり、グローバル経済は驚くほど力強い回復基調を維持するだろう。こうした背景から世界の貿易は引き続き拡大し、最高記録を塗り替えると予想される。」と述べています。更に国際通貨基金(IMF)のリプスキー筆頭副専務理事は、「力強い企業利益と所得の緩やかな伸びにより米経済は二番底に陥る事態を回避する」との見通しを示したと伝わっています。
株価が上げるのは簡単なのですね。
デフレを克服すれば良いのです。要するに輪転機をフル活動させ、お金を市場にばら撒きます。日本では菅総理が円高経済対策を、今夕にも発表すると市場に伝わり、後場からショートカバーと思われる買いが入り、今日は久しぶりに株価が高くなっていました。

なんと、驚いた事に債券が急落していました。
先頃、0.9%を割れした長期国債のことが話題になりましたが、今日は、なんと1%に復帰しましたね。0.1%も1日で動くなんて信じられません。実は2003年の株価は、債券金利が底値を付け株価は金融株を中心に上がったことがあります。基本的に債券と株式は逆相関関係にあります。株が上がれば債券は下がります。逆に債券が買われるような時は、株式が売られるときですね。大きな流れは、債券相場の波動を見れば容易に判断が付きます。債券が少しぐらい動いても今日の銀行株は反応してないから転機ではないでしょうが、この動きは考慮に値します。
さて今日の市場は「りそな」ぐらいのものでしょうか?
1989年からのバブル崩壊の過程で起こった不良債権処理の為に、国から借金をしたのですね。驚くことは、まだ返済が済んでいないのです。21年です。失われた時代の象徴的な株でしょう。まぁ、他にも新生銀行など公的資金が返済されていない銀行があります。今、米国ではゾンビ企業と呼ばれ、政府の管理下に置かれたフレディマックやファニーメイなどの住宅貸付抵当公社の処理方法が再検討されていますね。

デフレをインフレ型社会に変えれば良いのですが…何故、これほどまでに日銀は拒むのか…やはり財政問題を考慮しているのでしょうか? 私が消費税の引き上げを容認し、国債発行を減らすべきだという考え方に変化したのは、財政赤字の返済の道筋が立てば、日銀はデフレ政策を転換すると言う読みも背景に存在します。つまり意図的に日銀はデフレ政策を堅持しているという疑いもあります。株屋は本当にいろんな事を考えますね。昨日かな?小沢一郎を応援すると述べましたが、株価が上がるなら誰でも良いのです。兎に角、異常な経済状態を正常化にして欲しい。実に簡単なことなのですが…何故、行動を起こさないのでしょう。不思議な国だなぁ~。

投稿者 kataru : 2010年08月27日 19:09