未来かたるが語る

今日の市況(2009年)

今日の市況(2010年)(2010年08月23日)

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最近の私が感じる弱気な材料といえば、経済指標や為替ではなく「大手米銀4行が、政府管理下で経営再建中の住宅金融公社2社から買い戻しを余儀なくされる住宅ローン債権の処理費用は最大420億ドルに上る。」と言う格付け会社フィッチ・レーティングズが発表した報道です。ゴールドマンサックスとSECが和解し制裁金を支払えば解決と思っていましたが、今度は訴訟の問題が起こっていると言います。米国の地銀は貸し出しリスクをおそれ厳格な査定をしており融資残が伸びないという貸し渋りの話題があります。この背景は金融機関を虐める動きが背景にあります。日本のサラ金業界と同じような環境が世界中の金融界で起こっています。簡単な話し、銀行を虐めると利益が減りますから、リスクが採れずに貸し渋りになります。この心理的な影響が信用乗数で広がるのですね。

オバマ大統領の主張は正しいけれど、本当に国民生活を考えるなら、悔しいけれど目をつむるべきでしょう。むしろ金融規制は追い風の時に実施すべきで向かい風の時にやってはならない政策です。丁度、株を安値で投げるような政策です。今の日本株は、何故、ここまで売られるのでしょう。明らかに異常な株価ですが誰もが認識しているのに、株が下がるから買わないのです。普通、同じ製品なら安い価格が売れるはずなのに…株だけは不思議ですね。先週末現在東証一部市場でPBR1倍以下の銘柄数は1160となっており上場社数は1670ですから割合は69.5%あります。日曜日に掲げたPBR1倍割れの比率は株式の体温計とも言えますね。

危機的な状況なのに…総理と日銀総裁の会談は電話に変更され、僅か15分間の電話だったそうです。何のために会談したのでしょう。わざわざ発表して意図があったのでしょうか? 既に市場は期待感とか…そんな生ぬるい手段ではかえって逆効果にしかならないでしょう。市場と言うものは必要な対策が出るまで求め続ける悪餓鬼ですね。良く子供が大きな声でワイワイ泣いてお母さんから「あれを買ってよ」とわめいている光景を見ますが、あんなイメージです。買ってくれるまで泣き続けるものです。

市場経済では…自己満足では駄目なのです。これだけの金融緩和をやったら市場は反応する筈だ…と言う独りよがりの政策では意味がありません。政策とは市場が予想通り反応してこそ政策効果が発揮できたのです。常に市場と政策の綱引きなのですね。市場が暴走したら、引っ張り返さないとなりません。そのタイミングを逸したのがリーマンなどの金融危機です。適切な時に思い切った行動に出ないと綱引きに負けてしまいます。一度、負けたらズルズル引っ張られますね。踏ん張る時はふんばらないと…なりません。

株価もそうですね。株価波動が方向転換する時は、出来高面が膨らみ変化が現れます。株価なんかどうでも良いのです。株価が上がらなくても出来高が増えれば誰かが買っているのですね。問題は上がっている時は出来高が膨らみますが、休んでいる時にも出来高が落ちなければ、また上がり始めます。その繰り返しがだんだん輪となって広がり大きくなっていくのです。最初は僅かな参加者ですが、徐々にその会社の魅力が明らかになるにつれ参会者が増えます。要するに人々を魅了する魅力があるかどうか…。例えば子会社ではどんなに好業績でも株価は大きく育ちません。だから子会社など投資の対象になりません。日立化成、日立金属が良いと言いますが、所詮、日立の子会社です。

人々を魅了する魅惑とは…何か?
ワクワクする心ですね。この材料が本物なら、この製品が売れ始めたら…この技術が製品になったら…。そのような革新的な技術が誕生する時、社会に貢献しないとなりません。例えば省エネです。その会社も儲かるかもしれないが、人類の生活が豊かになる。そんな大きな夢がないとなりませんね。それも無限に広がる夢です。この夢が実際に利益となって業績に現れる時に株価は大きく上がります。1兆円の売上げを誇る会社が画期的な技術を開発しても株価面において面白くありません。何故なら、その技術が広まっても株価は大きな変化をしないからです。ところが売上げが10億円の会社なら、100億円、1000億円、1兆円と夢が膨らむから投資家はワクワク観が沸き立ち株価も人気になります。

かたる君は、だから新興株が大好きです。逆に大企業が増資をするような行為は市場に対する背任行為ですね。大企業は市場に育ててもらったのです。大企業が融資を求めれば銀行はいくらでも貸してくれます。あるいは社債を発行することも出来ます。しかし新興企業は銀行もお金を貸してくれませんね。だから直接金融の株式市場で増資を実施して、その資金を使って更に業績を伸ばせば良いのです。大企業は自社株買いをすべきですよ。任天堂などは株価も下がり、しかもキャッシュで7478億円もありますね。時価総額が3兆3405億円だから5%程度1500億円程度は、自社株買いを実施しても良いですね。

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日本でもM&Aをする時に自社株を使った株式交換が出来るようになります。今は景気の動向が不透明だから設備投資は難しい。よってキャッシュを株主に還元すべきでしょう。株価が安いし買い手が乏しい市場なので、自社株買いはもっとも良い手段でしょう。米国でもアップルやグーグルは豊富なキャッシュの使い道を問われていますね。最近、ようやくM&Aが復活しそうですが、時間を買うにはM&Aが一番効果的です。

今日の新聞からは井関農機の話題です。僕は知らなかったけれど、7月20日のニュースリリースで中国の東風汽車と農機の合併会社を作りましたね。50%の折半会社だそうですが…。普通なら市場の話題になる材料でしょう。こんな市場環境だからワクワク感が大きな夢のある銘柄に取組んで行きたいと思っています。大きな夢に向って株式の買い増しだけを念頭に頑張ろうね。

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投稿者 kataru : 2010年08月23日 19:47