今日の市況(2010年)(2010年08月11日)
それにしても…かなり心理状態が弱気に傾いてきました。
今日は東証一部の値上がり銘柄数が71銘柄で、値下がり銘柄数はなんと1564銘柄だと言います。昨日も1135銘柄の値下がりなので超弱気心理状態なのでしょう。動かない日銀に対し、FRBはMBSの償還金を長期の財務省証券に再投資するとコメントしていました。量的緩和姿勢を切り札に残し、景気に配慮を示したFRBの姿勢なのでしょう。いつでも、さらなる緩和政策を採用しますという意思表示なのでしょう。このコメントの為かどうか分かりませんが2年物の米国債が過去最低の0.49%まで買われたそうです。

この報道を受け日本も再び1%の攻防まで債券が買われ、円高・株安の仕組み取り引きが働いたようです。今日は先物だけでなく個別株でも、久々に急落状態になってきましたね。売り方にとってはユーフォリア状態なのでしょう。米国などの先進国の状態は、日本を追いかけているわけで、日本はデフレ経済を世界に先駆けたリーダーです。やはり中国など、新興国の経済圏に近いために影響が他より早く大きいのでしょう。先進国と新興国のギャップを埋めるために空洞化現象が起こり、この水の流れが完全に行き渡るまで、この動きは止まらないのでしょう。現在の日本は第二波到来ですね。日産のマーチは良い事例の一つでしょう。2006年3月に派遣法の改正を決めグッドウィルを倒産させる選択をしました。だから再び空洞化が加速します。硬直化した労働政策が生んだ就職浪人騒動です。
2003年に小泉・竹中の構造改革で抜け出し2004年3月に労働者派遣法改正してから僅か2年で転換です。そんなに雇用の流動化はいけないことかな? 終身雇用や年功序列が成立した「古きよき時代」への憧れの揺り戻し作業ですね。規制による内外価格差が終身雇用などの雇用を支えていましたが、ニトリやユニクロなどを代表とする情報化の波が社会構造を変えました。まだ米は自由化されていませんね。この辺りが次の時代の一つの象徴的な事例になるかもしれませんね。当然、EPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)は避けて通れませんから、時間をかけてやるより思い切って推進すれば、一気に世界経済の壁がなくなり株価は上がるでしょうね。でも政治家には決断力がないし、マスコミが真実を伝えないから、国民の意識レベルは消費税程度のものでしょう。
三ちゃん農業の残留組は既にごく僅かなのだから、早くFTAやEPAの締結を急ぐべきでしょうね。中国のGDPは確実に上がっています。7月のCPIが発表され3.3%の上昇だとか…。補助金対象の小さな車は、在庫が150万台とか言われていますが、ドイツのBMWは2010年の上半期、なんと前年度比98%増の売れ行きで高級車の売れ行きは落ち込んでないそうです。少し難しいですか?こんな書き出しは…。皆さんは個別銘柄の話の方が良いのでしょうかね? でも大勢観は重要ですからね。米国の2年債の金利のグラフの意味は理解できますよね。

バロンズには…「マイクロソフト(MSFT)、インテル(INTC)、オラクル(ORCL)、IBM(IBM)、ヒューレット・パッカード(HPQ)の今後12カ月間の利益予想に基づく株価収益率(PER)は、いずれも全市場平均の70%~90%にとどまっている。少し前まで、10年以上にわたり市場平均を大きく上回っていたのとは対照的だ。合わせて数百億ドルに上る保有キャッシュを考慮すれば、5社の割安感はさらに際立つ。」となっています。
おかしいですね。スミダコーポレーション6817の1株利益は増額修正されて114円ですが、株価657円と…連日の安値更新です。鬼怒川ゴム5196は、なんと1株利益が再増額修正され64円以上だとか…、にも拘らず株価は下がり362円ですからね。つまりこれらの現象を正当化させるためには、既に景気は二番底確定で、年末はマズマズだが来年はもっと悲惨な景気後退が決定でないと株価の説明はつきませんね。まぁ、昨日も話しましたが、当事者能力のない市場だから投資家は呆れて撤退したのでしょうが…。それにしてもこんな経験は初めてです。でもあんまり心配はないでしょう。為替の動き次第で相場は悪抜けするかもしれません。ヒントのグラフを一つ掲げます。


投稿者 kataru : 2010年08月11日 19:22