未来かたるが語る

今日の市況(2009年)

今日の市況(2010年)(2010年08月10日)

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嘗て、日本の金融危機の時に、米国は「飛ばし」が存在すると言っては問題化し、公的資金で支えるとゾンビ企業はつぶすべきだと日本を批判しましたが、今のアメリカの現実はフレディーマックが再び赤字転落して、公的資金を申請していると言います。自分たちは許されて日本は駄目なのかな? 考えてみると国際ルールと言うものも、実にいい加減なものですね。所詮、ルールは変化するものなのでしょう。

中国では自動車販売が大きく減速し始めたそうです。
7月は前年度同月比で14.4%増だったそうです。ただ総体的な数量は124万4千台だそうです。1-7月の累計は前年比42.7%増で、累計では既に1026万台と1000万台を突破したと言います。各社値引き合戦を仕掛けているとか…。日産の「ティーダ」は実質1割引だそうです。その日産の7月は3.7%増の55100台の販売で1-7月の累計は386000台、トヨタは0.9%増の64200台で合計は426600台、ホンダは11.9%増の56700台で、366300台でした。マツダは健闘しており32.9%増の17800台で、124400台だったと言います。

同時に中国の貿易収支が発表されており、7月の貿易黒字は287億ドルで6月の200億ドルを上回り今年に入って最大だそうです。昨年7月は106億ドルだそうで今年は2.7倍になっているそうです。「元」の上昇圧力が高まりそうですね。一方、日銀は相変わらず、金融政策会議は様子見です。早速、みんなの党の中川秀直、山本幸三、渡辺喜美衆議院議員は10日、3氏の連名で日銀の白川方明総裁に対し、早急に公開討論会を設定するよう求める文書を送付したそうです。同文書によると、3氏は「わが国経済の置かれた環境を一顧だにしない無策と判断している」と批判。その上で「(討論会の)日時、形式は日銀の意向を尊重する。遅くとも、次回の政策決定会合までには必ず開いていただきたい」としていると報道されています。

確かにデフレ対策は、日銀がお金をジャンジャン刷れば良いわけです。
バロンズもFRBに対し「紙幣をどんどん増刷せよ」と量的緩和策を訴えていました。一度、デフレの罠に陥ると、日本のようにひどい現実になります。成長魂を失った後ろ向きな国民の誕生です。若者は身体とのギャップが生まれ、当然、鬱病患者が増えますね。本来、若者は前向きで行動的ですがデフレ社会はその行動を拒む構造ですからね。名目でなく実質で物事を計っているようじゃ仕方ありません。これじゃ、株を買いから入るのではなく、売りから入る若者がどんどん増えますね。しかし証券市場の仕組みで信用取引は多くの人が出来ません。したがってお金は動かなくなります。中国は確実に資産価格が上がっているから元気なのです。下は中国の不動産価格の推移です。

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まぁ、理屈を言っても仕方がありません。
さて本日の市場は決算銘柄が、若干、賑わうぐらいで出来高も少なく閑散な市場です。目先資金が動いているだけで、なかなか株価が綺麗に上がりません。増収・増益でPERが10倍以下の企業もかなり存在します。機関投資家はデフレ社会に慣れ、株などの資産を売り、国債などの債券を買っているだけなのです。外人投資家に期待が移りますが、此方も金融危機の痛手からなかなか復活できません。

本日の売買代金のトップは、発行済み株式総数の55%もの株券を新たに発行した国際帝石です。現在、必要もない資金を集めるとは…よく取引所が増資を認めたものです。今回調達した5000億円強のお金の使い道はオーストラリア沖の「イクシス」やインドネシア沖の「アバディ」の大型の液化天然ガス・プロジェクトにあてるそうです。しかし今年5月にイクシスの最終投資決定を1年先送りし、しかも生産開始は2016年の話し。実際に資金需要が起こるのは2013年以降、先の話しなのです。まだ3年も先の資金計画だそうです。こんな増資は詐欺と同じです。

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売買代金2番目は野村證券ですね。2度の増資を実施して6700億円も資金を集め、僅か500億円を使って自社株を買うのだそうです。発行株式総数に対し2%です。これも詐欺ですね。高値で増資をして安値で買い戻す。568円で発行し519円で買い戻しか…。自社株買いをするなら、初めから増資額を減らすべきです。営業キャッシュフローが毎年赤字の会社が、よく大型増資を認められるものですね。

2社とも論理的に考え、おかしな経営行動です。
証券界にはモラルがなくなったのかな? それを認める金融庁もグルだから…仕方がない。3年も先の増資を認め、要らない資金の増資を認め、どうやって末端証券マンはお客様に論理的な株価を説明できるのでしょう。双日でMSCBを最初に手掛けたのも野村證券です。腐ってもタイだと思っていましたが…僕の感覚がおかしいのかな?

なんだか悲しい市場です。みんなが呆れて売買代金はどんどん減り、投資家は株から離れ、東証の地位が転落していきます。こんなことでは、まもなく韓国市場に追い抜かれますね。愚痴は言いたくないけれど、真剣に市場を考えて欲しいな。大企業は現金を貯めないで、どんどん自社株買いを実施して、新興株はどんどん増資をしましょう。そうすれば日本は活況になります。頑張れ!新興市場。

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投稿者 kataru : 2010年08月10日 17:23