未来かたるが語る

今日の市況(2009年)

今日の市況(2010年)(2010年07月30日)

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4月からの下げの要因だったギリシャ危機を始めとするユーロ通過体制の歪みは、欧州のストレステストで回避されたようです。でも市場と言うのは勝手なものですね。理由のない材料を投資家に信じさせ、マスコミなどをコントロールして株価を操るのです。

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1897年に創業された名門の山一證券は1997年に自主廃業と言う形で倒産を余儀なくされました。当時、山一證券の負債額は3兆5000億円だったと言います。そうして、その後、全て清算して実際に失ったお金は僅かに1111億でした。実に債権の回収額は97%だったと言います。

何故、大蔵省は僅かなお金で山一證券を自主廃業に追い込んだのでしょう。不思議ですね。切っ掛けは簿外債務があると言われ「飛ばし」が指摘されていました。しかし今回のウォール街の名門ゴールドマンを初め、JPモルガンなど米国の大手金融界は同じ事をしていたと指摘されています。ある報道によれば、金融危機のリーマンの約6000億ドルの負債で回収された金額はたった9%で、残りは損害になったと言います。山一は97%の回収です。わが国の政策担当者には、人が居ませんね。現場の声を押し込めて偽物の政治家や官僚が現場を仕切っているからでしょう。

パナソニックの三洋電機のTOB価格は138円だと言います。
えっ? 正直に驚きました。
確かに三洋電機の財務内容は悪く現状では、妥当な計算価格なのかもしれません。しかし…市場価格を無視するTOB価格は、パナソニックの評価を損ないました。ベテランの先輩は、前から松下はケチだからこんなものだろうと言っていました。しかし私は子会社を完全吸収する形は、好ましいやり方だと考えていました。しかし一般消費者を相手に商売するパナソニックが、ファンである株主を裏切る行為です。私は市場原理を無視するパナソニックの製品を今後、買わないでしょう。下のチャートは近年の三洋電機の株価推移です。138円ですからね。

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本日は同時に日清製粉がオリエンタル酵母2891とNBCメッシュテック3534のTOBを発表しています。前者は市場株価法で408-440円、類似上場会社比較法648-869円、DCF法747-887円とされ、昨日の株価は408円でしたがTOB価格は800円です。後者は市場株価法710-773円、類似上場会社比較法1068-1518円、DCF法1263-1476円でTOB価格を1395円にしたそうです。

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一方、三洋電機は市場株価法で112-138円、類似会社比較法46-85円、DCF法で113-233円となっており138円でTOBです。(どんな類似上場会社を選んでいるか発表していません。)

市場主義の株屋として、やるせない思いがします。
三洋電機は人気株なので、多くのお客様が保有しています。私は一度も薦めた事はありませんが…市場関係者として市場価格を無視した行動は許せません。さてゴールドマンサックスはどうするのでしょう? 三洋クラスの敵対的TOBになると、1兆円を超える額になる可能性があり大手金融機関が手助けしなくてはなりません。三洋を買収する候補は、中国のハイアールなどクラスなのでしょう。台湾メーカーの大手ファンドリー、韓国企業のサムソンなど…限られた会社でしょうが動かないかな? 新たな買い手が現れれば市場関係者として嬉しいのです。138円の20%で敵対的な買収を仕掛ければ、パナソニックは応じざるえないのでは…。何しろ、自分が付けた価格以上の買い手が現れ、138円は一般大衆を相手にするTOB価格ですからね。今後の動向が注目されます。

前回の買い取った131円の対象は、特定のプロを相手にするTOBです。しかし今回は市場から株式が消え、しかも一般株主が相手です。あの当時より業績も良くなり見通しが立っているし…私は高くても良いと考えます。パナソニックは160円でも良かったんじゃないかな? 出来れば180円と私は考えますね。それならば市場関係者から、あまり批判の声は出ないでしょう。市場価格を逸脱している今回のやり方に反対表明です。私が株屋のうちは、二度とパナソニックなんかの製品は買いません。逆に明日は日清製粉の粉を買って、お好み焼きにするかな?

前回の公募増資価格を下回ったまま1年も経たないのに、また公募を手伝う野村證券のモラルは何処に消えたのでしょう。市場に背を向ける証券会社か…。自分たちさえ良ければ…市場なんか、どうなっても良いのでしょうか? こんな会社は消えたほうが良い。氏家体制が問題なのかどうか分かりませんが、私には益々、悲しい証券界に成り下がった印象を受けるばかりです。その野村はリーマンの買収効果も発揮されず、たったの23億円。市場の売買は個別株の賑わいが消え、インデックスばかりの動きになってきました。豊かさが消えていく証券界か…。何故か、寂しさを覚えるばかりです。

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投稿者 kataru : 2010年07月30日 19:38