今日の市況(2009年)(2009年10月05日)
米国では予想外の雇用統計の数字でしたが、事前にGSなどによる引き下げ観測があり株価への影響は軽微でした。順調に改善してきた非農業部門雇用者数の減少幅が8月の20万1千人より悪化して26万3千人なり、失業率も9.8%となりました。しかし今年1月には74万1千人も減ったのに比べれば改善しているのは事実ですが、失業者数は遂に1514万に乗りましたね。しかも失業期間も26週間と増えています。

一方、車の補助金時限政策が切れたドイツでは9月の数字発表があり、前年同月比で21%増の31万6千台の新車登録があったそうです。ドイツ自動車工業会は補助金政策の反動による需要減懸念が払拭されたと指摘したと伝わっています。何故、このことが重要かと言えば、二番底懸念はこのような需要に影響されるからですね。V字型回復と言う見方は少数派ですが存在しまだ結果は分かりませんね。半導体価格も好調に推移しています。

一方、国内市場は外需依存の半導体関連株に利食い売りが出て、総じてハイテク株は安くなっていました。野村證券の公募株価が568円に決定され、増資による売り需給が消えた為か、金融セクターの株価は総じて高かったようです。為替はG7を経ても、依然、ドル安に推移しています。今日はオリンピックの結果発表を受けて建設株は総じて安く、ブラジル開催から川重などの鉄道車両メーカーの株式が買われていました。
野村を巡った公募増資に対する見方は二分されています。
損失補てん懸念がある一方で、米国への投資銀行部門の補強など前向きな見方も存在しますが、払い込みが済んでからビスタニュースで書いたかたるの見方を発表したいと考えています。民主党政権に対するマイナス面もあるのですが、基本的に日本は構造改革を避けては通れません。現実は4人で一人の年金生活者を支えており、もう直ぐ3人に一人の時代が来るからですね。少子高齢化は現実の現象で、時間が刻々とやってきます。今は個人金融資産が国の借金を賄っていますから円高に推移していますが時間の問題なのですね。
今日もデフレ銘柄であるファーストリテイリングが好業績の発表を受け株価が高く推移していました。別にユニクロの製品が悪いとかそう言うことではないのですが、なんだか少し寂しいのです。ブランド品が日本で売れるのは、なんとなくリッチな気分になるのですが、安さを売りにする製品の会社の株が上がるのは日本の凋落を感じさせます。何故かな?この製造小売(SPA=speciality store retailer of private label apparel)は、何もファンションだけでなく家具のニトリや自転車のあさひなど…どれも株価が買われていますね。民主党政権が輸出型の製造産業より、消費を増やし内需を伸ばすと言うことはこういう事なのでしょう。日本製品であっても中国やベトナムなどで作り、日本に輸入すれば良いのでしょう。この企業モデルは衣料品だけではなく他の産業も利用できるのでしょう。
今日の新聞記事の中で興味を引いたのは「中国の設備ストック調整は軽微」と言う記事です。鉄鋼メーカーなどが首切りをしているので心配していたのですが、どうも過剰生産設備の状態ではなく、雇用の調整でないかという推測ですね。仮に過剰生産設備でないとすれば、この記事の予測どおり、早晩、中国需要は一段と需要が高まる筈です。そうなれば素材産業が調整を入れていますが、株はここが買い場になりますね。この辺の読みは難しいですね。まぁ、何より金融セクターの株価が上がることは良いことです。

投稿者 kataru : 2009年10月05日 18:13