未来かたるが語る

今日の市況(2009年)

今日の市況(2009年)(2009年09月28日)

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世界景気は順調な回復振りが確認されているのに、日本株だけが不安感を抱えているようです。背景にあるのは民主党政権への戸惑いがあるのでしょう。私のお客様の多くは自民党の支持者です。お金持ちは様子見を始めたようですね。銀行の姿勢も厳しいようです。外部環境は悪くないのに…。市場は歪な構図が続いていますね。国際優良株は新高値ラインですが金融を中心とする内需セクターには逆風のようです。本来、外需依存度の高い製造業は生産が戻り始め悪くないので不良債権も減ります。ところが予算の執行停止を含め、内需の景気刺激策が大きく落ち込みそうだと言う見方が強いのでしょう。

小泉改革は郵政民営化を旗印に、財政投融資資金の出資先である郵貯を民営化する事により国に効率化を迫りました。小渕内閣で膨らんだ公共事業投資を半分に減らしたので、地方経済は悲鳴を上げ、格差拡大を生んだと批判されています。しかし民主党は更に踏み込み気配ですね。一般会計だけでなく特別会計にメスを入れ始めている様子です。例えばガソリン税の撤廃は道路族の資金源です。この官が自由に使うことができるお金(特別会計)を民間に流すのですね。可処分所得が膨らみますから、当然、消費は伸びるでしょう。

デフレ政策も背景にありますから、SPA(製造小売)形式の企業の株価は高くなっています。「ファーストリテイリング」や「ニトリ」が好事例でしょう。これらの企業は製造拠点を中国、ベトナム、インドネシアなどにおいて生産し製品を日本に輸入をしています。つまり円高はプラス効果になりますね。一般的に内需振興はこのような小売を思いがちですが…、実は本当に内需振興が実現できるなら一番潤うのは日本の銀行でしょうね。この発想が理解できるでしょうか? 

国内消費はGDPのおよそ56%前後です。米国は71%あります。仮に10%消費をあげることが出来れば、およそ30兆円の需要が生まれますね。総固定資本形成と政府最終消費を減らし構造転換を図るわけですね。少し予断ですが社会資本整備が盛んな中国は、総固定資本形成は41%もあり、消費は僅かに36%なのです。中国の場合は輸出で儲けてこの財源を活用し、固定資本形成の財源を作っているのです。昭和30年代から40年代の日本の物まねですね。日本には個人の金融資産が1400兆円もありますが、埋もれています。効率的な運用が出来ていないのですね。このお金が動き出す切っ掛けを作ってあげれば良いのです。面白い実験が始まりましたね。

何故、久しぶりに「ワクワク感」を抱いているのか?

それは20年以上続いたデフレの閉塞感から抜け出せる可能性があるからです。前川大臣はJAL問題を地方空港の問題と重ね合わせて考えているようです。無駄な投資が更なる無駄を生み、企業が疲弊する構図を的確に捉えているようですね。このような事例は随所にあります。要するに非効率なお金の使い方を、正当化させようと官が民間に無理強いしているのが今の日本の問題点です。一般会計予算より特別会計の方が2.5倍も大きいのが問題なのです。ガソリン税の撤廃などは、そう言うことですね。

野村證券は規制の厳しい日本での営業を諦めたのでしょう。(かなり語弊がありますが…)
今回の増資資金4000億円を、何に使うのでしょうか? 米国の商業用不動産市場が悪化しており買い手が少ないようです。日経ヴェリタスではフォートレス・インベストメント・グループ(Fortress Investment Group)が紹介されていました。なんと年率25%に回る物件があるようです。4000億円のレバレッジを10倍掛ければ4兆円ですね。10%の収益で4000億円の利益を挙げられます。運用できるかどうか分かりませんが、その狙いが感じられます。本来、金融とは「アイディア」の勝負ですね。いいですか、日本の一等地である丸の内の不動産のノンリコースローンがジャンプできないのが現実です。借り換えが出来ないのですよ。東京でも10%以上に回る物件はかなりあります。少しは金融のダイナニズムを感じていただいたでしょうか?

このような夢を語る相場がやってくると良いですね。
まだまだ紆余曲折が予想され、混乱する特別国会があり、民主党政権の手腕も分かりません。しかし死んでいたかたる君が久しぶりにワクワクする躍動感を感じていることも事実です。同時に損をしているので失望感もあります。複雑な気持ちで相場を眺めている次第です。最後にテクニカル面で日経平均株を考えると株価位置は75日線上(10072円)に来ています。騰落レシオも81です。26週線は9786円ですね。1週間で50円ほど上昇しています。あまり深刻になる必要もないでしょう。

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投稿者 kataru : 2009年09月28日 17:21