今日の市況(2009年)(2009年09月25日)
唖然としたのが野村證券の増資発表です。
2度目の増資発表をするなら、前回に、もっと多くの増資をすべきで、資本政策の在り方を問われる内容だと思います。やはり僕は既に過去の人間なのでしょう。市場を育てるべき立場の証券会社が市場原理を踏みにじる行為は理解に苦しみます。理由は前回の増資です。損失の穴埋めと兼ねてリーマンの買収資金と言うのは理由が分かります。おそらく想定以上の資金が必要だったのでしょう。確かにリーマンの買収効果は、多少、出ているようです。イギリスでのシェアは上がっていますから…。しかしその増資効果が確りと出てないのに追加増資をする姿に疑問を覚えます。それなら前回、もっと精査して増資額を増やすべきだったのでしょう。なにやら市場を馬鹿にしているような印象を受けます。
私はJALの公募増資を盛んに批判してきました。
黒字化の見通しもないのに2006年7月に増資を強行したからです。その後、確かに経営環境は悪化しましたが全日空はその中で頑張っているわけで、JALのあの増資は詐欺だったのでは…と、改めて疑問を感じるわけです。野村證券に至ってはエルピーダのMSCBを引き受けし発表した後に、中止しています。その後、エルピーダは再び公募増資を実行します。しかしエルピーダは公的支援を受ける再建企業です。何故、公募が認められるのでしょう。東芝の増資もしかり…。第三者割り当てなら許せますが一般公募ですからね。どうも市場に携わっている人間として、理解できない現象が増えていますね。市場は打ち出の小槌ではありません。
市場は公正で公平であるべきですが、市場を培うべき人間が「後出しじゃんけん」をしたり、基本的なモラルが滅茶苦茶になっている印象を持つのは私だけでしょうか? アイフルが私的整理に入りましたが、あの法律も、どう考えても理解できません。金利が18%に下がるのは良いのです。法律が変わった時点を基準にすべきですね。それなのに過去に認められていた高金利を、遡って返せと言う法律が理解できないのです。今度の亀井大臣の返済猶予発言、一国の大臣が発言する言葉かな?と疑問に思います。約束したことを守るのは当たり前です。それが世の中の基本的なルールですね。サラ金規制は、法律で約束を守ることを、放棄させる内容ですね。グッドウィルもそうだし…。労働政策も二転三転し、この国の形は何処にあるのでしょう。人間の信義って何かな?
いい加減に、ウンザリする現象ばかり起こります。
これじゃ、まるで無法地帯ですね。悲しい国です。
一所懸命にルールを守って生きている人間を、あざけ笑っているようで…馬鹿馬鹿しい限りです。今日はあまり多くを語ることはありません。
米国の中古住宅販売は減りましたが、在庫は減っている様子です。今の焦点は住宅の補助金政策が延長されるかどうか…。中国のバブルを心配する声は多いですが、僕は大丈夫だと考えています。理由は政策のトップが過激な競争を勝ち抜いてきた実力者だからです。物価も大きく上がってないのに、バブルを心配するほうが異常でしょう。今の日本株の焦点は、果たして金融セクターの株価が二番底を形成するかどうか…。当面、株価の焦点は、ここに尽きるでしょう。あくまでも相場のリード役は、中国株などの新興市場なのでしょう。TOPIXの動きを強気に見れば、このラインが買い場になるタイミングに近付いています。それとも…果たしてどちらに向うのか…。


投稿者 kataru : 2009年09月25日 16:23