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今日の市況

今日の市況(2008年)(2008年10月27日)

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いやはや…大手銀行が増資を実行すると言います。まさか…と思いましたが、この株安を見るとあながち観測記事とは言いがたいイメージです。相場が大きく崩れているのは、先物からヘッジ売りが主だったものでしょうが…銀行の増資観測辺りにも原因の一端があるようです。市場経済は基本的に時価会計システムです。故に株価が下がれば売らなくても、売ったと仮定して時価評価を決算に反映させます。多くの投資家は意外感と共に、2003年という記憶に新しい金融危機を連想したようです。馬鹿な話しですが現実だから仕方ありません。2003年は不良債権処理の最終局面でした。その為に処理しなくてもよい貸し出しを、金融庁の勝手な査定で不良債権と認定され、時価評価を強いられ貸し倒れ引当金を積んだのです。あの時と違い、今回の不良債権は景気の悪化で増加傾向にあるでしょうが、基本的に取引先一般企業の多くはお金持ちです。天と地の違いがあります。今回の共通点は株安による有価証券の評価損ぐらいのものでしょう。

少し分かりませんね。1兆円近い買い物をした三菱銀行が増資を強いられるとは…。
でも日本株の急落はたしかに異常で、念頭になかったのでしょう。新日鐵などの株式持合い要請の為に評価損の計上を強いられているわけで、日本的な仕組みが、再び、問い質されています。私は前から「株式持合い行動」を批判していましたが、フジテレビ、TBS、ブルドック…まだ新しい時代を理解してない経営者が多いのですね。しかし2003年と大きく違うのは、一般企業はリッチだと言う事です。ゆとりが、かなりあります。一例を挙げると上場企業の1396社は、その企業の持っている現金で発行済み株式の過半数を買えるのです。時価総額300億円以上で負債も少なく、営業CFも黒字で、配当をしている企業など、まともな企業でも79社も過半数の株式を買えるのですよ。

例えば富士通の3月期末の現金残は5494億円、今日の株価は363円で10円配当です。この会社の時価総額は7514億円です。実に時価総額の73%もキャッシュ比率があります。こんな感じですね。だからノーリツがスティールにTOBを掛けられるのです。当たり前なのですね。ブルドックのような企業はくれてやればよかったのです。もともと余資を投資などの運用に回すのですから、狙われるのが当たり前です。必要以上の現金を多く抱え利用しないから狙われたわけですね。ソニーだって金融危機でなければ、キャッシュ比率は高いのですね。期末の数字ですが59%も現金を保有していました。お馴染みのアルプスは時価総額が902億円で、現金は期末段階で788億円です。まぁ、株価は理屈ではなく需給で動きますから…、論理が通用しない今の時勢で何を言ってもだめですが…、明らかにパニックが終れば株価は何れ戻るでしょう。

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そんなわけで…2003年当時とは、全然、意味が違いますね。加えて三菱UFJ銀行はユニオンバンカル・コーポレーションへの出資、アコムへの出資、Aberdeenへの出資、モルガンスタンレーへの出資と金融業務拡大の為に布石を打っていますね。つまり製造業なら工場を建設したようなものです。将来の利益に対する投資ですね。しかし2003年は不良債権などの償却の為に、債権放棄などで失われた資本ですね。後ろ向きの増資と前向きな増資とでは全然意味が違いますね。唯一、希薄化懸念は残ります。仮に増資が実行されても優先株方式にして5年後に普通株に転換するとか…方法論は色々あります。資金調達が難しくて、MSCBを利用した双日やエルピーダと同じ次元で、ものを考えるべきではありません。良く考えれば分かることです。

まぁ、それにしても…強気のかたる君も、流石に唖然としています。単純平均株価が308円で止まった1月と、割れた3月の意味は大きな違いがあったのですね。あの戻り、つまり今年の春が勝敗の分かれ目だったのでしょう。結果論は簡単だけれど…現実の対応は。幾つかのシナリオのうち、新興株のヤフーがこの相場の中で高かったですね。もともと外需が悪化するのは分かっていたのです。だから比較的、影響が少ない内需の好業績である新興株を狙っていたのですが…心配していたオリックスが崩れ始めました。当たり前ですね。銀行がこれだけ売られるのだから…。郵船と商船三井の株価がまもなく逆転します。当然ですね。本当に景気が悪化するなら不定期船の商船三井より定期船の郵船が有利になります。

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さて、いよいよスタートします。そうです。米国での様々な政策が実行に移されます。
CPの買い入れや不良資産の買い入れなど…。金融機関に余力が生まれるかどうか…
買い取り価格が大きな問題になります。そうです。金融株が急騰する可能性が残されているのですね。果たしてこのシナリオが実現するかどうか…。LIBORは落ち着いています。今日も多くのお客様から現物で株を買っていただいております。日本人は懐が広いですね。お客様の話ではNHKで報道しているそうなのです。市場原理を否定する政策を実行する日本の株価は何処まで下がるのか? あてにならない予想など無意味ですが、黄金分割やフィボナッチ係数では7千円を割れた所にポイントがあるとか…。私は上手に買おうとは思わずに、相場の景色図を見ながら、ただ黙々と株を買うだけ。
いつまで悲観は続くのかな?

ビスタニュースは繋がりにくいとの…メールを頂いております。かなり改善されていると思うのですが…土曜、日曜日などの昼なら、大概、空いていますね。慌てる必要もないと思いますが…。どっち道、かたる君のレポートは中長期の視点が書かれています。

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投稿者 kataru : 2008年10月27日 18:19