今日の市況(2008年)(2008年09月17日)
何故、リーマンが駄目でAIGが救済されたのか?
昨日、私はベアスターンズの時は突発的で、臨時対応が必要だったと語ったポールソンの談話を、米国市場は既にサブプライム問題脱出の体制が整ったからと解釈したのですが…。それではAIGのFRBによる救済は、どういう意味なのか? 今日は考えさせられました。私の読みは間違っていたのかどうか? 今日のキーワードはこの考え方ですね。実はFRBが最初に利下げしたのは昨年の9月18日です。いきなり0.5%金利を下げました。下のグラフを見てもわかるように、昨年より今年1月にかなり慌ててFRBは利下げをしています。1月22日に0.75%、1月30日に0.50%と異例の対応ですね。そうして今回は市場が利下げを予想していたのに見送りです。

私は今回の対応をみて、こう考えました。当局の判断はAIGの融資要請に民間機関は応じる体力があったと判断したのだと思います。つまりリーマンは仕方ないにしても、AIGには民間が救済の手を差し伸べると判断したのではないでしょうか? しかし結果は…まぁ、私らしい強気の読み筋ですね。
もう一つは、今日の日経新聞の春秋ですね。『破綻した米国4位の証券大手リーマン・ブラザーズの問題点を、救済対象を同3位のメリルリンチに変えたバンク・オブ・アメリカのCEOは、「グリード(貪欲(どんよく))」と言い切っている。』と書いてありましたね。
何故、こんな話しが重要なのかと言えば…。
こんな感じで…、これからのIRNETの「今日の市況」おしまいにして、ビスタには続きをこんな風に書こうかと思っています。下記の所から無料で登録できますが、注意書きをよくお読みになり、自己責任が厳守できる方が登録して下さいね。
この見方を正しく理解できれば、金融当局の米国金融の状態の把握の仕方が分かるからです。私は既に住宅価格の下落からのサブプライム問題は出口に近付いていると思っているわけです。だから、あえてリーマンを救済しなかったと思っているのですね。しかしその結果を見て金融当局は少し慌てたのでしょう。この考えが正しければ、株式市場は上がる事になります。
リーマンショックが尾をひいているようで、個別株の動きにも影響が出ているようです。例えば、注目している武富士はCDSの価格が179ポイントあがり756になったと言う事で売られていましたね。同時に武富士は自社株買いを実施しており、私には市場の動きは奇妙に見えました。アコムはかなり上の価格で三菱が傘下におさめる為にTOBを実施しています。株価は色んな見方がありますね。日本電産の永守さんは東洋電機に対し時価の2倍の635円でTOBを掛けました。会社には大きな価値があるということです。それでは市場でついている株価はおかしいのかな? と考えるのが普通ですね。バンク・オブ・アメリカが、危ういと市場評価されたメリルを29ドルで評価したのですね。私は武富士もかなりの価値があると考えているのですが…果たしてどっちが正しいのか?
一方、色んな現象がこの株安の中で進行しています。
携帯コンテンツのインデックスはサウジアラビアの投資会社、Basil Investment Holding Coと業務、資本提携をし、新会社を興しサウジアラビアにおいては、2006年に第3世代モバイル通信の商用サービスが開始するのだそうです。なんでも市場から株式を買って資本提携をすると日経産業新聞に報じられていました。規模は未定。
また同じく注目しているDeNAのモバゲーは健全サイトの認定を受け、アメリカ(英語圏)でもモバゲーの展開を開始したとか…。フルスピードは好業績で…。一時、圧倒的に人気を保持していた新興株は、現在はボロボロになっています。ヤフーなどは新安値を更新していますからね。まぁ、新興株だけじゃありません。理屈が付かない水準まで、叩き売られている株式は多くみられますね。

松下が2000円を割れるのは久しぶりですね。シャープにしてもかなり乖離が開いてきました。幾ら受注が減っているといっても、オークマの株価はどうやって理屈を付けるのでしょう? やはり私には…そろそろ一体、株価って何なのだろう? と疑問を覚える水準に来ましたね。あまりにも流動性の欠如から、正常な株価が付かなくなっているように思うのですね。しかし市場は市場です。もっと、もっと日本にも東洋電機のようなTOBが盛んになっても良いのでしょう。株価を意識しない経営者は失格の筈です。


投稿者 kataru : 2008年09月17日 19:19