今日の市況(2008年)(2008年09月09日)
いやはや…なかなか市場心理は直ぐには変わらないものですね。
NY市場はGSEへの公的資金投入を受けても劇的な変化はなく、少しずつ効果が出ているように感じるのですが、目に見えた変化になっていないために、他人任せの日本市場も株価下落の「慣性の法則」が生きているような市場動向でした。しかし相場の中身をみると確実に変化の芽を感じるのですね。ジョイントへのオリックスの支援が好感され、大きく売られていた不動産関連株は株価が上がっていますし、昨日、ストップ高をした大手銀行株の株価も堅調でした。一方、BRICs関連株は信用期日もあるのでしょうが弱い展開を続けています。
注目されるのはGSEへの公的資金投入により安全性が増すので、住宅ローン金利の低下効果が出ることですね。これからの注目はこの点が一つの焦点でしょう。現在は6.7%前後でしょうか? 此方のサイトから日々の金利動向が分かります。何故、株屋の僕がアメリカのホームページを見て能力もないのに一所懸命に買い材料を探さなくてはならないのかな?…と時々考えますね。日本の新聞やテレビはネガティブな報道ばかりなので真実を伝えてないように感じるのですね。

だってサブプライムローンの証券を組み込んだ証券のABXの価格はトリプルAで53ですね。つまり47も安いのです。住宅価格の下落は落ち込みの激しいところでも20%から30%程度でしょう。40%も…まだ下落はしていませんね。…と言うことはリーマンやこれから決算を迎えるメリル、シティは過剰に引き当てを積み立てる事になりますね。金融問題は既に出口が見え始めているから…急速に値戻しする可能性があるのです。だからシティーバンクは、これから決算を迎えるのに株価は20ドル以上しているのでしょう。

またフィデラルフィア証券取引所に上場されている住宅産業の指数はこんな動きですね。SOX指数は有名だけれど…HGXなんて、あんまり聞きませんからね。しかしあるのです。HGXが上がるという事は、住宅産業は上向いている事になります。つまり住宅価格も上がる方向にあるということでしょう。そんなわけでアメリカの金融株は早晩立ち上がるし日本の金融株も上がるという連想が働くわけですね。ところが…です。日本のアナリストは何処の資料を見てもみんな弱気ばかりで…赤信号を皆で渡れば恐くないという連中ばかりですね。日経新聞などはその代表格です。
市場には色んな意見があります。弱気の意見は沢山ありますが、強気の意見がないから、あえて僕が探して代弁者にならないと…日本の株は安値で外国人に拾われますね。
まぁ、後出しジャンケンをするから大丈夫。
官庁も裁判所も外人投資家より日本の鎖国論理を通すから…と言う意見もありますが…
この食物自給率で…資源のない日本で…鎖国政策が出来ますか?
だからあえて強気を述べていますが…はぁ、それにしても、だらしのない市場ですね。まぁ、僕ら証券マンの責任ですが投資家も株価に左右されない自分の価値観を持って欲しいのですね。
さて個別株ではサラ金屋のアコムが三菱UFJよりTOBを受け4000円とか…。妥当な評価なのですね。今のサラ金株の時価が安すぎるのです。だって先日の新生銀行もGEコンシューマーの株を5800億円と言う高い価格で買い取ったのですね。(まぁ、付帯条件が付いていましたが…)
後は…マツダぐらいでしょうかね。中国での販売目標を半減したニュースが…。昨日、内閣府から街角景気が発表され更に悪化していますね。しかし鉱工業生産指数はそう落ちてないのです。この意味は先日、解説しましたからね。兎も角、弱いながらも、ほのかな光が差し込んだ市場かな?


投稿者 kataru : 2008年09月09日 17:33