今日の市況(2008年)(2008年09月08日)
米国では前から噂されていたGSE(ファニーメイ、フレディーマック)への公的資金投入が実現しました。これを受けて日本の銀行株が軒並みストップ高を付けています。この動きを受けて「自然な流れだが日本の金融機関の要因で買われた訳でなく勢いは続きそうもない」とJPモルガンの笹島氏は述べているとか…このような考え方が一般的なようですが…
「強き相場は悲観の中で生まれ懐疑の中で育つ…」と言われますからね。どうなるでしょう? この処置の背景は米国の雇用統計が発表され、予想以上に悪化している現実を見ての対応を、世界で最初に市場が開く東京市場の開始前の日曜日にポールソン財務長官は発表したのですね。流石に市場経済の国ですね。市場の反応を見ての対応でスピードが違います。

市場には色んな意見がありますが、私は当初からこの動きを想像していました。
まさか、このタイミングで出るとは思っていませんでしたが、米国政府が政府系金融機関とは言え、公的資金を投入すると言うメッセージは大きなものだと思います。中国は実際にGSEの発行する債券の持ち高を減らしていましたからね。まだ市場には、一部の少数派意見ですが、今回の世界経済は本格的な景気後退ではなく踊り場だと言う説がありますね。日経ビジネスには、スフィンクスの藻谷さんの意見が載っています。輸出額の推移でみるのが正しいのかどうか分かりませんが、極端な今の悲観論は間違っていると思います。
ケース・シラー住宅価格指数をよく調べてみる必要がある。もともとサブプライム問題の原点は住宅価格の推移ですね。銀行の不良債権問題からデリバティブを利用した金融商品の値下がりが、世界の景気を押し下げ、株価を下げています。しかし、よく考えて欲しいのですが、もっとも値下がりしているマイアミの住宅価格でさえ、前月比の動きで見ればこの状況です。まだマイナス圏ですが急速に上向き始めています。

全米20都市のうち既に9都市で前月比では住宅価格指数は値上がりしているのです。
こんな環境下での今回の公的資金投入です。米国の金融市場が落ち着けば世界に流動性が再び供給されます。お金は余っているのです。心配だから極端に動きが萎縮しているのです。東証一部市場で半数以上の企業が純資産を割り込む時価総額なのですよ。ブリヂストンのチャートを掲載し、如何に行き過ぎの市場か何度も述べていますね。世界で一番の会社が、黒字で配当を実施しているのに、幾ら先行きが暗いと言っても純資産を割り込むなんて…。東京駅前のブリヂストン美術館を見たことがある人なら、異常な株価だと言うのが分かると思います。
いつの時代も市場は極端に動きます。特に政治が混迷し世界情勢が不安定な今、市場が過敏に反応するのは解らない訳ではありませんが、やはり異常ですね。自分で調べないから株価の流れに負けるのですね。私は、なけなしのお金で株を買いました。金曜日に最初の打診を金融株に入れました。そうして、今日を迎えストップ高の金融株を、再び買いに行きました。大きな流れが変化していると思っています。色んな意見があるでしょう。相場はまだ不安定ですから、当然ぶれるでしょうが方向性は決まっています。日本の政策が間違っているから株はまだ下がる。…と言う意見もあるでしょう。しかし東京市場は既にグローバル化しており、海外勢の売買比率が55%とも言われるなかで、主要売買者の投資マインドが市場に影響を与えない筈ありません。私は既にNY市場も、ロンドンも、東京も市場経済の流れの中で動いていると思います。東京だけが独自基準で動くことは不可能なのでしょう。
米国政府が市場に、住宅関連産業に、お金を投じたと言うことは、その産業は既に立ち上がると言うことです。当然、住宅で苦しんだ金融も元気になります。米国の金融が元気になれば、世界経済も元気になります。投資の真髄は原点を見ることだと思います。米国政府の行動は、住宅価格の先行きに明るさを示し、この行動を見た投資家は動くでしょうね。私はその行動が、当然の帰結だと考えています。故に日本株も大きな転機が来たと思っています。果たして外れ続けているかたる君の読みは当たるでしょうか?

投稿者 kataru : 2008年09月08日 18:58