今日の市況(2008年)(2008年08月27日)
いやはや…昨日のNHKの「クローズアップ現代」の特集は暗かったですね。しかし榊原さんと言う人の意外な一面を垣間見た想いです。交易利得から加工貿易国の限界を悟り、産業構造の展開を図る提案は一理あります。この発想は大きな価値がありそうで、相場感を180度変えるもので考えさせられました。何れ皆さんにも分かり易く解説する時期が来るでしょう。勉強していないと、あの円高発言はなかなか理解できないと思います。
さてNY市場は相変わらずの模様眺め、しかし民主党大会で経済対策が主要課題になり、大統領選の争点は経済問題になりそうですね。楽しみです。相場環境は一見すると非常に悪いのですが…良く観察すると、面白い現象が幾つかありますね。例えばグルジア問題ですね。少し前なら原油価格が暴騰する話ですが、原油の相場は大きな反応を見せていませんね。
また、地方の人は日経夕刊がないでしょうが、東京の夕刊には自動車の販売台数が落ちて自動車用金属の相場が下落している話が載っていました。亜鉛▲60.0%、鉛▲51.7%、プラチナ▲36.0%、インジウム▲50.5%、マグネシウム▲34,7%、アルミニウム▲17.5%、銅▲14.3%、原油▲22.2%など…ここではイメージを掴んでもらえれば良いですね。

サブプライム問題の元は住宅価格です。最近ではS&Pのケース・シラー住宅価格指数が注目されています。何故か分かりませんが…流石、S&Pです。指数には価値がありますからね。まぁ、その話は兎も角、前年度比では過去最大の下げ幅です。多くの人は上のグラフのように、まだ大きく下がっているんだなと認識しているでしょうが…実は良くみると違うのですね。下は同じ指標を用いて私が作ったグラフです。実は調査地点20箇所のうち、9箇所で既に価格が上昇しているのですね。詳しくは此方のサイトからどうぞ…

先日の全米不動産協会の全米の1/4にあたる地区の一戸建て住宅中古販売価格が前年同期比で上昇したと言う話がありましたが、その話しを裏付ける調査資料です。目ざといヘッジファンドがこの現象を見逃す筈がありません。早速、オク・ジフ・キャピタル・マネジメント・グループと不動産投資会社のコルター・グループ(フロリダ州)が下落の激しいフロリダやジョージア州の土地に投資するとか報道されていました。つまり…リーマンの増資問題で揺れている米国金融界に変化の兆しが現れているのです。大きな話しですよ。私が次の戦略を練ってお客様に話している内容に一致する現象です。
さて、日経新聞には報道されていませんがヒントは色んな新聞に転がっています。問題はそのヒントを株と結び付け投資できる才覚があるかでしょう。今日は日刊工業新聞に三井海洋開発がブラジルのペトロブラフから浮体式海洋石油生産・貯蔵・積み出し設備1基の建造およびチャーター契約を受注したと発表されていました。この会社の売上高は1400億円ほどですね。このプロジェクトは1000億規模だそうです。大きなビッグチャンスですね。実はこの報道だけではこの記事の意味が分からないかもしれませんが…IRNETでは、以前、関連記事を載せています。「昨年の11月8日にブラジルの国営石油会社ペトロブラス(PBR)がトゥピ油田・ガス田で確認埋蔵量50億~80億バーレルの軽質油および天然ガスを発見した」と言う記事ですね。合わせると追加投資も充分考えられとても大きな話になります。今日の株価の反応はいまいちでしたが…僕は買いだと思います。ただ既に株価の位置はかなり高いです。

他にはディフェンシブ・ストック銘柄が賑わっていました。武田やアステラスなど…塩野義はメタボの薬が絶好調だとか…反面、フラッシュメモリの赤字が続く東芝は新安値でしたが…昨年は原子力で賑わっていましたね。買い残が増え続け株価は下降波動を続けていますが…1000円以上で推奨していた人はどうしたのでしょうか? まぁ、他人のことは言えないけれど、株は下がる、下がる。本来なら経営権を狙った買いが入る水準ですが、ブルドックの後出しジャンケンが認められる日本ですから…ロシアと五十歩百歩なのでしょう。市場関係者としては残念です。昨日はサーバーの調子が悪いらしくゴメンね。あまり外れるもんだから…怒っちゃったようです。


投稿者 kataru : 2008年08月27日 18:38