今日の市況(2008年)(2008年08月13日)
かたる:NY市場はJPモルガンの決算(7-9)が悪いだろうとの予測から金融株が大幅安、カラ売り規制の解除との兼ね合いもあり下げていると言います。GMの続伸は原油価格安がプラスに働いていると言います。ワグナーCEOの「最悪期は過ぎたかもしれない」との発言も好感した模様です。一方、日本株は4―6月期のGDP発表が行われ0.6%のマイナスとなり、年率2.4%減ったと言います。しかし交易利得や所得収支を加えたGNIは大幅に悪化しています。1.26%のマイナスですから年率で5.04%のマイナスですね。下のグラフがその様子を示したものです。交易利得が大幅なマイナスなのは資源高の影響なのですが、付加価値の高い商品を輸出しているなら値上げで乗り切れるはずで、大幅な拡大はわが国の輸出品の質が劣化しているのかもしれません。競争力がないのですね。

時代や:益々、暗くなる話しばかりだね。株が下がるのも頷けるね。
トロ:既に市場は死に体だからね。
かたる:証券税制が話題になっているが、いつまで馬鹿らしい税制論議に証券界は付き合っているのかね? もういい加減に証券界は怒り、税務署職員が勝手に仕事をすれば良いと協力を断ればいいんだね。この国には国家的な戦略がないよ。いつも対処療法で処理をしているから税制も含め様々な制度に矛盾が生じるんだね。今日の日経新聞に書いてある国際会計基準の話もその一環だね。馬鹿らしい国だね。
時代や:株屋も難しくなってきたね。GDPやGNPは馴染みがある指標だけれど、GDIやGNIってなんだっけ?
かたる:下の表を見てよ。(クリックすると拡大します。)
時代や:何故、交易利潤などを問題にするようになったの?
かたる:要するに、国内にお金が還流しないことが問題なんだね。日本の金利は安いし世界へお金は逃避するが、日本への流入は少ないのだろう。景気が良いとか、悪いとかと言う判断はお金がたくさんあるかどうかの話しだね。皆だって財布の中に万札が10枚も20枚もあれば元気になるだろう? ところが財布の中に1万円札が1枚しかないとか…そうなると気が小さくなり、お金を使う気にならないね。日本は健全なのに必要以上に清貧思想が蔓延っているんだよ。
今日、僕のお客様の話では2002年から2003年の金融危機の時より、今の方が不況感が強いと話していたね。確かにGDPやDNIの動きを見ると…危うい段階にグラフから判断できるね。お客様の体感イメージはそう言う感じらしいね。もっともこのお客様は建設業に絡んだ人だけれど…
時代や:まさに四面楚歌だね。先日まで強いかな?と考えていた株が直ぐに下がる展開は頂けないね。これじゃ、何をやっても駄目じゃないの。
かたる:そんな事はないよ。僕は今年1―3月期と同じイメージを持って相場動向を考えているよ。意外にこのような局面で買っている人も居るよ。個人はこのような時に株を買うべきだね。オーソドックスな狙いは好業績で株が下がった銘柄だね。あるお客さんは森精機や東芝を狙っていたね。まぁ、配当利回りが2%以上に回る株はゴロゴロしているわけで…預金をするより良いんじゃないのかな?
トロ:どうかな? 配当など企業業績の悪化があれば、直ぐに無配になるよ。それに今が下値だという保証がないから…預金ならお金は減らないが、株式は元本が減ることがあるからね。
かたる:まぁ、色んな見方が存在するわけだ。お盆の今日は墓参りだね。線香をあげて日本の未来を見つめ直さないと…60歳や70歳の人が活躍するわけではなく、20代から30、40代と明日を築く若者が頑張らないとならないね。買いは少数派だね。株価が下がっている銘柄にも仕掛けの手口があるものもあるが…
もう下がらないというような株価位置まで下げている銘柄も多いね。既に底値を付けている銘柄も多いと思うね。さぁ、勇気を持って買い向う時期だと思うけれど…。ここで買わないで、いつ株を買うのかな? 頑張るぞ!
トロ:期待表明だけじゃ…お金は大切だからね。慌てることはない。

投稿者 kataru : 2008年08月13日 17:04