今日の市況(2007年)(2007年07月19日)
かたる:NY市場は朝から決算を受け軟調な展開。しかし不思議なものですね。株の世界は…僕には理解できない現象がたくさん生まれます。あぁ、市況解説だけにして…インテルの株価は25.06ドルで1.27の下落です。PER27.6倍の水準。ヤフーは26.17となり1.33の下落でPER51.37倍です。ベアー・スターンズは139.34と0.57の下落でほぼ横這いです。
市場経済は絶対値ではないのですね。例えば原油価格が上がっても75ドルを容認する時としない時があるのです。金利水準にしても同じですね。だから予期される数字はどんな悪材料でも消化されるのでしょう。逆にどんなに良い数字を出しても織り込み済みと言うことがあるのですね。今日は再びショックなニュースです。村上氏が実刑判決です。地裁はインサイダー取引で有罪としました。
僕はこの話しを聞いた時に、「えっ?」と、思ったのです。堀江さんが株を買うか買わないか分からない段階で、事前に株を買うとインサイダーになるなんて…たぶんこのケースは実際にTOBに発展したので、こういう判決になったのでしょうが…ならなかったらインサイダーではなかったのでしょう。村上氏が犯罪者になり、スティール・パートナーズが裁判に負ける。
市場原理はどうなるのかな? ものを言う株主が容認されずに、経営者は好き勝手に持ち合い活動をして経営権を安泰にし、ワンマンになる仕組み経済が構築されるのかな? 株の売り買いで金を儲けることは悪なのでしょうかね? 外人投資家はどう考えるのでしょうか? 会計基準もそうだし…日本は鎖国政策のままで競争に勝てるのかな? どうなっているのか…サッパリ分からない。
トロ:まぁ、良いじゃないの。お前がそんなことを考えなくても…株屋は上がる株を薦めれば良いのだよ。そもそも新興株に拘っているのは、単にお前の心情なんじゃないの? 失われた時代を打破した一翼は確かにIT関連株だよね。しかし同時にBRICsの躍進が起こり関連会社は潤った。今はその相場だよ。
お前は新興株に拘るあまり相場を見失い、方向が分からなくなっているだけだよね。最近は反省からか、BRICs銘柄などを採り上げるようになったが…まだスッキリ切り替わってないようだね。新日鉄―5401の復活は見事な読みだったじゃないの。きっと買ってはいないだろうが…
かたる:嫌いだよ。仕組み経済の王様のような会社だからね。確かに鉄鋼会社は空洞化時代にリストラを実施したので、ある程度の恩恵はあっても良いが、決して自分達の努力で今の収益があるんじゃないよ。中国の成長が市況を支えその恩恵を受けているだけ。問題は持ち合いをする事だよ。嫌いだよ。この動きは…スペースワールドなど積極的に外部に売却すべきだね。東芝は不採算部門を売却したよ。不動産まで持っている必要もないよ。この辺が変らないと、日本の労働生産性が上がらない。故に株は上がっても一時的だろう。中国の成長が止まれば途端にPERは10倍前後まで下がるはずだけれど…持ち合い活動をやっているからね。
神主さん:その中国の4-6月期の成長率が発表され11.9%だとか…
かたる:うん、2006年第二四半期は11.5%で2007年の第一四半期は11.1%より伸びているんだってね。それでディーラーが力を入れて新高値を更新したんだね。
時代や:しかし、かたるは前から新日鉄の新高値説を言っていたね。なぜ、あの時点で分かったの?
かたる:さぁ~、相場の流れとチャート波動からだね。しかし既にガンガン新高値を更新するほど甘くはないよ。確かに利食い売りを持ち合いや自社株買いで吸収したので、簡単に新高値を更新したけれど…このスピードで上がり続けることはないね。既にかなり割高水準だから…
むしろ今日はスピード調整で休んでいる商社の方が値上がりの余地が高いと思うよ。此方は、実現するかどうか分からないが…リオ・ティントにアルキャン買収に絡み、今度はBHPビリトンがアルコアを狙っていると言う記事をどこかで見たよ。総合資源開発企業が積極的に動くとなれば商社にとって刺激材料になるからね。それに新日鉄のPERはまもなく上値余地がなくなるが商社は比較的低PERだからね。
時代や:つまり商社にまた戻ると…でも株価乖離が高いよ。少し休むんじゃないの?
かたる:そうかもね。しばらくは新高値を取った新日鉄さ。問題は何処で止まるか?おそらく重くなるまでやるだろうね。業績水準に関係なく…
神主さん:今日は日経新聞に海運市況が載っており賑わっていたけれど…
かたる:船も同時に建造しているからね。何時まで持つのか…不定期船の比率の高い商船三井や川崎汽船を中心に好業績だからね。PER20倍までいけるかどうか…時代の流れだから…限度はその辺だろうが…どうかな?既に海運株も中小の銘柄が乱舞しているから良い水準に来ているのでしょう。鉄鋼もアームのように数字に合わない水準の株も見られるからね。どっちもどっち。しかし最近の傾向だから…目先をやるのは…
時代や:早くから新興株なんかしないで、切り替えておけば良かったのに…
かたる:そうかもしれないね。しかしせいぜい取れて2割か3割の銘柄より、ちゃんとした利益成長がある会社の方が良いと思うがね。インターネット業界は広告収入の会社が多いから…そのスポンサーのサラ金がやられたのは大きい。そのサラ金業界に再編の動きが出てきたね。プロミスと三洋信販が統合するとか…どうなるか分からないが時代は流れているね。BRICs銘柄以外にも、新しい流れも見え始めているよ。例えば下のチャートだね。果たしてこの動きはどうなるか?


投稿者 kataru : 2007年07月19日 16:54