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会社の注目点(2011年11月05日)
前回はDENAを材料にして株価を予測することは、考えられる環境にその会社がどう立ち向かっており、その成果はどう業績に反映されるかの投資家の読みだと述べました。この読みで難しいのは、業績の推移の読みが当たっても株価が反応しないことがあります。今日の市況で登場してきたトロとの会話で、カタルの投資スタイルを批判していた時ですが、彼も僕の実力をある意味で認めているわけです。その言葉で登場した鬼ゴムですが、下のような業績推移でGSなどのファンドが関与し、300円台の株価から現在は600円台に上がっています。その業績は下のようですね。しかし…アーレスティーもカタルの読み通り業績推移は上がっていますが株価は冴えません。その業績推移は下のようなものですね。両社の業績数字と株価を比較してください。両社の違いは明らかに仕掛け人の存在があるかどうか、…などの複合的な要素で株価が形成されているからでしょう。他にも市場環境により、大きく影響を受けます。所謂、システマティック・リスクと言う市場全体の要因によるものです。今でいうなら欧州危機ですね。


さて今日の本題は、銘柄により、その会社が現在、取り組んでいる課題があります。会社は当然、利益を上げようと計画を練り、日夜努力をしているわけです。取り組んでいる事業が成功すれば、飛躍的な変貌を迎える会社を選ぶわけです。この飛躍的と言う表現を、業績の変化率と置き換えても良いですね。先日はDENAの近年の成長は、日本の携帯コンテンツ(ゲーム)の成功によって支えられ、僅かな期間に四半期ペースで100億円だった売り上げが、一気に350億円レベルへ跳ね上がったわけですね。だから株価も大きく上がりました。今度は日本同様に、世界でも同様の現象がみられるかどうかが、DENAのポイントなのですね。だからNGモコの成果が株価を決めます。このように同等の注目点はどの会社にも存在します。
例えばカタルが最近取り組んでいたチタンは、順調に株価は回復してきましたが、この注目点はこれからのチタンの需要と価格によって業績は決まります。だからこの10月に価格交渉が行われ、原料高や円高をこなせる値上げが実行できたかどうか? 更に需要を予測するための航空機の量産具合や淡水プラントなどのチタンを多く使う製品の具合を見る為に、産油国の景気動向などが問題になるのですね。その問題点を解明するために、貿易統計からHSコードを調べ、その数量と価格の推移から、これからどの程度、10月に値上げが出来たのか? その統計値から推測できるのですね。そうすると会社側の発表前に業績数字が読めますね。航空機の需要は落ちません。しかし問題は一機辺りのチタンの使用料が減っている可能性がありますね。だからV字型の業績推移が望めないかもしれません。伸びるのですよ。しかし飛躍的な伸びがあるかどうかが問題なのです。増産投資をしているし、業績の伸びは確定しているのです。でもカタルが注目してから株価は下げましたね。この理由は市場全体のリスク、所謂、システマティック・リスクを打ち破る買い勢力が居なかったのですね。業績は良くなるのに株価が下がるから、株は下値を買っても大丈夫なのです。でも何処で反転するか分からない。
さぁ、DENAに戻してください。
日本の人口は1億25百万人、米国は3億人、英語圏の人口は? 中国圏の人口は? ところが株価は下げていますね。チタンと同じですね。頭打ちした日本の材料で売っても仕方ないですね。今年の8月から世界でサービスを始めたばかりです。だから買いなのですね。このようなケースは稀で、普通、株価は業績と相反する現象になりません。一時的な減速感でここまで株価が急落したのは、東電やオリンパスと欧州危機の影響でしょう。
ここでルネサスの焦点は何処にあるのか?
この会社は最近、大赤字を計上しても株価は上げましたね。つまり悪材料は株価に織り込まれていたわけです。カーネビのシステムLSIは世界シェアが80%です。車の半導体は40%ですね。世界シェアでトップなのですが、赤字なのですね。ここに魅力があります。経営者が効率化に目覚め、適材適所で量産化して販売すれば高収益会社に変貌できますが、残念ながら経営者が不在です。でも世界シェアトップは非常に魅力的なのです。オリンパスが高評価を受けていたのも、内視鏡はこれからの先端医療で世界トップだからですね。だからPERが通常は10倍なのに、30倍~40倍に評価されていたのです。
間もなく007(ユビキタス)の決算が発表されます。当然赤字です。現状は全くダメですね。しかしSQLも伸びてきており使用範囲が広がっていますね。デジカメからカーナビまで、どんどんSQLは広がっています。更に村田との提携はおそらくWiFi通信技術ではないのかな? 専門家ではないからわからないが…飛躍的に通信量が増大し通信各社は分散を始めていますね。その関連商品かな…と考えています。更に諦めていたQBが製品化され、いよいよ登場します。世界中に家電製品は売られネットワークで結ばれ社名のようにユビキタス社会が登場していますね。スマートフォンなどを見れば分かりますね。その分野に経営資源を絞り、しかも組立ソフトの分野は年率20%成長をしています。だからカタルの関心は赤字でも非常に高いのですね。
最近、株価が堅実になってきたAOCは原油価格が焦点でドバイ原油は100ドル台を維持しています。この会社の焦点は来年の原油生産ですね。このようにそれぞれが注目ポイントを持っているわけです。どうやって銘柄を選ぶか? 狙いは業績の変化率の度合いですね。DENAが成功すれば売り上げは3倍増以上になりますね。当然、利益も大きく膨らみます。でも日立はどんなに良い会社に変貌しても売り上げが2倍、3倍になりません。せいぜい変化率は20%が限度でしょう。ここでカタルが述べたいのは、会社にはそれぞれ注目するポイントがあるという事なのです。