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シナリオと株価概念(2011年06月18日)
意外に日本株は強くなったな…と言うのが正直な感想です。
これまではNY市場以上に弱い展開が当たり前でした。NYは上がっても日本株は下がり、NYが下がれば更に日本株は下がっていましたね。ところが…震災後の日本株は上がっていませんが、NY市場が6週間も下落したのに、横ばい波動のイメージですね。おそらく岩盤なんじゃ…ないかな?と考えています。政治情勢は混迷し、世界経済は不透明なのに。
NY市場などの世界市場が弱いと外資系の買いが入り辛くなりますが…。どうも先日記事になったように中国系の資金もかなり入っているようです。勿論、オイルマネーもそうですね。世界の中で投資を考えた場合、先ずは米国でしょうが…最近では米国の財政不安からドル安が懸念されておりワールドマネーの分散化が進んでいるようです。(基軸通貨の崩壊)その中で流動性のある市場は日本ぐらいなのですね。大量の資金を受け入れられます。しかも整合性のある株価水準です。まぁ、情勢分析はこんな風に考えていますね。
カタル銘柄を選ぶ過程では業績の変化率を主眼に置いています。今日はこのことを少し考えます。さわりですからね。ヒントに過ぎませんから、あとは自分で応用してください。基本的に株価が大きく変動する原動力は「驚き」です。人々が普段ある認識と違う現象が株価を刺激します。だから基本的に景気の変動に影響を受けない医療や食品などの業界は大きな評価を受けません。あまり変動がありませんから…。ところが設備投資の関連企業は変動が激しいですよ。故に工作機械業界は借り入れが少ないのです。無借金の企業も多くあります。ファナックは代表例でしょう。
折角、カタル銘柄に選んでも、素質はあるが育たないケースがありますね。なかには狙い通りに運ばず、さらに悪化するケースもあります。ベンチャリは失敗例ですね。その後のインデックスもひどかったし…USENも武富士も失敗例を掲げるとキリがないですね。それは社会情勢の変化に対応できなかったのです。ベンチャリはカーブスのヨチヨチ成功と言うか…牛角などに比べれば成功には程遠いかもしれません。それにも拘らず、松本社長は時間のかかる保険屋に手を染めました。狙いは分かりますが、金融は時間がかかりデフレ社会では成功しませんね。資金繰り難から銀行は貸出停止の環境下で、綱渡りの資金繰りになりました。そうして売れるものを売ったので、何にもなくなりました。手掛けた時の株価は100円台でしたし、無借金で変身の可能性はありました。博打でしたが…。今のサニックスのような会社ですね。しかし時代が変化すれば問題なのですね。でも日本はデフレ環境のままでした。
今日はユビキタスの話をしましょう。日経新聞の朝刊にオリンパスの業績記事が載っていました。デジカメが好調で業績を押し上げるとなっています。推測ですが、おそらくこのデジカメにユビキタスの技術が組み込まれており、販売が増えればユビキタスもロイヤルティーが多く入るのでしょう。さらにGPSを使った位置情報ソフトをユビキタスはDeviceSQL5.0で既に実用化しています。最近、スマートフォン向けに、このサービスが増えてきましたね。
実は昨年2月に、かたるはユビキタスが久しぶりのヒット銘柄だと思って推奨しました。本当は直ぐにも上がると思っていました。手掛けたのは10万円以下の株価時期からです。そうして30万円でも買っていました。理由はQBの魅力です。節電効果があり、すべての家電に応用でき素晴らしいと思ったのですが…技術的な問題から、未だに実用化されていないようです。昨日はクラウドの発展や半導体の技術の進化で、QBの魅力が薄れているかもしれないと書きました。
さて株価が上がる条件は、任天堂向けのソフトがそのまま利用され続け、QBの開発が順調に進み、今頃は実用化されていると考えていました。しかし現実は、任天堂は次世代向けに採用されず、QBの開発は遅延しています。時間的な歪みが生まれましたね。故に過去最高だった利益水準にも拘わらずに、株価は下げてきました。この空白期間。条件が揃いませんでしたね。素質はあるが…肝心な業績に歪みが生じました。でもユビキタスの魅力は組立ソフトの分野で抜群の応用力を秘めています。
実例があります。素晴らしい発明は誰にでもできるものではありません。しかし折角、良いものを発明しても、それを世の中に売り出すのは大変なことです。どうもユビキタスは技術力を見る目があるようですね。実はこのDeviceSQLと技術は、ユビキタスで開発したものでなくエンサーク社〈米国〉の開発品なのですね。この知的財産権を安く買って、それを応用し技術発展させたものなのでしょう。この能力は全てに通じますね。昨年、村田製作所と協業したセンサー事業も注目されますね。村田がなければ、世界のスマートフォンは作れません。世界でトップクラスの電子部品メーカーです。
社名が示すように、いつでもどこでも、情報と人が結び付くソフト開発をする会社なのです。だから条件が揃っていれば、今頃は100万円を大きく超えていたと思っていました。昨年の2月の頃は久しぶりにワクワクしたのですね。しかし株価は正直ですね。僕は順調に進んでいると信じていましたが、実際は任天堂への参加も流れ、QBの開発も遅延していたのです。だから株価が大きく屈みました。QBの魅力が薄れつつありますが、逆にホームネットワークの存在価値は震災の節電意識で上がってきています。
このように株価の決定要素は時間の流れで変わっていきます。素質はピカ一のメディッチは、ようやく世間から震災によって存在価値が認知されましたが、肝心の半導体環境は悪く、余程の努力がないと業績数字の伸びが見られませんね。この変身が会社に起こるかどうか…素質はピカ一なのです。このピカ一とは…世界シェアですね。大阪チタンも同じです。オリンパスもある意味で…、日立メディコなどと共に世界トップグループです。医療用機械の進歩はすごく、世界で一番ですね。もうすぐ、カプセル内視鏡も実用化されるでしょう。何れ「ミクロの決死隊」の時代がやってきます。要するに汎用品なんか必要ありませんが、ピカ一商品はPER100倍の世界ですね。
なんとなく、概要を掴んでいただいたでしょうか?
会社が伸びるのは分かるのですが、株価の日々の変化や時間見通しが難しいのです。力があれば、自分で買えば良いので、演出は出来ますが…自分で買う力がないと演出は出来ませんね。株価の上昇は真実を捉え、組織力がないと実現しません。多くの人は株価が緩むと未来図に疑問を持ちます。その時に株価が確りしていると未来図が正しいと信じます。大阪チタンがそうですね。昨年のあの弱い相場で3000円を維持しました。だから会社の信用が確保され資金調達が楽になり、本業の商談もスムーズに進みます。
いくら良い商品を開発して売っていても、株価が倒産寸前のような水準では信用力が疑われ、資金繰りも苦しくなり、まとまる商談も駄目になりますね。更に株価が高ければ、高株価を利用して資金調達が可能になり、その資金が信用を生み、更に好循環が続きます。嘗て、任天堂もトランプやカルタを作るの薄汚れた会社だったのです。今は世界トップくらいの財務内容を誇る会社です。CSKは折角、大川さんが育てましたが、野村出身の馬鹿経営者に潰されました。全ては経営者の実力次第でしょう。シナリオ通りに株価が育つかどうかは、常に流動的だと言うことを理解して頂いたでしょうか?