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業績と株価(4)(2007年08月04日)
皆さんの関心は来週の日本株の動向でしょう。サブプライム問題の発展とNY市場の調整をどう考えるかによりますが…この辺りの解説はビスタニュースでシリーズ化しており、今回も関心がそこに集中しているようですので、解説する事になるでしょう。IRNETの読者の皆様には明日のコラムで簡単に触れようと考えています。
さて、株式教室では先週、双日を採り上げましたね。何故、かたるが双日に注目し、株価が上がると考えていたか?
実は双日の前身の「日商岩井」時代から手掛けていました。隣の浜ちゃんが大きくやられており、当初は軽い気持ちで買い始めたのです。たしか50円台の株価だったと思います。それから過剰債務銘柄の淘汰が始まり、銀行の締め付けが厳しくなります。金融庁は過剰な指導をするようになるのですね。民間銀行は大丈夫だといっても、全体の不良債権処理が進まないから、強引に債務が過剰な企業の淘汰を始めます。
その過程で日商岩井は優良な子会社を次々に売却します。メタルワンなんてもともとは日商岩井の参加だったのです。ニフティーも日商岩井は商社の中でもキラリと光る素質があったのです。しかし金融庁の指導には適わず、ニチメンと統合をさせられ株式は併合され日商岩井とニチメンは一緒になり双日と社名を変えました。日商岩井出身の西村前社長は自力で優先株を返済すると言っていたのです。先日、のむらにMSCBを発行し銀行の債務を返済しましたね。
先週の株式教室を開き業績の推移を見てください。赤字と言っても特別損失ですね。営業利益の段階では黒字で充分な利益が見込めたのですね。誰に目にも西村社長の発言どおり利益を返済に向ければよかったのです。仮に資金が必要でもMSCBを選択しなくても第三者割当増資で乗り切れたはずです。卑怯な奴です。土橋と言う男は…あれが商社マンか。まぁ、負け惜しみですが…
今では商社が上がる理由は誰にでも分かるでしょう。しかし当時は漠然としていましたね。アジアの隆盛など今から2年前の「かたるクラブ」の内容です。最初の双日の研究、IDはirnet、パスワードは「11922960」です。
あのまま西村前社長の意思を継いで再建を図っていれば、今頃、株価は3000円だったですね。伊藤忠はあれから3倍に、丸紅に至ってはなんと4倍になっています。丁度、三菱ニコスとオリコの関係に似ていますね。双日はMSCBで安易な資金調達を謀り、株主を裏切ったのです。しかし私は野村證券の良識を、一時、信じたのですが、これも見事に打ち砕かれます。野村も人材がいなくなった。これも負け惜しみ。
故に昨年、双日が400円になった段階で諦めました。そうしてベンチャーリンクに賭けたのです。そのレポートが此方です。
この二つの「かたるクラブ」のレポートを読み比べると、私の真意は理解できると思います。このようにかたるは失敗しました。経営者の資本政策の判断により、見事にかたるの見込みはハズレ、お客様にご迷惑をお掛けした次第です。当初の見込みどおり、事が運ばないことは良くあります。その時々に自分の相場観を修正せねばなりません。商社の狙いはマズマズ、あの時、双日を選ばずに丸紅を選択していれば…たまたま隣の浜ちゃんが日商岩井を手掛けていたから…人間の運命の不思議さを感じる次第です。