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コラム

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株価は何を思うのか?(2006年02月12日)

難しい動きをする日本株は、今後どんな展開を歩むのでしょう。
この秋の総裁選挙に絡み、様々な駆け引きが繰り広げられるようになっています。1989年の「ベルリンの壁崩壊」を境に起こったBRICsの繁栄は、一次産品の価格を大きく上げ始め、現在に至っています。今までの市場経済に、もう一つ新たな市場が誕生したという見方もあるでしょう。このような観点に立てば、市場経済の行方は、前途洋洋たるものになります。加工貿易国の日本にとって、新たな市場の広がりが、商圏の獲得につながりますからね。しかも、注目されている中国やインドは地理的に近い位置にあります。アメリカ向けばかりだった販路の拡大が、これからの市場の要になるのでしょう。中国、インドへの販売網の開拓が注目されます。

市場の現在の懸念は、官僚社会主義派の巻き返しでしょう。市場が一番、畏れるのは、これから始まるM&Aなどへの影響です。村上ファンドやライブドアなどの過剰な動きが、全体の動きを縛るような規制強化に繋がると、臆病なお金は市場から逃げますからね。国家の繁栄は、GDPを上げることだと思っております。来週にも発表される数字はマズマズですが、ようやく上向き始めたGDPを、官僚社会主義は快く思ってないのでしょう。GDPの数値目標が国家の政策目標になれば、効率化社会の動きは加速され、規制は撤廃され、市場派が活躍する環境になりますが、非効率的な部門は、当然削られますから、給料が年功序列で決まっている官僚社会主義派にすれば、デフレこそ、我が世の春なのでしょう。

昨年の選挙で大勝した郵政民営化賛成派の市場経済派の議員達の地位は非常に弱いものです。ようやく芽が出たばかりなのです。最近の小泉内閣の支持率は下がっており、後継指名まで行かない可能性が濃厚になりつつあります。反体制派の巻き返しが始まったと思って間違いありませんね。フジテレビの日枝氏の行動などを見れば、官僚社会主義派の巻き返しが始まったのでしょう。官僚派の連中には、市場主義派の台頭は面白いはずがないのです。自分達より能力の低い連中が、お金(力)を手に入れる社会を快く思ってないのでしょう。株価の行方は、この勢力争いに委ねられています。日銀の量的緩和解除を含め、市場主義派が更なる力を付ける前に叩きたいでしょう。自分達のコントロール下に日本を置き、権力を保持したいのでしょうね。残念ながら、新しい考え方の僕ら市場主義派の連中は、社会の中枢に位置していません。ようやく現場の指揮権を握ったばかりで、方向性を定める支配力を手に入れるのは、あと5年から10年ぐらいの期間を要するのでしょう。

ひとまず、GDP目標を政策の策定に、組み入れることさえできれば良いのですが…。高速道路の建設の展開などを考えれば、彼らは眠っていたように鳴りを潜め、再び暗躍する老獪な政策集団のプロですからね。アマチェアの僕らが太刀打ちはできません。ライブドアは微妙な問題ですからね。何処が真実なのか? コントロールされた報道下では、判断が難しいのです。多くの国民は巧妙に仕掛けられた罠に、気付きはしないのでしょう。彼らは巧妙ですよ。オリンピックに目が奪われる、このタイミングの仕掛けは見事ですね。流石、長年、政権を培ってきたプロ集団ですね。心憎いばかりのタイミングです。

僕は許認可権のあり方に、かなりの疑問を抱いています。この権限の乱用が恣意的だから、疑問を抱くのです。ハニックスの広川社長はどんな想いを抱いて、国税局前で抗議の自殺を図ったのでしょう? あの事件は強烈だったですね。今、堀江はどんな気持ちで独房生活を送っているのでしょう? リクルート事件で江副氏は、どんなふうに日本をかんじたのか? 国家権力の前では、個人の力など限られますからね。本人同士が納得している取引に、許認可権を乱用して割り込み、権力をちらつかせ、自由を奪う官僚社会主義は、一歩間違えば、共産国家の中国と同列の危うさを秘めています。しかし御茶ノ水大学の藤原先生の意見も一理ありますね。僕は郵政民営化賛成派ですが、平沼代議士の行動には、胸を打たれました。彼こそ政治家ですね。立派ですね。

秩序の線引きを何処に据えるか? 如何にも、島国の裁量主義の国ですね。ルールは僕らが判断する。地検が違法だといえば、違法なんだ。と決め付ける裁量権によって、多くの国民が幸せになれば良いのですが…。この15年、いや20年近い歳月を考えると、果たして、今後、このような裁量権が許されるのでしょうか? インターネットが発達して様々な意見が世に出て、様々な価値基準が公開されるのです。密室で繰り広げられる手術の医療ミスなども、テレビで録画されるようになり、公開される方向にあります。地検の内部の結束は高いのでしょうが、この行動に意義の覚えない若い世代もいることでしょう。

以前、私はヒューザーの小島社長の行政訴訟を当たり前の行動だと述べました。責任ある当事者が提訴するのを、奇異に感じた人もいるでしょうが、その許認可に、僕らは縛られて行動しているのです。責任がない許認可権なら必要はありませんね。彼らが許認可権を乱用するなら、当然、裏付けの責任が求められるのが筋でしょう。東横ホテルの改装問題も、民間に負担を押し付ける法令のあり方に、疑問を抱いたのは私だけなのでしょうか? 最近は悩む問題ばかりが登場します。ライブドア事件は非常に大きな意味があります。後継総裁人事に絡んだ大きな仕掛けの意図が背景にあるのでしょう。その意味は官僚社会主義と市場主義の戦いの構図に見えます。

難しい位置ですね。自分達が粉飾した銀行決算は合法で、投資組合を使ったライブドアは違法か…裁量行政は多くの疑問を投げかけます。これで国民が幸せになって、豊かな老後を支えられる競争力ある国づくりができれば良いのですが…誰が年金を支えるのでしょう? 一所懸命に頑張る若者の手取りが15万円で、遊んで暮らす老人の年金が20万円か…。一体、この矛盾を誰が肯定するのでしょう? 豊かな国づくりのために、国民は難しい問題に逃げずに、直面しなければなりません。何が有識者会議だ!自分達の独占で決める茶番ばかりじゃないか…国策を官僚に委ねる危うさを感じるのは僕だけでしょか?